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46歳貯金16万。結婚した夫が趣味のコレクションに散財

10月23日(火)22時20分配信 あるじゃん(All About マネー)

◆夫は相続をあてにしているが、私は心配で仕方ありません

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回の相談者は、結婚2年目にして貯蓄がまったく貯まらないパート女性の方。ファイナンシャル・プランナーの井戸美枝さんがアドバイスします
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皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回の相談者は、結婚2年目にして貯蓄がまったく貯まらないパート女性の方。ファイナンシャル・プランナーの井戸美枝さんがアドバイスします
皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回の相談者は、結婚2年目にして貯蓄がまったく貯まらないパート女性の方。ファイナンシャル・プランナーの井戸美枝さんがアドバイスします。

▼相談者

トントンさん(仮名)
女性/パート/46歳
大阪府/持ち家・マンション

▼家族構成

夫(会社員・48歳)

▼相談内容

結婚して1年、貯金ができません。1カ月前に家計簿をつけ始めましたが、支出、とくに雑費が多いのにショックを受けました。そんな中、高齢の義父は施設に入居。主人の弟が粗暴で引きこもりという問題も抱え、義父の生活費を援助する可能性もあります。相続も不安の種です。また、主人が過去に年金を納めていなかったため、老後が心配。それなのに、危機感のない夫は、自分の趣味にお金を使えるだけ使ってしまいます。夫が保険に未加入なのも不安です。どうすればいいでしょうか……。

▼家計収支データ

「トントン」さんの家計収支データ
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「トントン」さんの家計収支データ


▼家計収支データ補足

(1)貯蓄がない理由
妻は独身時代には一時200万円ほどあった貯蓄を、買物のし過ぎで結婚前には使い果たす。本人曰く「今思うと買物依存症だったかもしれません。今は精神的に安定しています」とのとこ。クレジットカードは夫に預けている。

夫は結婚前に70万円貯蓄があったが、この1年で趣味のコレクション購入に費やしていたことが判明。毎月の貯蓄分も夫が管理しているため、それも使われないか、妻は不安。

(2)義父の体調と資産状況
義母はすでに他界しており、義父は相談者結婚後に介護施設に入所。一戸建ての自宅と古いアパートを所有し、年金と家賃収入がある。しかし、その自宅に住む義父の次男(相談者の夫の弟)が無職で引きこもりの上、義父の収入をすべて握っている状態。これまでも、義父の施設費やアパートの管理費用の支払いを度々拒否。今後、固定資産税(金額不明)や義父の生活費が支払えなくなれば、相談者の夫が負担するのもやむなしという状況。また、弟は粗暴のため、義父との同居はできない。

(3)相続について
義父は自宅を弟に、アパートを相談者の夫に相続させるとのことだが、あくまで口約束。また、同兄弟の他に既婚の妹が一人いる。自宅もアパートも資産価値も相続税も不明。現在、空き室はあるが賃貸収入は20万円ほど。相談者は維持費等コストがかかるなら相続してほしくないと思っているが、夫は愛着があるらしく、将来は建て替えて、最上階に夫婦で住むという希望を持つが、その費用をどこから捻出するのかまったく考えていないらしい。

ただし、義父に借金がないとも限らないと、相談者は懸念している。以前、義父は不動産屋さんを営んでいたが、所有する物件は以前よりかなり減り、ついに店じまいしてしまったため。相談者曰く「夫は借金があっても、アパートを相続すると息巻いています」。

(4)自宅について
相談者がまだ独身だった数年前に、親が買い与えたもの。住宅ローンは親がずっと払い続けている。ローンはあと4年ほど残っている。

(5) 雑費の内訳について
・日用品 1万円
・義父所有のアパートの管理費 8000円(1室借りたまま)
・犬経費 1万5000円(老犬のため医療費がかかる)
・化粧品 5000円
・衣料品 5000円
・医療費 2万円
・義父のお見舞い交通費 1万5000円
・美容室代 1万5000円
・外食費 1万2000円

相談者コメント「夫には小遣いを渡して(3万3000円。これももらい過ぎだと思う)いるのに、美容室代や鍼灸代(医療費に含む)はそれでやりくりせず別途請求してくるし、おやつや日用品をすぐ「買ってきて」と頼んでくる。夫の昼食代はお弁当も作って渡しているので、実質かかっていません。主人は自分の小遣いは全額コレクションにつぎ込んでいます。相当に夢中で、意見しても簡単にやめるとは思えません」

(6)仕事と年金について
夫は過去に長らくフリーターをしていて、未納期間が1年、全額免除が10年あり。主人の年金支給額は年額45万円、退職金はないが65歳まで働ける。夫は年金が少なくても、アパートの家賃収入があるから平気だと考えているが、相談者は心配で仕方がない。相談者は過去にうつ病で長期療養し、その後は正社員としては採用されなくなった。今は週4日パートで働いている。公的年金の支給額は把握していないが、親が個人年金保険に加入してくれている。

▼FP井戸美枝からの3つのアドバイス

アドバイス1 雑費を中心に見直し、月7万円の貯蓄を
アドバイス2 家計改善は夫の協力なしには不可能
アドバイス3 専門家の意見を聞き、現状を正しく認識

◆アドバイス1 雑費を中心に見直し、月7万円の貯蓄を

ご相談はいろいろ複雑な要因が関係しているようですが、マネープランという観点から言えば、何であれ、まず足元の家計を見直し、貯蓄ができる家計を目指すことが先決となります。たとえば、奥様が病気などでパートを2カ月休めば、それだけで貯蓄は底をつきます。もちろん、奥様は十分理解されていると思いますが、そのくらいリスクを抱えている状況なのです。

収入については、ご夫婦の年齢や奥様の体調を考えれば、今後アップしていくのは難しいでしょう。そうなると、支出を削るしかありませんが、住宅ローンも家賃もなく、お子さんもいない。それで世帯の手取り額が34万円であれば、家計の見直し余地はそれなりにあります。

最初に手を付けるべき費目は、雑費と使途不明金。まず、奥様が指摘されるとおり、ご主人の美容室や鍼灸の費用は原則、小遣いからの捻出とすべきです。結果的に、趣味のコレクションへの支出も減らさざるを得なくなります。

その代わりと言っては何ですが、奥様に関わる支出が雑費に含まれているなら、それもなるべく抑える、もしくは小遣いから出していきましょう。おやつは予算を決めてその範囲で。日用品も本当に必要かどうかを判断すること。また、義父所有のアパートの部屋も使っていないなら、まさに無駄そのもの。今日にでも契約を解除すべきです。

使途不明金については、その内容をまずは把握すること。全額削れるのであれば、それだけで月1万5000円が浮きます。雑費は全体から3割カットできれば、合わせて計5万円が貯蓄に上乗せできますから、月7万円の貯蓄が可能となります。年間84万円。まずはこのくらいを目標にしてみてください。

◆アドバイス2 家計改善は夫の協力なしには不可能

問題は、こういった家計の見直しは、その意味をご主人に理解させないと実現しないということ。ただ、簡単ではないでしょう。文面からは、危機感のないご主人に対するストレスが伝わってきます。ご夫婦について、詳しいことは何も知りませんので、あくまで推測の域を出ませんが、ご主人は自分の資産(アパート)をあてにしていると同時に、奥様と奥様のご実家を頼っている部分があるのではないでしょうか。

現に、今のお住まいは奥様の親御さんが購入した物件で、しかもまだローンを支払っている。親が子を思う気持ちは当然だとしても、経済的支援には限界があります。間接的であれ、もしもご主人側の負債が及ぶことがあれば、奥様の親御さんの老後にも影響が出ます。

したがって、毅然とした態度でご主人に状況を説明し、理解してもらうしかありません。聞き耳を持たないなら、奥様も「それなりの覚悟がある」ことが伝わるくらいの真剣さが必要かもしれません。家計の見直しは一人で頑張っても空回りするだけで、望む効果は得られません。家族が同じ方向を向くことが必須条件なのです。

◆アドバイス3 専門家の意見を聞き、現状を正しく認識

義父と弟さんに対する今後の関係、付き合い方等は、FPの専門外のことですからアドバイスはできませんが、今はとにかく、できることから進めていくということだと思います。

とくに相続については、義父の所有しているアパートが土地も含めてどのくらい価値があるのか、相続税はどの程度発生するのか。また、アパート経営をする場合、そのコストと期待できる家賃収入、さらにはご主人が描いている建て替えのプランの予算としていくら必要なのか。

相続等は税理士に、アパート経営はそれなりの専門業者に調べてもらうことで、まずは現状認識をしておくことが必要です。それをしておかなくては奥様も心配ですし、今後のライフプランも先には進みません。義父に借金があるかどうかは、まずは本人にたずねるしかないのでは。

それと、心配されている公的年金ですが、現状では年金保険料の追納が可能でも資金的に無理があります。今できる老後対策は、とにかく無理のない範囲で家計支出を抑え、貯蓄ペースを高めること。先に示した年間84万円の貯蓄が可能なら、10年間で840万円。65歳まで働くとすれば、1000万円近くは貯められるはず。

大事なのは、それが足りるかどうかを心配するのではなく、その資金で老後をどう過ごすのか。それを考える方が建設的です。そして、元気なら70歳まで働く。長く働けるよう、日頃から健康管理に気を配る。漠然とした不安をずっと抱えているより、少しでも資金の上積みができるよう今から努力する方が、意味のある老後対策だと思います。

もちろん、言葉にするのは簡単ですが実践するのは大変です。それでも、前進するしかありません。今回の応募をいいキッカケとして、とにかく可能なところから着手していきましょう。

◆相談者「トントン」さんから寄せられた感想

具体的な貯金目標金額をアドバイスしていただいて、やる気が出ました。夫にすぐに「趣味代を減らせ」と言うのは難しいので、夫婦で毎月7万円の貯金を共通の目標にし、「今月使える雑費はここまでだから協力して」等の言い方で協力してもらおうと思います。ありがとうございました。

教えてくれたのは……
井戸美枝さん

All Aboutマネープラン・もらえるお金ガイド。ファイナンシャル・プランナー(CFP)、社会保険労務士、経済エッセイストとして幅広く活躍。社会保障審議会企業年金部会委員。マネープランや家計の見直し、家計がもらえるお金に詳しく、テレビや書籍、雑誌などでのアドバイスにも定評がある。『知らないと損をする 国からもらえるお金の本』『【図解】2015年度 介護保険の改正 早わかりガイド 』など、著書も多数。

取材・文/清水京武
あるじゃん 編集部

最終更新:10月23日(火)22時20分

あるじゃん(All About マネー)

 

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