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MSOL Research Memo(6):MSOL台湾を中核拠点に、日本と連携しながら中国市場の攻略に挑む

11月13日(火)15時35分配信 フィスコ

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3. 海外展開
マネジメントソリューションズ<7033>は海外展開も重要な成長エンジンの1つとして位置付けている。2013年11月には米国にMSOL Inc.を設立し、2015年11月には台湾にMSOL台湾を設立した。

米国のMSOL Inc.はその後、経営資源を日本での成長に振り向けるために一旦撤退を決断し、2017年10月に清算を結了した。一方MSOL台湾については、将来的な中国本土への進出を念頭に設立し、これまでパイロットプラント的に営業を続けている。現状ではMSOL台湾単独で事業が黒字化しているほか、中国市場におけるPMO実行支援への潜在的ニーズの把握や、本格的な事業展開に向けたノウハウ、人脈の蓄積などで、手応えを得ているもようだ。

市場開拓の具体的あり方については、MSOL台湾と日本の同社本体の両サイドからの攻略を狙っている。MSOL台湾は、その設立の目的から明らかなように、中国企業を中心とした事業展開となると考えられる。一方、日本企業の中国での事業展開に対しては、同社本体を含めた日本からのソリューション提供を現時点では想定している。

海外展開の計画の詳細は、1年後に発表予定の中期経営計画に盛り込まれると弊社ではみており、まずはその発表を待ちたいと考えている。


プロジェクトマネジメント支援ソフト『ProEver』の本格的拡販に取り組む
4. ソフトウェアの開発・販売
企業が業務の効率化を進める上ではITの活用は避けて通れず、そこで活用するソフトウェアの重要性はますます高まっている。同社は2015年11月にナレッジ&タレントマネジメントシステムの開発を目的に、子会社としてProEverを設立した。その後ProEverはソフトウェアの開発に成功し、2017年2月に社名と同じ「ProEver」ブランドでソフトウェアの販売を開始した。子会社のProEverは2017年10月に同社本体に吸収合併され、それ以後は同社本体が「ProEver」の販売に携わっている。

「ProEver」は単なるプロジェクト管理にとどまらず、プロジェクトマネジャーやPMOの育成、プロジェクトマネジメントの成熟度向上などを行うことができるソフトウェアだ。特に組織内のナレッジ共有と人材の活用を支援する点に特長・強みがある。

こうしたプロジェクトマネジメント支援ソフトの市場規模は、現状では約80億円とみられ、米国の大手ソフトウェア企業の商品が高シェアを握っている状況にある。同社は2019年10月期から「ProEver」の販売に本格的に乗り出す方針で、当面は10%の市場シェアの獲得を目指す方針だ。


成長戦略がイメージとおり進捗すれば2025年10月期には売上高100億円超の達成は十分視野に入るとみる
5. 中長期の業容のイメージ
同社の主たる事業ドメインであるPMO実行支援の市場規模を把握することは非常に難しい。市場参加者が同社のような専門企業だけで構成されていれば各社の売上高を合算すれば現状の把握はある程度可能であるが、PMO業界の現状は同社のような専門事業者はごく少数で、それ以外はコンサルティング企業の付加サービス的に行われているためだ。同社は現在の日本におけるPMO実行支援の潜在的市場規模は1,400億円程度と推計している。これはある程度明らかになっているシステムインテグレーション(SI)の市場規模をもとに、そこから導き出した推計となっている。この数字は1つの大きな手掛かりとなるが、弊社では実際の潜在市場規模はもっと大きい可能性があると考えている。SI市場からの推計ということはIT系コンサルティングの市場がベースとなっていると考えられるが、プロジェクトの中には非IT系のプロジェクトも数多く存在し、それらに対するPMO実行支援のニーズも相当程度あると考えられるためだ。市場に対してどういう見方をするにせよ、現状の同社の売上規模と比較した場合、成長余地はまだまだ大きいということだ。

前述のように、同社は収益成長に向けて人材の獲得を急いでいる。2018年5月末段階で同社の社員数は170人で、そのうちPMOプロフェッショナルは約150人となっている(国内の同社単体の数値)。今後、年間100人のペースで人材獲得が進むと、2025年10月期末までに700人の採用者数が見込まれることになる。その間、離職者も出るため純増数はこれよりも小さくなるが、既存の170~180人と合わせて700~800人体制はかなり現実的な数値だと言えるだろう。

PMOプロフェッショナルが800人(期首期末平均ベース)で、その平均月単価を150万円、稼働率90%と仮定すると、年間売上高は150万円×12ヶ月×90%×800人=12,960百万円と試算される。顧客数や単価変動などの不確定要因も多いためこのとおりになるとは限らないが、PMOプロフェッショナルが800人体制で100億円の売上規模を十分狙えるということは理解できるだろう。

中長期戦略の中で弊社が売上高以外で注目するのは、収益性だ。2018年10月期通期予想ベースの営業利益率は9.2%となっている。この数値は同業他社との比較において決して低い数字ではない。しかしながら、同社には営業利益率の改善の余地はまだ残されているとみている。現状、人材採用費(とくに人材紹介会社に支払う紹介料)が大きな利益圧迫要因となっているとみられる。これについては当面の同社は人材確保自体が成長戦略の中核であるためすぐには改善できないと考えているが、業容の拡大のなかで徐々に新卒者の割合を高めたり、同社の知名度向上に伴って人材紹介会社を介さない形での中途採用が軌道に乗れば、その分だけ利益率は改善すると期待される。またソフトウェア「ProEver」の開発費の償却も利益率圧迫要因となっているもようだ。この点については、時間の経過に加えて販売実績が伸びることでも吸収できるため、販売動向次第では早期に改善に向かう可能性もある。こうした利益率改善策が順調に進捗すれば、営業利益率で10%~15%を安定的に実現することは充分可能だと弊社ではみている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)

《RF》
株式会社フィスコ

最終更新:11月13日(火)16時13分

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