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S&P500 月例レポート ― 1年の方向性を左右する「1月相場」 (3) ―

2月19日(火)12時31分配信 株探ニュース

◇世界の株式市場

 ・1月の世界の株式市場は12月の7.36%の急落から一転して7.97%と大幅に上昇し、新たな局面に入りました。世界の48の市場のうち47市場が上昇しました。

 ・1月の上昇はそれ以前の下落(2018年第4四半期は13.55%下落)からの反動という見方が大半で、潮目が変わったと見る向きは少数でした。ただし、いずれの見方をするにせよ、市場参加者は景気に対する眼前の懸念や問題を認識しています。中国の経済指標が減速のシグナルを発し、世界の貿易問題が解決に向けて前進しているとはいえ依然として未解決である中、投資家の不安は高止まりの状態にあり、今や信頼感が低下しているようです。

 ・世界の株式市場は12月に7.36%下落した後で1月は7.97%と大幅に上昇しました(11月は1.38%上昇と、10月の7.95%下落から反発)。米国の株式相場はさらに好調で(1カ月で7.95%の下落と比べると議論の余地はありません)8.47%上昇し、米国を除くグローバル市場は7.41%上昇しました。過去3カ月間では、グローバル市場は1.41%上昇とプラス圏に入り、米国市場の0.06%の下落を除外すると、グローバル市場は3.13%の上昇でした。過去1年間では、グローバル市場は9.63%下落しましたが、米国の(より小幅な)4.14%の下落を除けば、15.18%の下落でした。より長期的な指標は米国がアウトパフォームしていることを引き続き示しており、過去2年間のグローバル市場のリターンは米国(17.74%)を含めれば12.93%、米国を除くと7.89%、過去3年間のリターンは31.44%、米国(40.38%)を除くと22.41%でした。

 ・S&Pグローバル総合指数の時価総額は1月に3兆7,680億ドル増加しました(12月は3兆9,770億ドル減少、2018年通年では6兆7,870億ドル減少)。米国以外の市場は1月に1兆6,390億ドル増加(同1兆990億ドル減少、同4兆3,270億ドル減少)、米国市場は2兆1,290億ドル増加しました(同2兆8,780億ドル減少、同2兆4,600億ドル減少)。

 ・1月のまとめ

  ⇒世界の株式市場は1月に7.97%上昇しました。米国市場は8.47%上昇、米国を除く世界市場は7.41%上昇でした。過去3カ月では、世界市場は1.41%上昇、米国の0.06%下落を除くと3.13%上昇でした。過去1年では、世界市場は9.63%下落、米国の4.14%下落を除くと15.18%下落しました。

  ⇒新興国市場は1月に7.72%上昇、過去3カ月では9.44%上昇、過去1年では16.54%下落しました。

  ⇒先進国市場は1月に8.00%上昇、過去3カ月では0.56%上昇、過去1年では8.80%下落しました。米国を除くと、1月は7.33%上昇、過去3カ月は1.49%上昇、過去1年は14.82%下落となっています。

 ・11セクター全てが上昇する中で(12月は全11セクターが下落、11月は9セクターが上昇)、セクター間のリターンのばらつきは小さくなりました。パフォーマンスが最高のセクター(資本財・サービス、11.36%上昇)と最低のセクター(公益事業、3.37%上昇)の騰落率の差は7.99%で、12月の8.51%から縮小しました。2018年通年では11セクター全てが下落し、パフォーマンスが最高のセクターと最低のセクターの騰落率の差は25.19%でした。

 ・新興国市場は1月に7.72%上昇し(12月は2.80%下落)、過去3カ月のパフォーマンスは9.44%上昇、過去1年では16.54%下落、過去2年では13.95%上昇、過去3年では40.18%上昇となりました。

  ⇒1月は23市場のうち22市場が上昇し、上昇した市場の数は12月の8市場から増加しました(11月は11市場が上昇)。上昇率が最も高かったのはブラジルで1月に17.58%上昇しましたが、過去1年のパフォーマンスは依然として2.99%下落となっています。第2位は僅差でトルコの17.48%上昇(過去1年では36.84%下落)、第3位はコロンビアの14.35%上昇(同15.41%下落)でした。パフォーマンスが最も悪かったのはインドの3.11%下落で、新興国市場の中で唯一、1月に下落しました(同16.36%下落)。次いでマレーシアの2.22%上昇(同16.70%下落)、台湾の2.75%上昇(同16.14%下落)となりました。

 ・先進国市場は1月に全体で8.00%上昇し、米国を除く先進国市場のパフォーマンスは7.33%上昇でした。1月は25市場全てが上昇しました(12月は25市場全てが下落、11月は13市場が上昇)。

  ⇒先進国市場は1月に8.00%上昇し(12月は7.85%下落、11月は1.05%上昇)、米国を除くと7.33%上昇しました(12月は5.42%下落)。過去3カ月のパフォーマンスは0.56%上昇(米国を除くと1.49%上昇)、過去1年では8.80%下落(米国を除くと14.82%下落)となりました。上昇率が最も高かったのはカナダで1月に13.02%上昇しましたが、過去1年のパフォーマンスは依然として9.41%下落となっています。第2位はイスラエルの10.89%上昇(過去1年では2.33%上昇)、第3位はオーストリアの9.84%上昇(同25.18%下落)でした。パフォーマンスが最も悪かったのはデンマークの4.38%上昇(同15.00%下落)、次いでニュージーランドの5.51%上昇(同3.48%下落)、日本の5.81%上昇(同13.94%下落)となりました。注目すべき点として、英国は1月に7.70%上昇(同14.16%下落)、ドイツは6.79%上昇(同23.58%下落)でした。

●S&P 500指数

 S&P 500指数は12月の9.18%下落(12月としては、14.53%下落した1931年以来の低水準)から180度方向転換し、7.87%(配当込みのトータルリターンはプラス8.01%)と力強く上昇しました。この上昇で調整モードから抜け出し、終値での最高値から7.73%下回る水準まで戻し、弱気局面は小休止となりました。今回の反落は「最近の上昇相場の反動」との見方が多く、「終わりが始まる前の上昇」との意見は少数派で(悲観論者は常にいます)、下落基調に歯止めがかかりました。市場は引き続き不安定とはいえ以前より変動が小さくなる中、市場を一変させた要因について議論が重ねられています。

 その一方で、市場は政治家の動向には注意を払わず、政府機関の閉鎖を注視して話題にしたものの材料視しなかったことは一つの共通した見方だったようです。市場、あるいは少なくとも取引で注目されたのは決算発表で、市場予想を上回れるように予想数字をかなり引き下げていたと思われます。決算や業績見通しは好調とは言えないものの、予想ほど「悪くはなく」、中国を言い訳に頻繁に引用していますが、市場では全般的な景気減速を主として懸念しています。これまでのところ、決算の明るいポイントは、売上高の緩やかな増加が続いていることで(やっとのことで)、売上高は四半期の過去最高を更新する状況にあります。

 S&P 500指数の時価総額の57.7%の企業が決算発表を終えた段階で、利益は引き下げられていた予想を上回り、売上高も予想より好調で、四半期の過去最高を更新すると予想されます。216銘柄が発表済みで、利益が予想を上回ったのは154銘柄(71.3%)、下回ったのは51銘柄、予想通りは11銘柄です。売上高では、215銘柄中135銘柄(62.8%)が予想を上回りました。

 現時点の予想では、第4四半期の利益は過去最高だった第3四半期から5.8%減(先週時点では2.6%減)、前年同期比では15.2%増(2018年第1~第3四半期累計は前年同期比28.6%増)が見込まれます。2018年通年の営業利益は前年比24.9%増(大半が減税効果による)、2019年は同7.8%増と予想されます(市場は納得していないかもしれません)。売上高は前期比2.5%増、前年同期比6.2%増で、過去最高の更新が予想されます。

 S&P 500指数は9.18%下落(配当込みのトータルリターンはマイナス9.03%)となった12月の終値2.506.85から7.87%上昇し(同プラス8.01%)、2,704.10で1月の取引を終えました。この上昇により調整モードから抜け出し(弱気局面は小休止)、終値での高値(2018年9月20日の2,930.75)を7.73%下回る水準まで戻りました。同指数は3カ月間では0.28%下落(配当込みのトータルリターンはプラス0.26%)、1年間では4.24%下落(同マイナス2.31%)、2017年末以降では1.14%上昇(同プラス3.28%)、2016年11月8日の米大統領選当日の終値2,139.56以降では26.39%上昇しています(同32.09%、年率ではそれぞれ11.08%上昇とプラス13.30%)。

 ダウ平均は8.66%下落(同8.59%)した12月終値の23,327.46ドルから7.17%上昇し(1月としては1989年の8.01%上昇以来最高、同7.29%)、24,999.67ドルで1月の取引を終えました。同指数は3月間では0.46%下落(同プラス0.14%)、1年間では4.40%下落(同マイナス2.19%)しています。

 ボラティリティは低下し、1%以上変動した日数は12月の19営業日中10日(上昇が8日、下落が2日)に対し、21営業日中6日(上昇が4日、下落が2日。2018年は251営業日中上昇、下落とも32日)となりました。日中ボラティリティ(日中の高値と安値の差)は12月の2.56%から1.26%に低下しました。同指標は、2018年は1.21%と2017年の0.51%(筆者がデータを入手している1962年以降の最低。平均は1.43%)から上昇しました。

 1月の月間の値幅(高値と安値の差)は12月に19.33%(2011年10月の20.27%以来の高水準、11月は7.00%)に急騰したのち、10.84%と「正常な」水準に戻りましたが、なお1年平均の8.23%、10年平均の6.61%を上回りました。出来高は12月の前月比4%減ののち、1月も4%減少しましたが、前年同月比では6%増で、1年平均を6%上回りました。

 セクター間のリターンのばらつきは、12月に全11セクターが下落したのに対して12月は全11セクターが上昇したことから、変化はありませんでした。パフォーマンスが最高のセクター(資本財・サービス、11.36%上昇)と最低のセクター(公益事業、3.37%上昇)の騰落率の差は7.99%と、12月の9.51%から低下しました。2018年のこの騰落率の差は18.99%でした。

 1月は、テクニカル面の反発と好調な企業業績(予想よりも良いと言う意味で)に加え、強い売りがなかったこと(売りの出番は12月でした)が相場の上昇につながる中、11セクター全てが上昇しました。1月は資本財・サービスが12月の10.81%下落ののち(2018年通年は15.00%下落)、11.36%上昇して騰落率トップとなりました。公益事業がリスクオン・ムードの中、3.37%上昇(12月はリスクオフ・ムードの中、「わずか」4.31%の下落にとどまり、騰落率トップ。2018年通年は0.62%上昇)で騰落率最下位となりました。エネルギーは原油価格が回復する中(ただし、2018年10月の直近高値をなお大幅に下回る)、12月の12.82%下落(2018年通年は20.50%下落)ののち、11.02%反発しました。金融は12月の11.45%下落(同14.67%下落)ののち、8.59%上昇しました。

 FRBは利上げペースを緩める意向を示しています。12月に8.72%下落し、2018年通年では4.67%上昇で騰落率トップとなったヘルスケアは4.66%上昇で、市場平均を下回りました。消費関連セクターは引き続きまちまちとなり、一般消費財は10.23%上昇(同0.49%下落)、生活必需品は4.99%上昇(同11.15%下落)となりました。情報技術は2018年通年の1.82%下落ののち、6.88%上昇しました。同セクターは2016年11月の米大統領選以降では45.47%上昇しています。

 12月に圧倒的多数の銘柄が下落したのち、1月は再び値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を大きく上回りました。1月の値上がり銘柄数は12月の14銘柄、11月の358銘柄に対して472銘柄(平均上昇率は10.99%)で、10%以上上昇した銘柄数は12月のゼロ(11月は50銘柄)に対して250銘柄となり(平均上昇率は15.69%)、14銘柄が25%以上上昇しました。一方、値下がり銘柄数は33銘柄(平均下落率は4.11%)と12月の491銘柄(11月は145銘柄)から減少し、10%以上値下がりした銘柄数も5銘柄(平均下落率は13.04%)と12月の237銘柄(11月は35銘柄)から減少しました。2018年9月20日の市場の終値での最高値以降では(S&P 500指数はそれ以降7.73%下落)、136銘柄が上昇して、そのうち41銘柄が10%以上上昇する一方、369銘柄が下落して、そのうち210銘柄が10%以上、69銘柄が20%以上下落しました。


[執筆者]
ハワード・シルバーブラット
S&P ダウ・ジョーンズ・インデックス
シニア・インデックス・アナリスト

※このレポートは、英文原本から参照用の目的でS&Pダウ・ジョーンズ・インデックス(SPDJI)が作成したものです。SPDJIは、翻訳が正確かつ完全であるよう努めましたが、その正確性ないし完全性につきこれを保証し表明するものではありません。英文原本についてはサイトをご参照ください。

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株探ニュース(minkabu PRESS)

最終更新:2月19日(火)12時31分

株探ニュース

 

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