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「AI医療診断」時代到来、2025年に向け浮かびあがる銘柄とは<株探トップ特集>

12月20日(木)19時30分配信 株探ニュース

患者の体を撮影した画像をもとに、ディープラーニングを応用し、医師が見落としがちな病気の兆候を発見するAI医療診断が普及期に突入しようとしている。関連銘柄を追った。
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患者の体を撮影した画像をもとに、ディープラーニングを応用し、医師が見落としがちな病気の兆候を発見するAI医療診断が普及期に突入しようとしている。関連銘柄を追った。
現在値
エムスリー 1,980 -42
オプティム 3,640 +50
オウケイW 1,770 -139
サイバネト 628 -27
クレスコ 3,335 -40
―人工知能により病変の見落としを防止、医療分野で最速のAI実用分野に―

 経験豊富な医師でも見落としてしまうような病気の兆候を人工知能(AI)が発見する「AI医療診断」時代が訪れようとしている。調査会社の富士経済(東京都中央区)が今年5月にまとめた「2018年 医療ITのシームレス化・クラウド化と医療ビッグデータビジネスの将来展望」によると、「AI搭載型医療画像診断支援システム」市場は20年頃から市場が立ち上がり、25年には30億円規模になると予測している。25年開催の大阪万博でも、テーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」となっており、医療の先端分野である「AI医療診断」は、今後注目のテーマとなろう。

●AI医療診断はCTやMRIに並ぶ発明

 「AI医療診断」とは、患者の体を撮影した画像をもとに、AIの主流技術とされる深層学習(ディープラーニング)を応用し、病気の可能性が高い部位や悪性度を示すことで、最終的に診断を下す医師を支援する技術。現在、病理診断を行う病理専門医や画像診断を行う放射線専門医は慢性的な人手不足に陥っており、これががんなど病変の見落としにつながっているとの指摘もあるが、AI医療診断の導入で作業効率が改善されれば見落としの防止にもつながるだけに医療現場の関心は高い。「画像診断へのAIの導入は、コンピューター断層撮影装置(CT)や磁気共鳴画像装置(MRI)の発明に並ぶ出来事になる」(医療関係者)との声も聞かれ、医療分野における最も早いAI実用分野になるとの見方もある。

●画像診断分野にビッグデータを1年前倒し提供

 AI医療診断に関しては、政策的な後押しもある。厚生労働省では健康・医療・介護のビッグデータを連結し、医療機関や保険者、研究者、民間などが活用できるようにした情報基盤「保健医療データプラットフォーム」を20年度に本格稼働させる予定だが、AIによる画像診断に関する分野は前倒しされる方針だ。同データプラットフォームには「保健医療記録共有」「救急時医療情報共有」「PHR(パーソナル・ヘルス・レコード)・健康スコアリング」「データヘルス分析」「乳幼児期・学童期の健康情報」「科学的介護データ提供」「がんゲノム」「人工知能(AI)」の8つの領域があるが、なかでもAIについては、画像診断支援AI開発に必要なデータの企業への提供を、当初よりも1年早めて19年春から始めるという。これにより、AIによる画像診断の技術開発が更に進むとの見方もあり、19年は「AI医療診断元年」となる可能性がある。

●サイバネットが大腸内視鏡診断支援ソフトの承認を取得

 現在、AI医療診断を行う機器は医療機関による臨床試験段階のものが多いが、がんの有無を調べる画像診断で正答率を上げるなどの成果が出ている。

 なかでも注目されるのは、サイバネットシステム <4312> が12月6日に医薬品医療機器等法にもとづく承認を取得した大腸内視鏡診断支援ソフト「EndoBRAIN(エンドブレイン)」だ。オリンパス <7733> の超拡大内視鏡が撮影した画像から、切除する必要がある腫瘍性ポリープと、その必要のない非腫瘍性ポリープを推測し、腫瘍の可能性(パーセンテージ)を医師に提示するシステムで今後、販売元となるオリンパスと協議の上で販売を開始する予定だ。

 また、そのオリンパスは、呉医療センター・中国がんセンターと共同で、胃がんの病理診断を支援する人工知能(AI)のソフトウエアを開発している点も注目される。

●実用化に向け準備進む眼科領域のAI医療診断

 内視鏡を用いたAI医療診断では、NEC <6701> が国立がん研究センターなどと共同で、画像解析に適した深層学習を活用したAI技術を用いて大腸がんや前がん病変(大腸腫瘍性ポリープ)を内視鏡検査時にリアルタイムに発見するシステムを開発。また、富士フイルムホールディングス <4901> も消化器内視鏡を用いた観察中に、病変の可能性がある箇所をリアルタイムでマーキングするなど、内視鏡を用いた診断を支援するAI技術の開発を進めており、オリンパスと合わせてこの分野を牽引している。

 一方、眼科領域では、クレスコ <4674> は名古屋市立大学と共同で、AIを使った眼科の診断支援の仕組みを開発した。患者の眼底を撮影したOCT(光干渉断層計)画像を過去のデータと照らし合わせ、可能性の高い病名を導き出すもので、医療機器メーカーの研究用として17年11月に提供を開始。同技術に関しては、株式市場でも関心が高く、実用化となれば株価へのインパクトも大きいだろう。

 また、オプティム <3694> は佐賀大学などと、オウケイウェイヴ <3808> [名証C]は慶応義塾大学などと組んで、それぞれ眼底写真を用いたAIによる眼科疾患の診断支援技術を開発。トプコン <7732> はAIを活用して糖尿病性網膜症の兆候を診断するシステムで米スタートアップのIDxテクノロジーズ社(アイオワ州)と提携しており、いずれも注目されている。

●AI医療診断ベンチャーへの出資企業も注目

 このほか、エムスリー <2413> はオプティムと共同で、世界中のどの医療向け画像診断支援AIアルゴリズムやPACS(医療用画像管理システム)などの院内システムでも利用でき、医療向け画像診断を支援するAIを搭載したオープンプラットフォーム「Doc+AI(ドクエイ)」を構築する。AI医療診断をサポートするという観点から注目したい。

 更に、東京大学発のAI医療診断ベンチャーであるエルピクセル(東京都千代田区)に、オリンパスや富士フイルムと並んで出資するCYBERDYNE <7779> [東証M]やテクマトリックス <3762> なども関連銘柄として挙げられよう。

株探ニュース(minkabu PRESS)

最終更新:12月21日(金)9時08分

株探ニュース

 

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