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50歳公務員、夫が家に入れる生活費18万をアップしてくれない

10月21日(日)22時20分配信 あるじゃん(All About マネー)

◆現在鬱で休職中。早期退職を希望していますが、その後の家計が不安です

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回の相談者は、健康面で早期リタイアを希望しているが、なかなか退職に踏み切れない50歳の公務員女性。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。
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皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回の相談者は、健康面で早期リタイアを希望しているが、なかなか退職に踏み切れない50歳の公務員女性。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。
皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回の相談者は、健康面で早期リタイアを希望している50歳の公務員女性。しかし、収入が夫だけになった場合、生活費が不足するという不安があり、なかなか退職に踏み切れないとのこと。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。

▼相談者

まめさん(仮名)
女性/公務員/50歳
関西/妻の実家

▼家族構成

夫(公務員・単身赴任中/56歳)、子ども2人(ともに社会人)

▼相談内容

私は現在鬱で休職中です。今までも数回、同じ病気で休職していた期間があります。しかし、心身ともに仕事を継続することが困難と感じてきており、退職を考えております。子どもは2人就職し教育費はかかりません。しかし、2人とも遠方の私立大学に通っていたため、合計3500万程の貯蓄を崩しました。このため、現在貯蓄は3400万程しかありません。主人(単身赴任中)は手取り40万ですが、生活費は18万を家に入れてくれています。今は私の収入があるので生活できておりますが、主人だけの収入になった場合、現在の貯蓄では生活は無理かと思うのですがどうでしょうか? 主人は私が退職したら退職金を使えばいいといって、18万以上は生活費を家に入れてくれるつもりはないとのことです。毎月の貯蓄額は15万の他に、給与天引きで9万円程しております。家を出ている子どもの結婚が控えていて、ある程度、資金を出す予定です。以上是非とも宜しくお願い致します。

▼家計収支データ

相談者「まめ」さんの家計収支データ
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相談者「まめ」さんの家計収支データ


▼家計収支データ補足

(1)家族構成と住まいについて
実家だが、親(母親と独身の兄弟50代)とは別棟。子どものうち1人は同居。生活費として月1万8000円を入れている。

(2)ボーナスの使い途について
夫からは30万~50万円、世帯の貯蓄に回してもらっている。相談者のボーナスは10万~29万円支出し、残りは貯蓄。

(3)夫の小遣いの内訳
単身赴任先の家賃5万円、食費5万円、ローン(内容は不明)の返済5万円、保険料4万1000円(終身保険、他)、残りは小遣い。妻曰く、貯蓄はおそらくない。土日は朝から閉店までずっとパチンコ。結婚以来ずっと変わらずとのこと。

(4)ここ2、3年に予定されている大きな支出
子ども2人の結婚式費用に300万円、クルマの買い替えに200万円。

(5)退職後の生活費について
退職後も、夫は「18万円以上は入れるつもりはない」ので、生活費を落とすか、毎月の貯蓄の額を減らすしかないことについて本人のコメント。

「ここが一番悩んでいるところであり、退職に踏み切ることができません。おそらく生活レベルは落とせないと思います。本人は退職金を使って生活するしかないと申しておりますので。家に入れてくれる額を交渉しても20万が限度かと思います。生活の収支を作成し、1馬力になった際の収支も作成し、主人に見せましたが真剣に見てくれず、いつも方向性が決まりません。あまり言うと機嫌が悪くなり、ますますパチンコから帰ってこなくなります。私が退職したら私の退職金で生活していき、自分が退職したら退職金は自分が使うと言っておりますので、主人に養ってもらうことになったらどれだけ苦しい思いをするのか不安です」

(6)加入保険について
・夫/家族収入特約付き終身保険(65歳払い込み終了、死亡保障350万円、特約分の死亡保障・現在1700万円・62歳まで)=毎月の保険料2万2002円
・夫/個人年金保険(60歳10年確定、年金額78万円)=毎月の保険料1万9000円
(※)夫の上記2つの保険の保険料は夫の小遣いから支払われている
・妻/終身保険(死亡保障1000万円、55歳払込み終了)=毎月の保険料1万1310円
・子ども/医療保険(終身保障終身払い、入院5000円、健康還付特約)=毎月の保険料6150円(2人分)

(7)退職金と年金について
退職金は夫2500万円、妻1500万円(今退職の場合)。夫の年金額は不明。妻は「ねんきん定期便」によると217万円。

(8)夫の働き方について
定年はおそらく65歳。再雇用制度もあり、収入はおそらく1/2か1/3になる。

(9)相続について
夫は長男で実家あり。他に兄弟あり。妻にも兄弟がいる。

▼FP深野康彦の3つのアドバイス

アドバイス1 50歳からフルリタイアでも資金的には大丈夫
アドバイス2 子どもの保険料や通信費は本人負担が望ましい
アドバイス3 働くことで根本的な不安は解消される

◆アドバイス1 50歳からフルリタイアでも資金的には大丈夫

結論から先に申し上げますと、今すぐ退職し、なおかつご主人からの生活費がアップしなくても、まめさんの今後の生活は資金的には問題はないと考えます。まずは今後のキャッシュフローを見ていきましょう。

実際はボーナス支給も考えて、早くても年内いっぱいは勤務、年明け退職となるでしょうが、便宜上、今すぐ退職し、その後は完全リタイアするとします。退職後のまめさんの世帯収入は、少なくともご主人が定年(65歳)となると今後9年間、ご主人からの月18万円と、ボーナスによる年間30万~50万円となります(お子さんからの生活費は、結婚も控えているということで省きます)。

一方、生活費ですが、基本的には今と変わらないとすれば、月22万円ほど。ただし、退職後、社会保険はご主人の扶養になるとしても、まめさんのボーナスから捻出していた支出分は、その後の生活費に月割りで加算しなくてはいけません。それを月2万円とすると、退職後の生活費は月24万円。結果、収入に対して平均で月2万5000円、9年間で約270万円の赤字となります。

手元の資金ですが、退職時の預金(財形貯蓄を含む)が2500万円。他に、勤務先で加入していた積立終身保険の解約返戻金が900万円、退職金が1500万円ですから、計4900万円。

しかし、2人のお子さんの結婚資金300万円と車の買い替え費用の200万円が別途発生します。さらに生活費の不足額270万円を差し引くと、9年後、まめさんが59歳のとき、手元に残る資金は4130万円となります。

このあと、ご主人からの生活費が途絶えるならば、公的年金支給の65歳まで無収入となります。その間、生活費はすべて貯蓄でまかなわなくてはなりません。6年間で1730万円ほど。ただし、生活費のうち、終身保険の支払いが55歳で終了していますから、それを加味すると、65歳の時点で、およそ2500万円が手元に残ります。

公的年金の支給額が年額217万円。この額が、今退職した時点での支給額(※)ならば、社会保険料や税金を差し引いて、手取額は月16万円ほど。65歳からの不足額を月6万円とすれば、90歳の時点で残る資金は700万円。さらに、死亡保障1000万円の終身保険を解約すれば、まとまった解約返戻金(解約する年齢等で額が異なります)も手にできます。そう考えると、クルマの買い替え、住宅リフォーム等を考慮しても、老後資金で大きく困ることはまずないと考えていいでしょう。

◆アドバイス2 子どもの保険料や通信費は本人負担が望ましい

この試算は、現状とほぼ変わらない生活費が続くと想定しています。ただ、節約と言うよりも、家計支出そのものを見直すことで、もっと老後資金に余裕が生まれます。

まず、保険です。お子さんに掛けている保険ですが、もう社会人なのですから、保険料は本人に負担させるべきではないでしょうか(継続するかどうかは、お子さんの意思に任せる)。1人3000円ほどですが、2人分で年間7万円超。退職後のまめさんにとっては、小さな負担額ではないはずです。通信費も同様。ご主人の分の負担は仕方がないとしても、お子さんの分は自身で支払うことが、まめさんのためでも、お子さんのためでもあると思います。

保険料と通信費の負担がなくなれば、月額1万5000円~2万円は家計支出が減額できます。それだけで、少なくともご主人が定年になるまでは、ご主人が入れる生活費だけでカバーすることも可能でしょう。

さらに言えば、試算で計上している毎月の被服費(ネイルとエステ代を含む)とご自身の小遣い(医療費を含む)が計12万円。年間144万円。これも今後10年、20年と継続的に発生するとは考えにくいはず。節約を意識しなくても、自然と生活費が下がっていく可能性も十分あります。

◆アドバイス3 働くことで根本的な不安は解消される

そういう中で提案ですが、何より今、優先すべきはまめさんの健康です。数年間はゆっくり休んで、健康を取り戻す。そして、その後は、パートかアルバイトで構わないので、働くことをお勧めします。

5年間休んでも、まだ55歳。月8万円収入を得れば、年間で約100万円。10年間で1000万円になります。それが老後資金に上積みされると、50歳からフルリタイアでも資金的には大丈夫ですが、今のまめさんの不安の根本的部分である「夫に養ってもらう」ことへの不安が、確実に解消されます。同時に、社会と何かしら関係を持つことは、老後生活において収入とは別に意味のあることです。焦らず、頑張りましょう。

(※)50歳以降に郵送される「ねんきん定期便」に記載されている受給額は、60歳まで保険料を支払った場合の見込額のため

◆相談者「まめ」さんから寄せられた感想

ありがとうございます! 自分ではここまで詳しく計画できませんし、考えられませんでした。感動しました! そして少し心がほっとしました。今回のアドバイスを参考に、見直すべき所は見直してみたいと思います。

教えてくれたのは……
深野 康彦さん

マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金周り全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。近著に『55歳からはじめる長い人生後半戦のお金の習慣』(明日香出版社)、『あなたの毎月分配型投資信託がいよいよ危ない!』(ダイヤモンド社)など

取材・文/清水京武
あるじゃん 編集部

最終更新:10月21日(日)22時20分

あるじゃん(All About マネー)

 

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