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「官製春闘」終了?保守的な経団連に変化の兆し。中西会長のリーダーシップが大きく影響か

12月28日(金)7時00分配信 THE PAGE

経団連の中西宏明会長(撮影:2018年5月31日 写真:つのだよしお/アフロ)
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経団連の中西宏明会長(撮影:2018年5月31日 写真:つのだよしお/アフロ)
 とかく保守的で、改革の意識に乏しいといわれてきた経団連に変化の兆しが表れています。2018年5月に会長に就任した中西宏明氏の影響が大きいのですが、中西氏とはどのような人物なのでしょうか。そして経団連はどう変わろうとしているのでしょうか。

 経団連は2019年の春闘において、これまで政府からの要請を受けて盛り込んでいた賃上げの具体的な数値目標を削除する方針を固めました。安倍政権はデフレ脱却を実現するため、春闘において企業側が賃上げ要求に応じるよう毎年強く要請してきました。本来、賃上げは企業と労働者が交渉して決定すべきものであり、政府がこうした交渉に口出しするのは異例のことです。政府が賃金を決めるという状況を揶揄し、メディアでは「官製春闘」などと報じられていました。

 しかし経団連は、2019年の春闘において政府からの要請を受け付けない方針を固めました。春闘指針には、官製春闘と呼ばれることへの嫌悪感も盛り込まれる見通しとなっていることを考えあわせると、経団連のスタンスはかなり本気のようです。安倍政権は12月26日、やはり賃上げについての要請を行いましたが、具体的な数値には触れておらず、どの程度の賃上げで妥結するのかはまだわからない状況です。

 このほかにも、経団連は新卒の一括採用を見直す方針を打ち出したり、アマゾンやメルカリといった新興企業を会員に迎えるなど、組織の体質を変えようという姿勢が目立ちます。

 一連の改革は、2018年5月に会長に就任した中西宏明氏のリーダーシップが大きく影響しているようです。中西氏は日立製作所の出身で、IT分野を中心にキャリアを積み、2010年に同社の社長に就任しました。同社のお荷物といわれた米国のハードディスク製造子会社を立て直し、売却した実績もあります。経団連の会長就任直後、会長の執務室にパソコンがないことに驚き、すぐにパソコンを導入させたという逸話は有名です。

 ここ数年の経団連のトップは、何かと受け身の姿勢が目立っていたことを考えると、かなりタイプの違う人物がトップに就任したと言えそうです。

 経済団体というのは、企業の利益を代表する組織であり、その主張の是非はともかくとして、労働者団体や政府とは本質的な利害が一致しないものです。経団連が中西会長の下、経済団体として自らの主張をハッキリと打ち出していく方針を示していることは、健全な競争社会の維持という点において前向きに評価してよいでしょう。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:12月28日(金)7時00分

THE PAGE

 

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