ここから本文です

画期的がん治療法「光免疫療法」に見えた光明と動き出す関連株 <株探トップ特集>

3月19日(火)19時30分配信 株探ニュース

がん細胞に付着させた薬剤に近赤外線を照射し、化学反応で破壊するという光免疫療法が改めて注目されている。同分野で先駆する楽天や島津製など関連株をマークしておきたい。
拡大写真
がん細胞に付着させた薬剤に近赤外線を照射し、化学反応で破壊するという光免疫療法が改めて注目されている。同分野で先駆する楽天や島津製など関連株をマークしておきたい。
現在値
ネクシズG 2,835 +92
小野薬 1,913 +40.5
楽天 1,087 -20
富士フHD 5,198 +75
島津製 2,828 +33
―第4のがん治療法である免疫療法、そのなか日本発の「光免疫療法」にマーケットの視線再び―

 小野薬品工業 <4528> のがん免疫薬「オプジーボ」は手術、放射線、抗がん剤に次ぐ第4のがん治療法として 免疫療法に道を開いたが、同薬の開発以降も新たながん治療法の開発が進められている。

 その一つが光免疫療法といわれるもので、米国立衛生研究所(NIH)傘下の国立がん研究所(NCI)の小林久隆主任研究員が2011年に開発した「日本発」の技術。12年には、当時のオバマ米大統領が一般教書演説(施政方針演説)で言及するなど、画期的な治療法として注目度も高い。今後、開発の進展に伴い株式市場でもテーマとして注目される可能性が高く、今から関連銘柄には注目しておきたい。

●がんは日本人の死因の1位

 国立がん研究センターによると、国内で新たにがんに罹った患者数は、14年には86万7408例(男性50万1527例、女性36万5881例)、16年には99万5132例(男性56万6575例、女性42万8499例)に上る。増加の要因として患者の高齢化に加えて、検診の浸透、検査技術の進歩などでがんの発見が進んだことが要因とされる。

 一方で、17年にがんで死亡した人は37万3334人(男性22万398人、女性15万2936人)と、男女ともに日本人の死因の1位となっており、引き続き「こわい病気」といえよう。

 がんが「こわい病気」であり続けるのは、治療法は年々進歩しているものの、根治に障害が多いことが要因の一つに挙げられる。発見の遅れや再発の可能性に加えて、外科手術では腫瘍の摘出が不可能な場合や、抗がん剤では薬が効きにくい場合、放射線照射では費用が高く対象が限られること、オプジーボは費用が高いことなどが障害となっている。

●近赤外線でがん細胞を破壊

 こうしたなか、全く新しい治療法として注目されているのが、「光免疫療法」だ。原理はシンプルで、がん細胞にナノレベルの爆弾を仕掛け、テレビのリモコンに使うのと同じような近赤外線(ただしリモコンとは周波数が異なる)の光エネルギーで爆発させるというもの。

 治療としては(1)がん細胞を標的とする薬(分子標的薬)にIR700という光吸収体を結合させた複合体を患者に投与(2)投与後、がん細胞に対して近赤外線を照射(3)複合体に含まれる光吸収体が熱を発しがん細胞を破壊するという流れで、周囲の健康な細胞にはほとんど影響がないため副作用は少ない。また、急激な細胞破壊で放出された腫瘍抗原により、副次的な効果として、別の臓器に転移したがん細胞を攻撃する免疫細胞の増強も見込まれるという。

 18年1月には米国食品医薬品局(FDA)からファストトラック(必要性の高い新薬の審査を優先的に行う制度)に指定され、同年12月には再発した頭頸部がん向けに第3相臨床試験が開始された。また、頭頸部がんだけではなく、肺がんや乳がん、大腸がんなど約9割のがんへの対応が可能といわれている。

 最大の特徴は、重粒子線治療などと比べて近赤外線の照射装置が割安であること。投与する複合体もそれほど高価なものではないため、低コストで高い治療効果が得られることになる。早ければ数年のうちに実用化される可能性がある。

●楽天グループが開発に注力

 まだこれからの技術であるために、関連銘柄は少ないものの、代表格は楽天 <4755> だ。同社やSBIホールディングス <8473> が出資する米バイオベンチャーの楽天アスピリアンがNCIから光免疫療法の治験化合物「ASP-1929」の開発および商用化に関する独占的ライセンスを取得。現在、米国や欧州、日本などで臨床試験を進めている。既に再発頭頸部扁平上皮がん患者を対象に第3相臨床試験を開始しているが、更に他の固形腫瘍についても、第1/2相臨床試験(POC試験)の開始準備を進めているという。

 楽天アスピリアンには、前身であるアスピリアン・セラピューティクス社に対し、ネクシィーズグループ <4346> が17年8月に出資しており、同社も関連銘柄といえよう。

 島津製作所 <7701> はNCIと光免疫療法の安全性や治療効果を評価・改善するための計測技術の研究開発を共同で実施している。また、同社らの研究グループでは、光化学反応によるIR700の化学構造変化とそれによる物性変化が、抗体の結合した細胞を殺す「デス・スイッチ」の正体であることを突き止め論文を発表しており、今後の薬剤開発にさまざまな方向から利用される可能性もある。

 更に、実際に光免疫療法を行う際、光を届けるのには内視鏡の技術が必要になる場合があることから、オリンパス <7733> や富士フイルムホールディングス <4901> 、HOYA <7741> などのビジネスにつながる可能性もあり、これらの銘柄には要注目だ。

株探ニュース(minkabu PRESS)

最終更新:3月19日(火)20時39分

株探ニュース

 

情報提供元(外部サイト)

【あわせて読みたい】

この記事の関連銘柄ニュース

【PR】Yahoo!ファイナンスからのお知らせ

ヘッドライン