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日本株は割安? 過熱? TOPIXの先行き予想PERが低下

11月14日(水)20時35分配信 THE PAGE

 割安感が強まる日本株ですが、日銀はどう見ているのでしょうか。日銀が抽出した株価の長期トレンドなどをもとに見てみます。第一生命経済研究所の藤代宏一主任エコノミストに寄稿してもらいました。

日銀の長期トレンドから読み解く

[グラフ]株価トレンド(片側HPフィルター)
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[グラフ]株価トレンド(片側HPフィルター)
 10月以降の株価下落を受けて、東証株価指数(TOPIX)の先行き12か月予想PER(株価収益率)は、2013年以降の下限である12倍近傍まで低下しました。一般的にPERは将来への期待が膨らんでいる時に上昇し、そうでない時に低下します。日本経済は春先以降、自然災害の影響もあって足踏み状態にありますが、米国経済が順調に拡大するなど世界経済のマクロファンダメンタルズは堅調ですから、ここまで日本株の割安感が強まることに違和感を覚える投資家も多いでしょう。

 ここで日銀が金融システムレポートで観察しているチャートに目を向けると、目下の日本株は過熱感を示す一歩手前の領域に位置していることが分かります。日銀は「片側HPフィルター」という手法を用いて株価の長期トレンドを抽出し、そこからの乖離の二乗平均平方根に1.5倍を乗じた領域を閾値(しきいち)として、その範囲外にあると「過熱」と判定しています(※図は筆者が複製を試みたもので日銀算出の数値と完全に一致しているかは不明)。
 
こうした現状について、日銀は直近の金融システムレポートで「株価は、好調な企業業績もあってバリュエーション面で目立った割高感はみられない」としながらも「トレンドを上回り、『赤』に近い『緑』で推移している」との見解を示しています(赤は過熱、緑は正常を示します)。つまり、足もとの株価は、業績面を踏まえると割安と言える一方、水準は2013年以降に急激な上昇を遂げたこともあって過熱領域の一歩手前にあるという、二面性を有しているということです。

 PERの低下をめぐっては、米中貿易戦争の影響が深刻化する、英国のBREXIT協議の難航・決裂とイタリア財政を巡る不安によって欧州経済が減速する――など様々な懸念が指摘されていますが、やはり現状の株価水準がトレンドの遥か上方に位置していることも一因でしょう。こうした状況では、多くの投資主体が含み益を抱えているため、利益確定売りの対象になり易いという単純な理由が指摘できます。
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※本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所経済調査部が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。

最終更新:11月15日(木)15時08分

THE PAGE

 

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