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「ナッツを食べるほど寿命が延びる」ハーバード教授が衝撃報告

9月21日(金)6時00分配信 ダイヤモンド・オンライン

写真:ダイヤモンド・オンライン
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 テレビからネットに雑誌、書籍まで、世の中にはまことしやかな「健康情報」が、日々次から次に流れている。コレを食べると「やせる」「血液さらさらになる」などとテレビで放送されると、翌日にはスーパーからその食品が消えるといったことが繰り返されている。
だが、実際にはその情報の信頼度はバラバラで、何の科学的証拠もないものが「とても健康にいい」と喧伝されていることも少なくない。
では、いったい何を信じればいいのかと思ってしまう人も多いのではないだろうか。
そこで、ハーバードメディカルスクールの教授であり医師としても活躍する著者が、信頼性の高い膨大な研究の網羅的な分析によって明らかになったことを集め、「これだけは間違いなく『いい』と断言できる」という食物・習慣を抽出した。その内容を一冊にまとめたのが『ハーバード医学教授が教える健康の正解』だ。ここでは同書からナッツについて論じた部分を特別に一部を公開する。

● 多く食べるほど「寿命」が長くなる

 いまやさまざまな研究者が、ナッツとがんとの関連性を調べ始めている。たとえばピスタチオが肺がん予防に何らかの効果があることが、動物実験で確認されている。

 実際、全体として見れば、ナッツ摂取に寿命を延ばす効果があることを、多くのエビデンスが示しているように思われる。

 ダナ・ファーバーがん研究所がブリガム・アンド・ウィメンズ病院およびハーバード大学公衆衛生大学院と共同で行い、『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン』で発表した研究では、1つかみのナッツを定期的に食べる人は、まったく食べない人に比べて、30年間の全死因死亡率が20%低かった。

 この特大規模の研究は、アメリカ国立衛生研究所とナッツ業界から資金提供を受けて行われたもので、看護師健康調査の女性7万6464人から30年かけて収集されたデータと、医療従事者追跡調査の男性4万2498人から24年間で得られたデータを分析した。

 その結果、「すべての分析で、ナッツの摂取量が多い人ほど、30年間の追跡期間中の死亡率が低かった」と、論文の筆頭著者であるブリガム・アンド・ウィメンズ病院のイン・バオは述べている。

 ナッツを週1回未満しか食べない人でも、まったく食べない人に比べれば死亡率は7%低く、毎日食べる人は20%も低かった。がん、心臓疾患、呼吸器疾患による死亡率に大幅な低下が認められたほか、ほぼすべての分類で死亡率は低かった。

 どの種類のナッツを食べるかは問題ではないようだった。種類によらず、ナッツを食べる人は寿命がより長く、また食べる量が多いほど寿命は長かった。バオが認める通り、なぜそうなるのかはまだ解明されていない。「正確な生物学的メカニズムは、現時点ではわかっていない」

 それ以前の研究でも、同様の結論が出ていた。

 ロマ・リンダ大学によるセブンスデー・アドベンチスト研究は、当初の心臓研究の継続研究として、男女3万4192人を12年にわたり追跡した。2001年に『アーカイブズ・オブ・インターナル・メディシン』に発表された結果は、ナッツの常食には平均余命を1.5~2.5年延ばす効果があったと結論づけている。
● ナッツを食べるとやせる

 具体的に、ナッツのどの成分に健康効果があるのかはまだ特定されていないが、ナッツに関する最も意外な発見といえばもちろん、減量や体重維持に役立つというものだろう。

 ナッツの食べ過ぎは太るというのが、長年の通説だった。

 カシューナッツ1粒は約8~9キロカロリー、アーモンドは7キロカロリー、ピスタチオは3キロカロリーだ。実際、カロリーが高く太りそうだからという理由で、ナッツの常食を避ける人も多い。

 だがうれしいことにいまでは多くの研究が、ナッツのせいで体重が増えることはほとんどないとしている。

 2013年のスペインの31件のナッツ摂取に関する研究のメタアナリシスでは、参加者の大半がほとんどまたはまったく体重が増えず、「健康的でバランスのとれた食事にナッツを加えることで、インスリンを安定させ、空腹を抑えることができる」と報告された。

 食事の一部をナッツに置き換えた参加者は、体重が平均約635グラム減り、ウエストは約1.3センチ細くなった。

 栄養学分野の専門誌『アメリカン・ジャーナル・オブ・クリニカル・ニュートリション』に掲載されたこの研究は、「これらの効果は大きさこそ控えめだが、この結果によりナッツの摂取が肥満を促すという不安は払拭された」と結論づけた。

 ナバラ大学医学部の予防医学・公衆衛生学科によって行われ、2007年に肥満医学の専門誌『オベシティ』に掲載された、同じくスペインの研究は、8865人を28ヵ月間追跡した結果、ナッツを週2回以上食べた人は、ナッツを食べなかった人に比べて、体重が増加する確率が31%低く、また体重が増加した人だけを比較しても、週2回以上食べた人は食べなかった人に比べて、増加幅は約半分だった。

 パデュー大学食品栄養学教授リチャード・マテス博士は、ナッツの栄養価を10年以上研究している。博士は栄養学の専門誌『ジャーナル・オブ・アメリカン・カレッジ・オブ・ニュートリション』に掲載された2003年の研究「ピーナッツ摂取が心血管リスクの指標を改善する」で、健康的な成人15人を対象に、30週にわたり3段階の試験を行った。

 第1段階では、参加者は1日の食事のうち500キロカロリー分の脂肪を500キロカロリー分のピーナッツに置き換えた。第2段階では、食事はふだんと変えずに、500キロカロリー分のピーナッツを追加した。第3段階では、各自が好きな方法で食事にピーナッツを取り入れた。

 結果、どの段階でも心臓疾患の重要な危険因子であるトリグリセリド値の有意な低下(最大で24%減)が見られた。また同じくらい興味深いことに、「1日500キロカロリーのピーナッツを8週間追加しても、体重の有意な変化は認められなかった」とマテス教授は述べている。
● アーモンドで「体重の調整」ができる

 10年後にマテス教授が臨床栄養学の専門誌『ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・クリニカル・ニュートリション』で発表した同様の研究は、2型糖尿病予備軍の成人137人を、ナッツ・シード類をまったく食べない群から、1日1.5オンス(約43グラム)のアーモンドを1ヵ月間食べた群まで5つの群に分けて追跡した。

 結果、「アーモンドはスナックとして摂取した場合、摂取テスト中に空腹感と食欲を抑える効果もあった。……アーモンドの集中的および長期的摂取は、体重を調整するのに役に立つ」。

 これらの結果は、一見筋が通っていないように思える。脂肪分たっぷりのナッツをよく食べる人の体重が増えず、場合によっては減ることさえあるなんて、なぜそんなことが起こるのだろう?

 ほとんどのナッツは「満腹値」が高い、つまり「食後に満腹感を覚える」ため、食欲を抑える効果があるのかもしれないと、マテス教授は指摘する。

 昔から栄養士が食事の前にナッツを何粒か食べなさいと勧めるのも、このためだ。

 また別の可能性として、ナッツを摂取すると基礎代謝が上がり体内の化学反応が加速するため、エネルギーやカロリーの消費が増えるのも一因かもしれない。

 そのほか、ナッツはきちんと嚙まずに飲み込むことが多いから、カロリーの一部しか吸収されないという説もある。そして最後の点として、ナッツは砂糖たっぷりではないのに満腹感が得られる理想的なスナックだから、ポテトチップスのような太りやすいスナックと置き換えれば、摂取カロリーをかなり抑えられるというメリットもある。

 (本原稿は書籍『ハーバード医学教授が教える健康の正解』からの抜粋です。続きは本書でお楽しみください)
 サンジブ・チョプラ(Sanjiv Chopra)
ハーバードメディカルスクール(ハーバード大学医学部)教授。医師。米国内科学会最高栄誉会員(MACP)。ベス・イスラエル・ディーコネス医療センター(ハーバードメディカルスクール附属病院)肝臓科上級医長。毎年150ヵ国8万人の医師を教える、世界で最も学術的に優れた医師生涯教育プログラムである、ハーバードメディカルスクール生涯教育部門の部長を12年間務める。医療現場での臨床判断のツールとして世界60万人以上の医師によって利用されているインターネット上の電子教科書「UpToDate」の肝臓病セクションの編集責任者も務める。ハーバードメディカルスクール優秀教育者賞、ロバート・S・ストーン賞(ベス・イスラエル・ディーコネス医療センターで医師、スタッフ、学生により選出)、米国消化器病学会優秀教育者賞、エリス島名誉勲章など多数の賞を受賞している。

 デビッド・フィッシャー(David Fisher)
著述家。15冊以上のニューヨークタイムズベストセラーの著書を持つ。

 櫻井祐子(さくらい・ゆうこ):訳者
翻訳家。京都大学経済学部卒、オックスフォード大学大学院で経営学修士号を取得。訳書に『CRISPR 究極の遺伝子編集技術の発見』『選択の科学』(ともに文藝春秋)、『OPTION B 逆境、レジリエンス、そして喜び』(日本経済新聞出版社)、『イノベーション・オブ・ライフ』(翔泳社)、『第五の権力』『0ベース思考』『SPRINT最速仕事術』(いずれもダイヤモンド社)など。
サンジブ・チョプラ/デビッド・フィッシャー/櫻井祐子

最終更新:9月21日(金)11時10分

ダイヤモンド・オンライン

 

情報提供元(外部サイト)

週刊ダイヤモンド

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