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週間為替展望(ドル/ユーロ)-米中通貨安戦争と米国債入札に要警戒

10月6日(土)4時24分配信 トレーダーズ・ウェブ

◆ドル円は、米中貿易戦争の激化や米中通貨安戦争の勃発に要警戒
◆米国9月の財政赤字や米国債入札も懸念材料
◆ユーロドルは、イタリア財政赤字目標に対する欧州委員会の反応に注目
(為替情報部・山下政比呂)

予想レンジ
ドル円111.00-116.00円
ユーロドル1.1100-1.1600ドル

10月8日週の展望
 ドル円は伸び悩む展開を予想する。ドル円は、好調な米国経済を背景にした米10年債利回りの上昇、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が政策金利であるフェデラル・ファンド(FF)金利誘導目標が中立金利水準(3%)を超える可能性を示唆したことなどで114円台まで上昇している。
 ドル円の買い要因としては、FRBの金融政策正常化、米国を軸とした貿易戦争に対する有事のドル買い、トランプ政権の減税を受けた好調な米国経済と米国への資金還流(レパトリエーション)、日米株式市場の上昇基調を受けたリスク選好地合い、などが挙げられる。
 しかしながら、トランプ政権は、11月6日の米議会中間選挙に向けて保護貿易主義を打ち出しており、ドル安・低金利が望ましいと主張してきた。中国が米中貿易戦争の激化を受けて、人民元安を誘導し、米国債の売却に動き出していることで、米中通貨安戦争としての米国によるドル安誘導、すなわちドル売り介入の可能性が警戒されつつある。
 米国の2018年度会計年度(2017年10月-2018年9月)の財政赤字は、8月までの11カ月間で8981億ドルとなっており、11日に発表される9月の財政赤字を加えると、1兆ドルを超えるのは必至となっている。米国の「双子の赤字」(=経常赤字+財政赤字)の対国内総生産(GDP)比が6%を超えた場合、ドルが下落する傾向にある。現状は6%を超えており警戒される。さらに、最大の米国債保有機関のFRBが、金融政策の正常化により米国債の購入から売却に転じ、2位の中国も米中貿易戦争の激化を受けて米国債を売却しつつある。今週は、3年・10年・30年の米国債入札が予定されており、不調だった場合は、ドル売り要因となる。
 トランプ政権に対する懸念材料としては、トランプ大統領の脱税疑惑やロシアゲート疑惑の深刻化、カバノー連邦最高裁判事候補に対する米連邦捜査局の調査などが挙げられる。
 ユーロは軟調な推移か。イタリア政府の2019年の財政赤字目標(対GDP比2.4%)は、欧州連合(EU)の財政均衡化目標(3%未満)を順守出来たものの、欧州委員会が財政規律違反として拒否する可能性が警戒されており、ポピュリスト政権とEUとの協議が難航する可能性が高まっている。また、トルコの9月のインフレ率が前年比+24.52%に上昇したことで、トルコ通貨危機への警戒感は払しょくされないままとなっている。ユーロ円は、貿易摩擦や新興国通貨危機への警戒感から伸び悩む展開を予想する。

10月1日週の回顧
 ドル円は、パウエルFRB議長が中立金利水準を超える水準まで追加利上げする可能性を示唆したこと、中国が米国債を売却しているとの観測から米10年債利回りが3.23%まで上昇したことで、113.52円から114.55円まで上昇した。ユーロドルは、イタリア政府の2019年の財政赤字目標に対して、EUが財政規律違反として拒否するとの観測から、1.1628ドルから1.1464ドルまで下落した。ユーロ円は、132.46円から130.72円まで下落した。(了)
松井

最終更新:10月6日(土)4時24分

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