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ソフトバンクグループ、子会社上場による資金調達で投資加速 「親子上場」の懸念も

11月23日(金)9時00分配信 THE PAGE

異質の業績 “投資会社”ソフトバンクグループ

2018年4~9月期決算発表での孫正義社長(写真:つのだよしお/アフロ)
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2018年4~9月期決算発表での孫正義社長(写真:つのだよしお/アフロ)
 通信会社から巨大な投資会社へと変貌を遂げつつあるソフトバンクグループが、さらに勢いを加速させています。中核通信会社であるソフトバンクの東証上場が決まり、同社はあらたに2.6兆円の資金を調達します。この資金を元にさらに投資を加速させたい意向ですが、一部からは親子上場の弊害を指摘する声も出ています。

 ソフトバンク(現在のソフトバンクグループ)は、かつてはソフトの流通や出版を手がける地味な企業でしたが、2006年におよそ2兆円を投じて英ボーダフォンの日本法人を買収。2013年には米国の通信会社であるスプリントの買収に成功し、世界屈指の通信会社にのし上がりました。同社の孫正義社長は通信会社の買収が一段落すると、今度はサウジアラビア政府と共同で10兆円規模の巨大ファンド(ソフトバンク・ビジョン・ファンド)を組成。ライドシェア大手のウーバー・テクノロジーズなど、先進的なIT企業への巨額投資を進めています。

 2018年4~9月期(中間期)の決算は営業利益が1兆4207億円と前年同期比で何と1.6倍に増加。このうち6324億円をファンドが稼ぎ出すという日本の大企業としては「異質」の業績を達成しました。巨額の投資ファンドがそのまま上場したような事業モデルは、米国の著名投資家ウォーレン・バフェット氏が率いる、バークシャー・ハサウェイを彷彿とさせます。少なくともグローバル市場では、すでに孫社長はバフェット氏と並ぶ投資家とみなされています。

「親子上場」の弊害を指摘する声も

 通信会社から投資会社へのシフトはとりあえず順調に進んでいますが、一部から市場の歪みを懸念する声も上がっています。その理由は、子会社であるソフトバンクと親会社であるソフトバンクグループの両方が株式市場に上場するという、いわゆる「親子上場」になっているからです。

 親子上場は違法ではありませんし、東証のルール上も問題はありませんが、企業の利益相反を防ぐという観点から、市場のモラルとしてはあまり推奨されていません。

 例えば、ソフトバンクが新しく始めた事業が親会社のソフトバンクグループにとって不利益になるものだった場合、子会社にとっては利益であっても親会社の利益を損ねる結果となってしまいます。子会社の利益を優先した場合には、親会社の株主にとっては、自分の知らないところで、損失を被る可能性が出てきます。

 しかしながら、日本の株式市場では不正会計など、グローバル基準では到底許容されない行為が蔓延しており、親子上場などはもはや問題視するレベルの話ではないのかもしれません。

 ソフトバンクグループの業績はファンドの運用成績にかかっていますから、今後の市場の関心も通信事業から投資事業へとシフトしていくことになるでしょう。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:11月23日(金)9時00分

THE PAGE

 

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