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就活ルール廃止、新卒一括採用の見直しは必要?

10月17日(水)9時00分配信 THE PAGE

 経団連が、就職活動の時期を定めた、いわゆる「就活ルール」について、正式に廃止すると発表しました。今後、就活ルールの扱いは、政府内で議論されることになります。
経団連会長の中西宏明氏(写真:つのだよしお/アフロ)
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経団連会長の中西宏明氏(写真:つのだよしお/アフロ)
 経団連会長である中西宏明氏は、10月9日に開かれた記者会見において、「採用活動に関する指針を経団連としては策定しない」と述べ、経団連主導での就活ルール策定は、2020年春の入社を最後に取りやめることを正式に表明しました。

 中西氏は今年の5月に新しく経団連の会長に就任したばかりですが、先月には早くも就活ルールの見直しについて言及していましたから、今回の決定はある程度、予想されたものといってよいでしょう。

 日本では経済団体が中心となって就職活動の時期や方法などを自主規制するという取り組みが数十年にもわたって継続してきました。かつて就職協定と呼ばれていた一連の就活ルールは、現実にはほとんど守られていません。経団連は、学生を早いうちに確保しておく、いわゆる「青田買い」について、表向きは反対していましたが、加盟している企業の多くが、隠れて青田買いを行っており、制度が機能していないという指摘は常に出されていました。

 今回、経団連がルールの廃止を決定した背景には、形骸化している制度を継続しても意味がないとの判断があったと考えられます。今後、就活ルールは政府が継続的に議論することになりますが、場合によっては、就活ルールが完全に消滅する可能性も否定できないでしょう。

 一部の企業では通年採用などに踏み切っており、人事戦略が多様化していますが、多くの日本企業は、従来型の人事が続いています。新卒一括採用の慣習は、年功序列の人事と密接に関係していますから、今の状況を変えずに就活ルールを撤廃すると、単に青田買いを加速させる危険性もあります。特に中小企業は現時点でも採用に苦慮していますから、その状況がさらに悪化してくるかもしれません。

 就活ルールの問題は、最終的には日本企業の人事戦略そのものの問題であり、この部分での改革が進まなければ、根本的な問題解決にはなりません。政府の議論においては、新卒一括採用の見直しなども含めた、総合的な議論を行うことが重要でしょう。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:10月17日(水)9時00分

THE PAGE

 

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