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プロに聞く、費用対効果の高い塗料とは《楽待新聞》

3月18日(月)20時00分配信 不動産投資の楽待

(PHOTO: iStock.com/shime02)
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(PHOTO: iStock.com/shime02)
築年数が経過した物件を保有していると、いずれ雨漏りや外壁の剥がれ、色あせ等が起き、外壁塗装を行うタイミングが来る。中古で購入したばかりの全くメンテナンスされていない物件で施工する、買い手がつきやすいよう売却前に施工する、という場合もあるだろう。

しかし実際に外壁に塗られる「塗料」については詳しく知らない、という方も多いのではないだろうか? 今回は、そんな「塗料」について、塗料の業界団体、日本塗料工業会の畑普及広報部長、内装から外壁塗装まで取扱うリフォーム会社、株式会社y‘sの三ツ木営業部長ら専門家の意見も聞きながら深堀りしていきたい。

■自分の物件の外壁塗装はどんな種類?

一般的に、物件は8~10年に1回は外壁塗装をしなければならないと言われているが、なぜなのだろうか? それは、塗料が風雨などから建物を守る役割を果たすことが出来る期間である「耐用年数」が、塗料ごとに決まっているからである。

外壁塗装に使われる塗料には様々な種類が存在し、耐用年数も素材によって決まっている。価格も高いものから安いものまで様々だが、全て業者にお任せし、見積りの段階では把握せずに発注してしまうこともあるのではないだろうか。

一般的に、アパート・マンションなどの住宅向けに用いられる塗料には大きく分けて以下の6つがある。

1.アクリル樹脂塗料
2.ウレタン樹脂塗料
3.シリコン樹脂塗料
4.ラジカル樹脂塗料
5.フッ素樹脂塗料
6.無機塗料

基本的には、耐用年数が長いものほど価格も高価になる。特にアパート・マンション向けによく使われるのはシリコン樹脂塗料・フッ素樹脂塗料、ラジカル制御型塗料等である。

■下塗り~上塗りで異なる塗料を使ってしまうと…

外壁を塗装する際には、下塗り、中塗り、上塗り3段階の塗装をするのが一般的だ。この時、上に塗り重ねる塗料は下地と相性の良いものを選んでいく必要がある。この3段階の塗料の相性が合わなければ、乾燥後にひび割れが起こったり、外壁がはがれ落ちたりしやすくなってしまう。基本的に塗料は塗装会社とそこに塗料を販売する塗料の卸会社が、適切なものを選んでくれることが多い。

しかし、次のようなトラブルが発生するケースもある。

【トラブル事例】
塗装会社が施主に提出した見積り書とは異なる製品を使用して塗装した。最も品質の良い大手A社の塗料を全工程で塗布するという見積もりを塗装会社が出していたにもかかわらず、施工後早い段階で塗料が剥がれてきてしまった。調査すると、塗装会社は下塗り、中塗りにB社、C社の塗料を使っており、上塗りのみA社の塗料を使っていたことが発覚。それぞれの塗料が層間剝離を起こして剥がれてしまった。



塗料の開発にあたって、塗料メーカーはメーカー内の塗料でテストを行い、下塗り~上塗りまでが密着し合うかをチェックしている。だからこそ、一回の塗装で異なるメーカーの塗料を使用してしまうと、トラブルになってしまう可能性が高い。各塗料メーカーの統一見解として、「一回の塗装では下塗り~上塗りまで全て同じ塗料メーカーのものを使用する」ことが推奨されている。

こうした想定外のトラブルに備えるためには、仕様書通りの製品、塗装回数の確認や写真撮りによる実証が重要である。

「塗装の怖いところは、塗ってすぐに不具合がわかるわけではないという点です。しばらく経って初めてトラブルが発覚します。そして、そのトラブルは結局塗るときの手順に問題があることが多いんです」と日本塗装工業会の畑さんは言う。

■外壁塗装、覚えておきたい4つの注意点

手順といっても、塗装のプロではない物件オーナー、投資家にとってはいまいちピンとこない。そこで、塗装工事を依頼する際に注意しておきたいこととして、以下の4つのアドバイスをもらった。

1.見積は複数の業者に依頼する(相対比較)
2.塗料メーカー名、色名、塗替え回数、上塗りの日塗工色No.等の提出をしてもらう
3.工事請負契約書、保証書等を交わしておく(瑕疵責任等を明示)
4.塗装工事の際は、騒音・臭気・塗料飛散への配慮や、仕様書と同一の製品名や塗替え回数かを確認しておく

仕様書では、どんな塗料を使い、どの順で塗るのかを事前に把握しておく。そして、施工が始まったら現場に足を運び、仕様書通りの施工が行われているかを確認し、写真に残す。その際、塗料の缶に塗料名が記載されているので、一緒に写真を撮っておくとよいだろう。何かひとつでも証拠があれば、トラブルが起こっても有利に進めることができる。

大きな橋などの公共工事では、わざと各工程で塗料の色を変え、工程を守って施工するかどうかを確認する場合もあるそうだ。

■費用対効果が高い塗料はある?

「基本的には、グレードとしても標準的なシリコンの塗料をおすすめしています」と話すのは、内装から外壁の塗装まで手掛けるリフォーム会社、株式会社y’sの三ツ木さん。先述のとおり、シリコンは8~12年ほどの耐久性がある塗料。戸建・集合住宅で主に使われている。

「主流だからこそたくさん生産され、塗料メーカーも力を入れているので高品質かつ安価で流通しています。最近では光触媒のような特殊な塗料もありますが、流通量が少ないので単価も高いままなんです」

では、価格が安い、という理由でウレタン、アクリル性の塗料を選ぶ人はいないのだろうか?

「実際のところ、シリコン以下のウレタン性、アクリル性はそれほど大きく単価が変わりません。であれば、比較的質の良いシリコンを選ぶのがおすすめです」(三ツ木さん)

前出の畑さんも、仮に塗装業者からの見積りで、ランクが高い塗料・低い塗料と複数パターン提出された場合も「質の良い塗料を選んでおくのがおすすめです」という。

「結局、塗料単価より足場代の方がかかってしまうので、塗料単価が数百円安くなるという目線で選ぶよりも、塗替えの頻度が少なく済む方が、長い目で見ると安く上がるんです」(日本塗料工業会 畑さん)

■「思った色と違った……」を避けるには

塗装を行う際、「色」に関するトラブルも起こりがちだ。「塗ってみたら思っていた色じゃなかった…」なんてこともあるのではないだろうか?

35棟700戸を所有する投資家の三浦隆さんも、「初めて物件の外壁塗装をするとき、茶色って言っていたのに赤茶で仕上がっていたことがありましたね。その時は流石に施工店も間違いを認めて、塗り直してくれました」と過去の経験を振り返る。

「インターネットで色を見るだけだと、どうしても印象が違ってきますよね。最近では、カラーシミュレーションをして物件に色を載せた状態の写真を作ってくれる業者さんもいます」

実際に塗料の色はどのように決められているのか、前出の三ツ木さんにも話を聞いた。

「色を決める際は、日本塗料工業会の出している色見本帳を、現地で物件にあてがいながら色の番号を決めていきます。それを塗料の材料屋さんに伝えて、塗料を調色してもらうことになります。そのとき、実際に塗料を板に塗った『色板』を作ってもらって、再度現地で物件にあてがい、見え方を確認することもあります」

色見本帳はトーンや色彩を確認するには不可欠なツールだが、小さな色見本帳の見え方と、大きな外壁に塗った場合の色ではイメージが異なることもある。色の性質上、明るい色はより明るく見え、濃い色はより濃く見えてしまう。だからこそ、色板などでより広い範囲での見え方や外での見え方を確認しておくのがオススメだ。

色に関するトラブルでは、こんな事例もあるそうだ。

「ブルーで塗ってほしいのにグリーンを塗られてしまい、それを業者に指摘すると『色見本帳が古いバージョンで、色の番号は同じだが今の規格と色味が異なっていた』という嘘をつかれた、という話も聞きます。確かに色見本帳は2年に1度更新をしていて、微妙に色番号の入れ替えはありますが、例えば白が同じ番号で黒になるとか、色がガラッと大きく変わるなんてことはありません。施主が何も知らないと思って次から次へと嘘をつかれてしまったという相談を受けることもあります」(日本塗料工業会 畑さん)

安いことは悪ではないが、安さを売りにしている業者に依頼するとこうしたトラブルに繋がる可能性が高いため、注意が必要だ。

それでも価格を抑えたい場合は、足場代に注目するとよいだろう。足場代は足場の種類によっても異なるがおよそ800~1600円/平米、それに追加で養生シート代が200~500円/平米ほどかかる。

三ツ木さんは「最近は、足場を組むのではなくブランコで上から吊り下げて塗装する方法(無足場工法)で施工費を抑えて、施主さんからご好評いただいています」と話す。通常の足場を組む場合と比較して、20~30%ほど費用が削減できるそうだ。

外壁塗装をはじめとした大規模改修は1回にかかる費用が高く専門性が高いため、業者にすべてを任せてしまう…ということもあるかもしれない。しかし、だからこそトラブルが起きやすい分野でもある。施主として、可能な範囲で正しい知識をつけ、現場での確認を怠らないことが成功に繋がるだろう。

■外壁塗装のポイント

・施工の見積りは複数の業者に依頼する。初めての場合は、マッチングサイトを確認したり、大手塗料メーカーに相談して評判を知るのも一手
・塗料の選定はフッ素やシリコン等の耐久性の高いものを選定し、各工程で同一メーカーの塗料メーカーが推奨するシンナーを選択する
・施工の様子を写真に残し、仕様書通りか確認する
・費用を抑えたい場合は、塗料以外で削減できる点に注目する
不動産投資の楽待 編集部

最終更新:3月18日(月)20時00分

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