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度肝を抜かれた4円超の急落! ドル/円のシナリオを再考、考えに考え抜いた結論は?

1月12日(土)14時01分配信 ザイFX!

■数分間で米ドル/円が4円超の急落! 今後のシナリオは?

米ドル/円 4時間足 (出所:ザイFX!)
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米ドル/円 4時間足 (出所:ザイFX!)
 新年早々、為替相場ではフラッシュ・クラッシュが発生した。

 2019年1月3日(木)未明、数分間で米ドル/円が4円超の急落を演じ、一気に105円の節目割れを果たしたことで、市場関係者は度肝を抜かれた。もちろん、筆者もそのうちの1人であった。

 となると、正月からずっと考えざるを得なかったのは、米ドル/円のシナリオだ。

 2019年は米ドル高・円安と考えた方向性は果たして間違いだったのだろうか。今年(2019年)はやはり、円高トレンドを形成していくのだろうか。

■円高方向への急伸は、あくまで「事故にあった結果」

世界の通貨VS円 日足 (出所:ザイFX!)
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世界の通貨VS円 日足 (出所:ザイFX!)
世界の通貨VS円 週足 (出所:ザイFX!)
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世界の通貨VS円 週足 (出所:ザイFX!)
 相場を再度点検し、また、だいぶ悩んだ後の結論として、2019年年初のクラッシュがあったからこそ、変動レンジ自体は下方修正せざるを得ないものの、基本的な方向性、すなわち、「米ドル高・円安という方向性についての見方は不変」とまず申し上げる。

 もっとも、2019年年初の急落は、ウェリントン市場における薄商いの時間帯を狙った意図的な仕掛けであったことは間違いない。

 一部報道では、トルコリラ/円のストップを狙った大物投機筋の仕掛けだったと言われるが、その真相はどうであれ、円の急伸自体、その値動きのすべてを「正当化」できるかどうか、疑問視されるのは確かだ。

 だから、米ドル/円にしても、ユーロ/円などクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)相場にしても、1月3日(木)において共通した日足が形成され、いわゆる「スパイクロー」(安値と終値の距離が長く、長い足でまた、ひげがつく足型)のサインが点灯していた。

 同足型は、先週(2018年12月31日~)の週足でも確認されたから、相場自体の構造を暗示していたのではないかと思う。

 要するに、円高方向への急伸自体が「正当化」できる値動きなら、1月3日(木)の米ドル/円やクロス円の急落後でも、円高方向へ続伸でき、週足における「足」あるいは「ひげ」の部分を埋めていたのではないかと推測される。

 実際、米ドル/円の週足に照らして考えると、その「足」あるいは「ひげ」部分の値幅は実に4円超を記録したから、円高方向への急伸は、あくまで「事故にあった結果」と考えるべきではないかと思う。

■今回の急落の値動きは、Brexit時のチャートに似ている!?

米ドル/円 週足
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米ドル/円 週足
 仮にこのような考え方が正しければ、今回の値動きは、あのBrexitショック時の足型を彷彿とさせ、また、その後の行方から大きな示唆を得られるのではないかと思う。

 2016年6月24日(金)に発生したBrexitショックによって円高方向への急伸が見られたが、結果的に同週において米ドル/円は3.56円程度の「下ひげ」を形成、その足型はその後の米ドル/円相場の反転をもたらした。

 言ってみれば、「スパイクロー」は往々にして円急騰(円高)のクライマックス的な段階に出現し、また、その出現によって急激な円高が一気に達成されたからこそ、その後は逆に円安に振られやすいのではないかと推測される。

 実際、2019年年初の急落で、積み上げられてきた円売りポジションが一掃されたことは、ほぼ間違いなく、ここからの円高余地は、2016年夏場と同様、逆に限定されるのではないかとみる。

■クラッシュがあったからこそ、円高余地は限定的なはず

米ドル/円 月足 (出所:FXブロードネット)
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米ドル/円 月足 (出所:FXブロードネット)
 もちろん、米ドル/円は急落してきた以上、たちまちV字回復するとも想定されにくく、2016年と同様、再三に渡って底打ちのパターンを形成してから上昇に転じる公算が大きい。

 換言すれば、いったん「クラッシュ」にあったから、早期回復のシナリオ自体も現実的ではなく、米ドル高のトレンドへ復帰するには時間がかかることを覚悟すべきであろう。

 しかし、時間がかかるにしても、米ドル/円はこれから円高トレンドへシフトしていくといった目下の市場コンセンサスにはやはり同意できない。前述のように、「クラッシュ」があったからこそ、円高の限度はすでに測られ、これ以上の円高余地は限定されるはずだとみる。

 相場の急落があると、内部構造の再点検も強いられるが、基本的な大局観は維持していきたい。同構造に関する説明は、昨日(1月10日)、配信したレポートをもって行ったので、下記の原文をご参照いただきたい。

 ドル/円に関するマクロ的な見通し、重要な判断基準として2011年安値(史上最安値)をどう位置付けるかを挙げられるが、我々は同安値をもってドル/円における戦後一貫した円高の流れが終焉、同安値から歴史的な円安時代に突入した、という視点を維持、2015年高値からの保ち合い、再規定されるのもメイン基調は不変と思う。

 上のチャートで示しているように、2011年安値から2015年高値までの上昇をメイン変動と位置づけ、2015年高値から先週安値までの変動を大型保ち合いと規定、同保ち合いをもってスピード調整の役割を果たすが、これからメイン変動、即ち上昇方向へ復帰しようといった見通しは維持される。

 もっとも、2011年安値について、10月安値75.54(或いは75.65)を史上最安値と記録する媒体が多い。同安値から2015年高値までの本数(月足)を数えると、44本だったから、上昇波における一つのリズムとして認識しておきたい。実際、2015年高値は同年6月にて付けられ、同高値から今月までの本数を数えると43本になっているから、先週のフラッシュ・クラッシュ、変動リズムにおけるクライマックス的な要素が強いと思われ、また同出現によって2015年高値を起点とした大型保ち合い自体も最終段階に入ったとみる。

 要するに、相場は往々にして変動リズムをもってメイントレンドを形成していくから、2015年高値を起点とした大型保ち合い自体、2011年安値を起点とした上昇波に対する「スピード調整」と位置付けられるから、同じ周期において、この保ち合いはすでに完成したか、近々完成する公算が大きい。

 いったん完成すると、元のトレンド(上昇)に復帰する公算は大きく、今年(2019年)は円高よりも、やはり、従来の想定どおり、円安の方向に振れていくのではないかと思うわけだ。

■米ドル/円の上値ターゲットゾーンは115~120円へ下方修正

 ところで、「正当化できない値動き」の可能性が大きいものの、為替レート自体は偽りではなかったから、2019年年初の「クラッシュ」で米ドル/円の下値が昨年(2018年)年末よりだいぶ拡大した以上、仮に今年(2019年)は円安トレンドへ復帰、また、推進していくとしても、上値ターゲットの下方修正はやはり必要になってくる。

 現視点では、従来の120~125円の上値ターゲットゾーンを115~120円へと修正せざるを得ないが、基本的なスタンスは変える必要はないと思う。

 詳細はまた次回、市況はいかに。
陳満咲杜の「マーケットをズバリ裏読み」

最終更新:1月12日(土)14時01分

ザイFX!

 

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