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育休vs出産退職、妻たちの収入徹底比較!

9月24日(月)11時30分配信 あるじゃん(All About マネー)

出産後も育児休業を取って勤め続ける人が増えていますが、それでもまだ6割の人が出産を機に退職しています。子どもが成長した後に再就職を、と考えている方も多いですが、妻の収入はどうなるでしょうか? 出産退職か育児休業か……迷っている人必見です
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出産後も育児休業を取って勤め続ける人が増えていますが、それでもまだ6割の人が出産を機に退職しています。子どもが成長した後に再就職を、と考えている方も多いですが、妻の収入はどうなるでしょうか? 出産退職か育児休業か……迷っている人必見です
将来お子さんを希望するご夫婦、とくに妻にとって、出産後の働き方は大きな課題なのではないでしょうか……。そこで今回は、育児休業をした場合と、一旦退職してその後再就職をした場合のマネープランとキャリアプランについて考えてみました。

◆出産を機に退職する女性は6割!

<末子の年齢階級別にみた母の仕事の状況>【出典元】:厚生労働省「平成28年国民生活基礎調査の概況」
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<末子の年齢階級別にみた母の仕事の状況>【出典元】:厚生労働省「平成28年国民生活基礎調査の概況」
内閣府の平成28年版「男女共同参画白書」によると、「第一子出産を機に仕事を辞める女性」は約6割だそうです。ここ数年は育児休業を取って正社員を続ける女性が増えている、という印象がありますが、まだ半数以上の方が退職しているのですね……。

厚生労働省の「平成28年国民生活基礎調査の概況」でも、「一番下の子ども(末子)が0歳」の母親の仕事の状況は、「仕事なし」が60.7%、「正規の職員・従業員」は25.7%でした。出産しても正社員を続けている人は、4人に1人ということになります。


「正規の職員・従業員」の年齢別推移を見てみると、末子が0歳から1歳までは、25.7%で変わりません。けれども、2歳~5歳にかけて、少しずつ割合が減っています。例えば、出産後、1年間位は育児休業を取っていたけれども、「職場復帰に向けて保育園を応募したものの、預け先が見つからず、やむを得ず退職した」という方や、「一度復帰したけれども、職場環境やご自身の体調等で、やむを得ず退職した」という方もいらっしゃるのではないか、と思います。

一方、「仕事なし」の年齢別推移を見てみると、末子の年齢が上がるにつれて割合が減り、小学校に上がる頃「7~8歳」は30%未満に、また「15~17歳」の中学から高校にかけては、20%近くまで減っていました。筆者がお受けするライフプラン相談でも、「下の子に手がかからなくなってきた頃に、少しずつ働き始めたい」と考える方が多くいらっしゃいます。「家庭や子育ては大切だけれども、社会ともつながっていたい」、「キャリアを継続させたい」、「家計のためにも働きたい」という方が多いのだと思います。

◆再就職後の働き方は?

子どもが大きくなるにつれて、働き始める女性が増えてはいますが、「正規の職員・従業員」の割合は、末子が2歳以降、20%前後とあまり変わりがありません。細かい数字を見ると、末子が小学校や中学校に進学する年に、若干(2%前後)増えている程度です。逆に「非正規の職員・従業員」の割合は、年齢が上がるごとに増加し、末子が3~6歳の頃は30%台、7歳以降は45%前後となっています。正社員として再就職している人はごくわずかで、大半の方は、パートや派遣、契約社員など非正規で働いていることが分かります。

「子どもが小さいうちは母親がそばについてあげたほうがいいのでは?」という「3歳児神話」がいまだに根強く残っていたり、保育園の不足問題や費用などから、出産を機に退職する人がまだまだ多いのが現状です。けれどもその結果、こんなにも多くの人が非正規で働いている、というデータを見て、改めて驚きました。

◆育休vs出産退職、妻たちの収入徹底比較!

育児休業を利用して働き続けた場合と、出産退職をして子どもがある程度大きくなってから再就職をした場合とでは、どれくらい収入に差が出るのでしょうか? 実際にシミュレーションしてみました。

●育児休業をして働き続けた場合
大手化粧品メーカーに勤めるカナエさん(現在30歳、年収約500万円)は、来年の1月に出産予定です。職場に女性社員が多く、育児休業も取りやすい雰囲気です。保育園の費用などが気になるところですが、頑張って働き続けた場合、定年までの収入はどれくらいになるか、ざっくり試算すると次のようになりました。

(1)31歳で出産 育児休業給付金:約250万円
(2)32歳~34歳 短時間勤務復職:年収約350万円
(3)35歳~60歳までフルタイム勤務:年収約500万円
(50歳までの給与上昇率0.5%)
(4)退職金:約2千万円

(1)+(2)+(3)+(4)=約1億7,000万円

※保育園費用(1歳~6歳まで):約400万円

保育園の費用は、払う時期だけみると「3歳児未満で月約5万円」など、大きな金額に感じられます。また、育児休業中や時短勤務中の収入が減ってしまうのは大変ですが、長い目で考えるとほんの一時期の収入減であると感じられるのではないでしょうか。これなら家事などのアウトソーシングサービスを10年(月5万×12月×10年=600万円)利用したとしても、十分やりくりできますね。

■出産育児のために退職したノゾミさん
一方、ノゾミさん(現在30歳、年収約500万円)は、自動車メーカーに勤めています。彼女の職場もだいぶ育児休業を取りやすくなってきたのですが、朝早く出勤するために、育児との両立ができるか不安に感じています。一旦退職をして、子どもが少し大きくなってからパートや派遣で就労した場合、その後の収入はどうなるか試算してみました。

(1)31歳、出産を機に退職:退職金 約300万円
(2)出産退職後(33歳、子ども2歳まで)主婦業に専念:年収 0円
(3)34歳(子ども3歳)でパート就業:年収約100万円×4年=約400万円
(4)38歳(子ども7歳)から60歳まで派遣社員として就業:年収約250万円×22年=約5,500万円

(1)+(2)+(3)+(4)=約6,200万円
※保育園費用(1歳~6歳まで):0万円

カナエさんとノゾミさんの出産後の収入は、なんと約1億円以上も差が出てしまいました。女性のキャリア形成や生涯得られるはずの賃金(生涯賃金)を考えたら、多少保育料金等がかかったとしても、退職せずに働き続けることがどれほど大切かを感じていただけると思います。

◆正社員として再就職をめざすなら……

ノゾミさんのケースで、「もっと早く正社員として再就職をすればいい」と思われる方もいらっしゃるでしょう。けれども、前出の調査結果を見ると分かるように、実際に正社員として再就職している人は、大変少ないです。できるかぎり早く正社員としての再就職を希望する場合は、ブランク期間(前回の退職から再就職までの期間)を短くしたり、今のうちから自分のスキルを磨いておくことも大切でしょう。……といっても、資格を取ればいい、というわけではありません。パソコンのスキル、ビジネスマナーなどのスキル、営業やマネジメントに関するスキル、後輩の面倒を見たり指導したりするスキルや社会とのネットワーク作りなど、強みになるスキルはたくさんあります。そうした強みを活かして、社会や企業に貢献できる人は、正社員として採用される可能性も高くなります!

◆働き方の多様化で「自分らしく生きる」という選択肢も

もちろん、収入が全てではありません。最近は働き方も多様化してきて、企業に勤めてはいなくても、子育てをしながら社会と積極的に関わるママが増えています。また、テレワーク(在宅勤務)を採用している企業に勤めたり、独立起業をして、子どものそばにいながら仕事をする方法もあるでしょう。将来の家計やライフプランを考える際、これから先どんなことをして生きていきたいか、そのためにどのような働き方をしていこうか、といったことも考えてみてはいかがでしょうか。そして、ぜひその考えをパートナー(夫)にも伝えてみてください。

直接話すのが恥ずかしい時は、メールや手紙にしてもいいかもしれません。言葉に表すことで、夢の実現にもぐっと近づきます。そして何よりパートナー(夫)も「仕事も家族も、そして自分も大切にしたい……」という妻の願いを叶えるために、きっと喜んで協力してくれると思います。

パートナーである夫は、妻の働き方やキャリアに対する悩みや迷い、そして希望を自分のこととして捉え、妻の話をじっくり聞くことが大切です。そうすれば、さらに妻からの信頼が高まり、愛情も深まります。そして、夫婦でお互いに協力し合い、2人で幸せな人生を共有するような関係を築き上げることができるでしょう。
平野 泰嗣(マネーガイド)

最終更新:9月24日(月)11時30分

あるじゃん(All About マネー)

 

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