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36歳、貯金350万。出産で退職し夫だけの収入に不安が

11月9日(金)22時20分配信 あるじゃん(All About マネー)

◆今の生活で今後どの程度貯められますか?

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回の相談者は、出産後退職し、現在は専業主婦の方。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします
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皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回の相談者は、出産後退職し、現在は専業主婦の方。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします
皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回の相談者は、出産後退職し、現在専業主婦の方。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。

▼相談者

ナナツボシさん(仮名)
女性/専業主婦/36歳
大阪府/賃貸住宅

▼家族構成

夫(会社員/42歳)、子ども2人(幼稚園/5歳・2歳)

▼相談内容

第一子を出産後退職したため、主人の収入のみの生活になりました。子どもが幼稚園に行くまでは月3万ずつ貯蓄できていましたが、昨年からその貯蓄額以上の幼稚園費がかかるようになり、月々の貯蓄ができなくなりました。ボーナスは全額貯蓄していますが、子供の夏休みに合わせて1カ月ほど田舎に帰省する費用(主人と私たちとの二重生活費)として、年間20万ほどを旅行費として使っています。それ以外は毎月のレジャー費等は発生していません。

これからの貯蓄はどの程度可能ですか。私は現在働いていませんが、再来年の春に下の子が幼稚園に入るので、そのタイミングから美容師のパートで働く予定です。下の子が小学生に上がれば、正社員を希望しています。パートの時給は1100円前後、正社員の月給は24万ほどが相場のようです。また、来年の9月ごろ入居予定で、築32年の中古マンションをリノベーションしています。購入価格はリフォーム費用合わせて1700万です。とりあえず、私が働き出して以降に繰り上げ返済予定にしていますが、これは妥当でしょうか。

食費についてはやや高めだと感じています。子供2人、主人、よく食べるタイプで食事作りに追われています。実母や義母に食事作りを見てもらったり、節約法を教えてもらったりしましたが、十分、無駄の無い作り方と言われました。食べる絶対量が多いため、質より量、値引き品を購入するようにしていますが、だいたい毎月この金額になります。毎月の支出で不明な額はだいたい、食費の補填になっています。外食はしません。

▼家計収支データ

「ナナツボシ」さんの家計収支データ
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「ナナツボシ」さんの家計収支データ


▼家計収支データ補足

(1)住宅のリフォームと入居時期について
物件購入が2月。その後、2カ月をかけてリフォーム。本来5月入居できるが、幼稚園の送り迎えや幼稚園の役員をしているため、引越しすると下の子を連れて送り迎えは今より距離が遠くなることもあり、幼稚園に行く機会が減る9月の入居とした。

(2)住宅ローンについて
名義/夫、借入額/1500万円、返済期間/20年、金利/変動0.725%、
諸費用/150万円(貯蓄から120万円捻出済み) 毎月返済額/6万7159円
※ローン支払い開始は9月から。ただし金利のみ2月から支払いを開始(約6500円)。

(3)購入するマンションについて
管理費/8150円、修繕積立金/1万1940円、駐車場/借りる予定なし、
※今年3月から支払い開始。
また、築32年ということで、今後の大規模修繕計画や、それに伴い、一時金の徴収、修繕積立金の値上がり等の可能性について説明があり、了承した上で購入。

(4)加入保険の保険料内訳
・夫/収入保障保険(保険期間65歳、給付額月10万円)=保険料4750円
・夫/医療保険(終身保障60歳払込終了、入院1万円、先進医療特約、がん特約)=保険料6241円
・夫/終身保険(低解約型、死亡保障500万円、2024年解約で解約返戻金300万円)=保険料2万615円

(5)下の子どもの幼稚園費用について
上の子どもと同額か、少し下がる可能性もあり。

(6)帰省について(相談者コメント)
「私がパートを始めた場合、帰省そのものを取りやめることも視野に入れている。その場合、民間か小学校の学童に上の子を入れる予定。子どもが強く帰省を望んだ場合、子どもたちだけで行かせることも考えている。その場合、私は家に残りますので、子どもの帰省費用と滞在費のみが必要になります。私が同行せず、二重生活費も必要無いため、現在の20万より大幅に下がる予定」

(7)夫の定年について
60歳定年。嘱託、再雇用制度あり。退職金制度なし。

▼FP深野康彦からの3つのアドバイス

アドバイス1 「貯められない時期」と割り切ることも大切
アドバイス2 住宅ローンは無理がないが大規模修繕費には注意を
アドバイス3 子どもの進路に合わせてしっかり貯蓄していこう

◆アドバイス1 「貯められない時期」と割り切ることも大切

現状、思いどおりに貯蓄できていないことが今回のご相談の理由かと思いますが、まずそのことはあまり気にしなくても構いません。貯蓄できない時期は、ほぼ、どの世帯にもあるものです。しかも、もっとも多いパターンが、ご相談者のナナツボシさんのように、出産により妻が働けなくなるというもの。今後、妻がパートに出ても、幼稚園ないし保育園費用に半分近くが消えてしまう。貯蓄がきびしい典型的なケースです。

ナナツボシさんの場合、パートで働き始めるまでの数年は、現状維持でよしと割り切ってください。実際、児童手当分は貯められているのですから、それで十分。また、食費も工夫は確かに必要ですが、家族がよく食べるならばある程度かかるのは仕方がありません。食べないよりよほど健全ですし、高くてもそれは意味のある支出です。

帰省についても同様。コストがかかることはあまり気にせず、ぜひ継続してください。お子さんとともに長い時間、のんびりと田舎で過ごすことは、おそらく今しかできないでしょう。

一方、お子さん2人とも小学校に上がり、教育費が下がってくると、家計としては貯蓄に大きくアクセルを踏める時期です。夫婦共に働くことで家計に余裕が生まれますから、今までと同様に家計管理をしていけば、十分貯められます。したがって、焦る必要はありません。ちょうど今、貯めるのが難しい数年間に当たっているだけのことです。

◆アドバイス2 住宅ローンは無理がないが大規模修繕費には注意を

住宅ローンについて言えば、さほど問題はありません。借入額も大きくなく、ボーナス併用の返済もしていない。毎月の返済額は、管理費と修繕積立金を加算して、ちょうど現在の家賃程度。その他、固定資産税が発生しますが、奥様が働くことで問題なく返済できます。

また、返済期間20年ですから、完済はご主人62歳のとき。定年後も働く、もしくは貯蓄があれば、定年後2年間の支払いもさほど大きな負担にはならないでしょう。

ただし、相談文にあるように、繰上返済はできればしたいところ。例えば、5年後に150万円を繰上返済すれば、返済期間は2年1カ月短縮され(支払い利息は約16万円)、60歳前の完済が可能となります。退職金で完済してしまうという方法もありますが、支払利息や今後の金利上昇リスクなどを考慮すれば、早い時期の繰上返済が望ましいということになります。

注意点としては、繰上返済は確かに効果的ですが、それを優先させると手持ち資金が減ってしまうということ。無理をせず、教育資金など、しっかり確保した上で行うようにしてください。

不安要素とすれば、住宅ローンよりも、購入されたマンションがすでに築32年ということ。事前に「一時金の徴収、修繕積立金の値上がり等の可能性」の説明を受けているようですが、その時期や金額などは不確定であり、だからこそ、その備えとして一定額を用意しておくことも必要と考えるべきでしょう。

◆アドバイス3 子どもの進路に合わせてしっかり貯蓄していこう

マネープランとしては今後、教育資金が気になります。先に「小学校に上がれば、そこからは貯めどき」と言いましたが、その後の進路によっては、その貯めどきも短期間になってしまいます。ご主人加入の低解約型終身保険を2024年に解約すると解約返戻金が300万円とのことですが、それは上のお子さんが12歳のとき。

もしも私立中学の入学を意識されているとすれば、高校も私立となり、大学の費用と合わせて学費だけでトータル1100~1200万円は見積もっておく必要があります。この金額は、先の解約返戻金と児童手当全額を貯蓄したとしても700万~800万円足りません。

さらに、下のお子さんの学費もあります。高校まで公立であれば、計画的に準備するのは大学費用だけ(高校までは家計から捻出)ですが、それでも平均で私立文系なら390万円、私立理系で520万円ほど。中学、高校から私立なら当然、上積みされます。

もちろん進路はまだ未定でしょうが、もし中学、高校で私立にというご希望、あるいは可能性があるのなら、今から計画的に準備をしておくべき。今後、ナナツボシさんが働くようになれば、その収入のほとんどは貯蓄に回せます。仮に正社員ならば、月20万円超の貯蓄も可能でしょう。その際、きっちり目的別に積み立てていくことがポイント。また、保険商品は使わず、流動性のある貯蓄商品で積み立てることをおスメメします。

最後に、ナナツボシさんが働くタイミングで死亡保障を確保したいところ。いわゆる掛け捨ての定期タイプで死亡保障1000万円、保険期間10年。今の年齢で加入されるとすれば、保険料は1000円台前半です。

◆相談者「ナナツボシ」さんから寄せられた感想

この度は深野先生にアドバイスをいただけて大変嬉しく思っております。他の相談者の方への回答を参考にしたく、いろいろな相談事例を拝見しておりましたが、深野先生のアドバイスは、単にお金の損得の部分へのご指摘ではなく、相談者の気持ちに寄り添ったご回答で、大変励みになります。

今回、貯蓄のために、いかに食費を節約できるか、帰省費用を減らすべきかといった部分ばかり気にしていましたが、よく食べてくれるのは健全なことで、意味のある出費、帰省費用にお金をかけられるのも今のうちとご指摘があり、ハッとさせられました。貯めるのが難しい時期と割り切ることも必要なのですね。今後は、築年数がかなり経過したマンションを購入したので、建て替えの可能性や修繕費の負担など、不測の事態を予測しながら、少しでも手持ちの資金を増やせるように、私が働き出したらすぐにでも貯蓄を始めるようにしたいです。この度は本当にありがとうございました。


教えてくれたのは…… 
深野 康彦さん 

マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金周り全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。

取材・文/清水京武
あるじゃん 編集部

最終更新:11月9日(金)22時20分

あるじゃん(All About マネー)

 

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