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「不倫夫への執着」を捨てきれない妻の苦悩

1月12日(土)16時00分配信 東洋経済オンライン

優しくまじめな夫がなぜこんなことに?という気持ちが抜けません。どうやって頭を切り替えたらいいでしょうか(写真:Fast&Slow / PIXTA)
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優しくまじめな夫がなぜこんなことに?という気持ちが抜けません。どうやって頭を切り替えたらいいでしょうか(写真:Fast&Slow / PIXTA)
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結婚4年目で、ともに32歳の夫婦2人暮らしです。 飲み会などにも行かない夫が、夜遅く帰るようになり、聞くと、職場の後輩女性と1カ月前から不倫関係であることがわかりました。
仕事に夢中だった私に寂しさを覚え、今では私に何の感情もなくなったそうです。彼女のほうがずっと好きだと、堂々と言います。性格はまじめで仕事熱心な夫でしたので、 今回の件はまさに青天の霹靂(へきれき)でした。
私が取り乱す様子を見て夫も反省し、今後女性とは一切関わらないと約束し、目の前で女性の連絡先を消してもらいました。 その後私は食事も睡眠も、まともにできない日が続きましたが、居心地の悪い家ではまた夫が浮気してしまうのではと案じ、できるだけ普段どおり接するように心がけました。
私のそのような努力もむなしく、ある日夫から「相手の女性と連絡を絶ってしまいつらい。彼女のことが本気で好きだ」などと言われました。驚きと衝撃とそんなことを私に告げる夫に対する腹立たしさで頭がパニックになり、何も言葉が出ませんでした。でもつい最近まで、穏やかで幸せな生活を共にしていた夫と離婚する決断などすぐにできるはずもなく、彼女と一切プライベートで会わないでほしいと念押しするだけで終わりました。
彼女への思いを告白されてから、さらに眠れなくなり動悸などの症状も出てつらいことを夫に伝えました。すると夫も謝るのですが、相手のことのほうが好きだなどと言います。しばらくして、なんとなく隠し事をしているような雰囲気を感じとったので、夫の車にGPSをつけてこっそり調べると、夫は私との約束を破り、毎日欠かさず相手の女性のお家へ通っていたのです。
朝は仕事前に彼女を迎えに行き、家でしばらく一緒に過ごした後2人で出勤、仕事が終われば彼女の家に直行し、2時間ほど過ごしてから私のところへ帰宅します。私の苦しみをよそに女性と関係を持ち続け、もう一度夫婦としてやり直したいという私の思いも踏みにじられ、憎しみの感情でいっぱいで気が変になりそうでした。
そこでやっと、離婚しかないと思えるようになり、証拠集めをすることに頭を切り替えたのですが、どうしてもまだ、優しくまじめな夫がなぜこんなことに? という気持ちが抜けません。どうすれば、完全に夫への情を絶つことができるでしょうか? 
夕(仮名)

■「心が離れてしまっている夫」を、正面から受け止めよう

 古今東西、愛し合っていた人から愛されなくなった人の苦しみは、多くの文学や映画・演劇、歌等の創作の主なテーマになってきました。それほどこの種の愛情のもつれや苦しみは、多くの人が経験することで、その結末は、多くの人にとっての重大な関心事です。
 そしてその原因はさまざまですが、苦しみからの立ち直り方は、大きく言えば、2つです。1つ目は、相手は“優しかった彼”ではなく別人であると認識すること、そして2つ目は、「時間が薬」です。その時間をどのように過ごすかで薬の効き目が決まる、といえそうです。

 彼は、仕事に燃えるあなたに寂しさを感じた人です。共働きのあなたの仕事を応援してくれる人ではなかったのです。あなたが仕事をもう少しいい加減にする人なら、関係は壊れなかったのでしょうか?  そのことについて、一度でも話し合ったことがあったでしょうか? 
 彼はまじめな性格かもしれませんが、とても卑怯な言い方です。

 夕様は夫婦関係の立て直しに努力し、何度も夫と約束をしましたが、彼はあなたの動揺に負けて、その場しのぎに約束に応じたにすぎず、彼の心離れは一貫しています。

 確かに簡単にあなたが受け入れられる事態ではありませんが、そんなあなたを目の当たりにしながら、「彼女に会えないのがつらい」という彼は、居直りや暴力に負けない残酷さです。

 優しかった頃の彼とは別人になったと考えるべきです。
 まだ彼らの交際は浅く、良い点だけしか見えず、お互いにのぼせているだけかもしれません。

 しかしまじめ人間だっただけに彼の言葉は重く、彼との離婚やむなしという考えに至ったあなたに、私は賛同します。

■「自分なりの立ち直り方」を考えるしか道はない

 芥川龍之介は、恋愛の面倒から解放されるには、忙しくしていることがいちばん、と言っていたそうです。確かに、仕事に没頭しているうちに、気がつけば立ち直っていたという人は多いです。
 すぐに立ち直ろうとせず、今は悲しんでよい時期とし、日常の仕事は粛々とこなしましょう。

 ある友人は、不幸になる前の幸福だった時期によく聴いた音楽を繰り返し聴いていると癒やされ、気がつけば元気を取り戻していたと言います。

 そして次に、相性が悪かったからとか、相手が悪かったというだけにせず、自分にも反省することはなかったか、次のステップに向けて何が問題だったのか、考える時期としましょう。

 ある大学の女性教授は、大好きな漫画に没頭して気を紛らし、立ち直るきっかけを作ったそうです。私のある友人は、育った都市から出たことがなかったのに、有り金をはたいてインドに旅し、ガンジス河のさまざまな光景に接して、自分の悩みがとても小さく見えたと元気に帰ってきました。
 あなたの仕事以外で没頭できる趣味は何ですか? 

 なかったら、これから作るか挑戦しませんか? 

 不幸なことも忘れることができるように人は創られたと、ある宗教家は言います。確かにいつまでも忘れることができない不幸や悲しみもいつか形は変わり、何も手が付かない状態が続くことはまれです。悲しみ続けることのほうが難しいのです。

 ならば時間薬を有効に使い、思いっきり悲しみ苦しんだあとは、心変わりした人を早く忘れられるよう、あなたなりの立ち直り方を、じっくり考えてみてください。
 私の好きな言葉に、「人は深い悲しみの中でも、その悲しみに執着しないことで、自分に寄り添い、成長することができる」があります。

 決して相手を恨み続ける人生を送らず、次のステップのために、あなた自身を大切になさってくださいね。
ミセス・パンプキン :『最強の人生相談』『一流の育て方』著者

最終更新:1月12日(土)16時00分

東洋経済オンライン

 

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