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家賃振込が停止……管理会社を覗くと真っ暗でした

1月7日(月)11時00分配信 不動産投資の楽待

(写真© hikdaigaku86-Fotolia)
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こんにちは。銀座第一法律事務所弁護士、鷲尾です。今回は、入居者から家賃の振り込みがないため、管理会社に確認しようと連絡したものの連絡が取れず、事務所も引き払っている。さらに、入居者はすでに支払済みと言っているため、どのように家賃を回収したらよいか、と困り果てたオーナーさんのご相談です。

■相談者の質問

いつも問題なく家賃を振り込んでくれる入居者さんが滞納しました。おかしいと思い管理会社に連絡したのですが、連絡がとれず……。入居者に直接連絡してみたところ、すでに振り込んでいるとのことでした。どのような手順で、家賃を回収すべきでしょうか? 管理会社に行ってみたのですが、真っ暗で誰もいない様子でした。

■管理会社による家賃の集金代行

私が学生のころは、近所に住む大家さんの家に月末になると家賃を届けていました。家賃の分のお金を使ってしまって家賃の支払いが遅れた時には、大家さんの家の前を通るたびにバッタリ出くわしたりしないかとハラハラしたものです。

しかし、このような家賃をオーナーの元に届けるという支払方法(持参払いといいます)は少なくなりました。現在では、家賃や共益費などは、銀行振込みや管理会社等による集金代行、カード払いなどにより行われることが多いと思われます。

ご相談のケースは、家賃の滞納があった際に、まず管理会社に連絡し、その後に入居者に連絡したところ、すでに振込んでいたというのですから、管理会社がオーナーに代わって家賃等を管理会社の口座に送金させていたということでしょう。

管理会社等がオーナーに代わって家賃等の集金を行う収納(集金)代行といわれるものにもいろいろなバリエーションがあります。ご相談のケースは、管理会社の口座を家賃の支払先として指定し、管理会社は同口座への入金管理によって家賃等の支払いの有無を確認し、入金された家賃等を定期的に(通常は毎月)オーナーに送金するという方式だったと思われます。

■管理会社に支払済みであればオーナーは入居者に家賃を請求できない

家賃を直接オーナーに持って行ったりオーナー自身の口座に送金したりして支払う場合には、家賃が支払済みであるかどうかはオーナーにも入居者にも明らかです。

しかしオーナーと入居者との間に管理会社等の第三者が介入し、その第三者が家賃を受け取っている場合には、ご相談のケースのように、入居者は家賃を支払ったのに、家賃の支払先である第三者からオーナーに引き渡されないという事態が生じる可能性があります。

そこで、管理会社が倒産してしまって管理会社に資金がなくなってしまっている場合、オーナーが実際には受け取っていない家賃はどうなるのか、入居者は再度オーナーに家賃を支払わないと滞納ということになってしまのかという問題が生じます。

オーナーが管理会社に家賃等の集金業務を委託し、これにより送金先口座が管理会社の口座と指定されている場合には、入居者はその口座に送金すれば足ります。

仮に入居者から家賃の送金を受けた管理会社がオーナーへの家賃の引渡しを怠ったとしても、オーナーが管理会社に委託して管理会社の口座を入金先として指定しているのですから、入居者は管理会社の口座に送金することによって、オーナーに対する家賃の支払義務を果たしたものとみられます。

したがって、オーナーは、管理会社の倒産その他の何らかの事情によって管理会社からオーナーへの家賃の引渡しが行われていなくても、入居者に自分に再度家賃を支払うよう請求することはできません。そうした管理会社を選択してしまった不運を嘆くしかありません。

■管理会社からの家賃等の回収を急ぐ

入居者に対しては家賃の請求ができないのですから、管理会社からの回収を図るしかありません。

まず、管理会社がどういう状態にあるかを把握することになりますが、ご相談のケースでは、大切な顧客であるオーナーからの電話にも出ず、事務所も真っ暗で誰もいない様子だというのですから、営業を停止してしまっている可能性が大です。そうなると、管理会社との交渉によって支払いを受けることは望み薄です。

そこで、管理会社を相手取って訴訟を起こし、勝訴判決を得たうえで管理会社名義の財産を差し押さえて回収を図ることを検討すべきということになります。

裁判を起こして勝訴判決を得るまでには早くても1カ月以上かかります。そのため、勝訴判決を得る前に、保証金を積んで財産を仮に差し押さえる仮差押えという手続も検討する必要があります。実際にどのような方法をとるべきかはケースバイケースですので、弁護士に相談してみることをお勧めします。

訴訟を提起する場合の弁護士費用は、統一的な基準というものはとくにありませんが、最低20万円ないし30万円程度というところが多いのではないかと思います。請求額が多額となる場合はそれ以上ということもあります。

ただしこれ以外に、強制執行をする場合には別途費用がかかります。また、訴訟を提起して勝訴判決を得るまでの期間は、相手方の対応にもよりますが、早ければ1~3カ月程度でしょう。

■管理会社との契約を解除して今後の家賃の確保を図る

管理会社からの回収を図るといっても、管理会社に差し押さえるべき財産がないことも十分にあり得ます。

また、裁判所によって破産手続が開始されてしまうと、オーナーはその他大勢と同列の債権者の1人という立場になります。仮に破産した管理会社に何某かの財産があったとしても、他の一般の債権者と平等の立場で配当を受けることしかできません。

しかも、配当に優先して公租公課や未払賃金などの支払いが行われますから、仮に一般の債権者に配当があったとしても、数パーセント程度がせいぜいで、場合によっては配当ゼロということもあります(というより、実際には配当がないことが多いです)。

そこで、オーナーとしては、今後の家賃等が管理会社の口座に引き続き送金されてさらに被害が拡大することを防ぐことが肝要です。

まず、管理会社に宛てて管理委託契約を解除する旨の通知を送付します。あわせて入居者に連絡して、今後の家賃等をオーナー自身の口座に変更するか、もしくはすみやかに新しい管理会社等を選んでその会社に送金してもらうようにすることが必要です。

■管理会社に預けておくお金をなるべく減らす

管理会社に倒産等されてしまうと、財産的な被害が生じることはもちろん、新たな管理会社を探さなければならず、それが見つかるまでの間はオーナー自身で入居者からのクレーム等にも対応しなければならないなど負担が大きいものです。

そこで、とくに管理会社に家賃等の集金代行まで委託しようとする場合には、管理会社の選定には慎重でなければならないということになります。そうはいっても、過去には、収納代行業務も行っていた家賃保証会社の最大手が倒産したこともあり、慎重に選ぶといっても難しいのが実情です。

しかし現在では、管理委託契約等に基づいて入居者から家賃や敷金などを受領して預かっている間に管理会社が倒産状態に陥った場合などには、オーナーに対して一定の範囲で支払いが行われる保証制度を提供する業界団体もあります。そこで、そうした保証制度のある業界団体に所属している管理会社を選ぶのも安心材料となります。

また、何より、管理会社に預けられている家賃等がなるべく短期間かつ少額となるよう常日頃から心がけておくべきです。家賃等は毎月必ず管理会社からオーナーに送金させることとします。面倒だからといってチェックを怠り、気が付いたら管理会社からの送金が2カ月以上なかったなどということのないようにしなければなりません。

また、敷金は管理会社に預けっぱなしというオーナーも見受けられますが、敷金の預り期間は長期となるため、これも止めて敷金はオーナー自ら預かるようにしてください。管理会社に事務を委託したとしても、最後はオーナー自身でリスクを減らすことが大切です。

■結論
支払われなかった家賃を回収できる率:約10%
鷲尾 誠

最終更新:1月7日(月)11時00分

不動産投資の楽待

 

情報提供元(外部サイト)

不動産投資の楽待

不動産投資の楽待

株式会社ファーストロジック

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