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32歳独身男性、貯蓄800万円。老後のお金を準備したい

9月12日(水)22時20分配信 あるじゃん(All About マネー)

◆自前で老後資金、どうすれば準備できますか?

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回の相談者は、老後資金について悩む32歳の独身男性。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんが担当します
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皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回の相談者は、老後資金について悩む32歳の独身男性。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんが担当します
皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回の相談者は、老後に悩む32歳の独身男性。はたして、老後資金はどうすれば……。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんが担当します。

▼相談者

Yさん
男性/会社員(病院事務)/32歳
奈良県/実家(一戸建て)

▼家族構成

父(58歳/病気療養のため休職中)、母(58歳/公務員)、祖母(82歳)

▼相談内容

今後年収が減ることはあっても増えることがなさそうな32歳独身です。年金もあてにならないようなので、独身前提での老後資金はどのように準備したらいいでしょうか?

▼家計収支データ

Yさんの家計収支データ
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Yさんの家計収支データ


▼家計収支データ補足

(1)パートについて
今年になって開始(他病院の当直事務/1年契約の1年更新)。それまでは赤字家計だった。

(2)ボーナスの使いみち
昨年までは生活費の赤字補てん、今年は、夏の分は旅行に使ってしまった。冬は貯蓄の予定。

(3)「保険料19万1000円」について
・本人/変額定期外貨建て生命保険(死亡保障は時価額の105%もしくは支払った保険料の高い方、現在3万5000米ドル)=16万7400円(※保険料1350米ドル1米ドル=124円で換算。2018年より毎月1000米ドルに減額予定)
・本人/変額終身保険(死亡保障1000万円、55歳支払い終了)=保険料1万3300円
・本人/医療保険(終身保障、死亡100万円、入院1万円、先進医療特約、55歳支払い終了)=保険料8284円
・本人/がん保険(終身保障終身払い、入院1万円)=保険料2263円

(4)結婚について
縁があればしたいが、現状の収入では無理とのこと。また、そのための具体的な行動(婚活)もしていない。

(5)実家について
兄弟がいないため、本人が実家を継ぐことに。現在築7年で、しばらくリフォーム等の必要はなし。

▼FP深野康彦からの3つのアドバイス

アドバイス1 老後資金づくりは確定拠出年金に絞る
アドバイス2 保険料を支払うためにバイトは不自然
アドバイス3 結婚をすればダブルインカムで乗り切れる

◆アドバイス1 老後資金づくりは確定拠出年金に絞る

老後資金の準備ということですが、確かに老後までまだ時間はタップリあります。また、独身で実家住まいですから、収入の多くが余裕資金になるでしょう。とは言え、投資額が貯蓄額の25倍というのはあまりにも投資比率が高過ぎます。

投資は当然ながらリスクをともないます。今は余裕資金であってもいずれ使いみちが決まってくるはずです。しかし、必要なときに必ずしも利益が出ているとは限りません。また、リーマンショックのような大きな下落が再び起こる可能性も否定できません。そういったことへのリスクヘッジとして、現在利益の出ているものを徐々に売却し、現金化しておくべきでしょう。目安として現時点で400万~500万円は現金で持っていたいところです。

また、投資目的を老後資金づくりとするならば、確定拠出年金を始めることを勧めます。毎月の掛け金が全額所得控除され、また投資信託の分配金等が非課税といった税制優遇のメリットもあります。60歳まで解約できないという点も、逆に老後資金と明確に位置づけできます。勤務先でその制度(企業型)がなければ個人型で行うことも可能です。

◆アドバイス2 保険料を支払うためにバイトは不自然

Yさんの家計の大きな特徴は、保険料支出が19万円にも達しているとこと。この金額は手取り月収の約60%にもなります。今年になってバイトを始めたのも、赤字家計だからという理由ですが、正しくは保険料を払うためにしていることになります。これは、どうにも不自然でおかしな話です。

保険料の大半は外貨建ての終身保険に掛けているものです。当然ですが、現時点で死亡保障を取る必要はありません。また、貯蓄性を求めたものだとすれば、予定利率は高いでしょうが、それでも保険料の一部はコストとして差し引かれています。効率で考えれば、貯蓄商品で増やした方が無駄がない(預けた金額が全額貯蓄となっていく)のです。さらに言えば、外貨建てですから、為替差益もありますが、為替差損というリスクもあります。その意味で、投資をしているのと環境としては同じです。

この保険に関しては、すぐに払済保険にして今後、保険料の支払いをやめる。結果、日本円にして毎月16万~17万円が浮きますから、その一部(できれば限度額いっばい)を確定拠出年金の積立金に充て、残りをしっかり定期預金で貯めてください。この方が、お金の流れとその目的が明確で、かつ合理的です。

(※)保険会社または商品によっては、掛けた年数などによって「払済保険にできない」規定を設けている場合があります。

◆アドバイス3 結婚をすればダブルインカムで乗り切れる

もうひとつ、気になることがあります。結婚について「縁があればしたいが現状の収入では無理」と言われていますが、はたしてそうでしょうか。パート収入を含めず、手取りで年収340万円ほど。年齢から考えて、決して低いとは思いません。しかも、結果的に保険商品で積立貯蓄をしているわけですから、実家住まいという恩恵はありますが、実際はかなりの黒字家計で回っているのです。

また、今は共働きがほぼ当たり前の時代です。結婚すれば、逆に生活費を効率よく使えるので、子どもが生まれるまでかなりのペースで貯蓄できるはずです。そこで貯蓄が一段と増えれば、家計的に苦しくなる出産~保育園・幼稚園時代も慌てず過ごせ、小学校入学からまた貯蓄ペースが上がります。家族のライフプランを十分組むことができるのです。

もちろん、縁があってのことでしょうが、老後対策は確定拠出年金に任せ、より手前のこと(結婚、子どもなど)にお金を活かしてみてはどうでしょうか。

教えてくれたのは……
深野 康彦さん

業界歴26年目のベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金周り全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。

取材・文/清水京武 
あるじゃん 編集部

最終更新:9月12日(水)22時20分

あるじゃん(All About マネー)

 

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