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もうピークは過ぎたのか? J-REITの展望と今だから注目すべき推奨銘柄とは?

9月3日(月)15時40分配信 HARBOR BUSINESS Online

(ハーバー・ビジネス・オンライン)
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「東京五輪後も大丈夫?」「不動産価格は今がもうピークでは?」……。過去最高水準の配当が相次ぎ、空前の業績好調が続く「J︲REIT」だが、その将来性はいかに? 今後の展望から注目の推奨銘柄までを専門家たちに聞いた!

◆平均4%超の利回り銘柄が続出! 高利回りが期待できる[お宝REIT]6選

「J-REITの業績は昨年後半頃から絶好調。全60銘柄の約4割が直近で過去最高水準の分配金を出しており、平均利回りは4.3%に達しています」

 そう話すのは、J-REITに詳しいアイビー総研の関大介氏。「JREITは投資家から集めた資金でオフィスビルや商業施設、マンションなどの不動産を購入し、その賃貸収入を投資家に分配する金融商品。配当可能利益の90%以上を分配すれば、課税されないというメリットがあるため、より多くの収益を投資家に分配できるという利点があります」

 ’18年は年初から日経平均株価の値動きがいまひとつであるのに対し、J-REIT全体の値動きを示す「東証REIT指数」は上昇トレンドにある。関氏は、その背景には2つの要因があると指摘する。

「アベノミクスが始まった’13年以降、景気回復と異次元金融緩和により、不動産需給が改善。東京だけでなく大阪や福岡など地方都市でも空室率は過去最低を記録しており、賃料は上昇傾向が続いています。さらに日銀が長期金利を少し上げましたが、J-REITの各銘柄の借り換えはマイナス金利導入前のものが中心。より低い金利で借り換えできるため、支払い利息が減少する動きが続いているのです」

 家賃収入が増える一方で、コストはダウンし、利益が膨らんでいるというわけだ。もっとも、近年の不動産価格は過熱気味で、’20年の東京五輪をピークに下落に転じるという説もまことしやかに囁かれる。そのXデーまで2年を切った今、J-REITに投資して大丈夫なのかは気掛かりなところ。しかし、J-REITアナリストの山崎成人氏はこの種の悲観論を「バカバカしい話」と一蹴する。

「不動産価格はすでにピークを打っており、運用に長けたJ-REITは競争力が落ちてきた物件を高値で売却しています。このまま不動産価格が下がれば、むしろJ-REITにとっては安値で仕込む好機となります。少なくともJ-REITが投資対象とする都心の一等地にある大型オフィスや大規模マンションなどでは、バブル崩壊やリーマン・ショックのような極端な暴落は考えにくいです」

◆安定性なら住宅系 利回り重視ならホテル

 それでは、数あるJ-REIT銘柄の中で、どれに投資すればよいか。関氏は「安定性を重視するなら住宅系」とアドバイスする。

「J-REITは保有不動産の用途ごとに住宅、オフィス、ホテル、流通倉庫などに分けられますが、住宅の家賃はほかの用途に比べて景気の動向に左右されにくい。投資対象の中心となる都市部の中高層賃貸住宅市場は供給がニーズに対して限られているため、’20年以降も安定した需要が見込めます。特にアドバンス・レジデンス投資法人(3269)は、約330億円もの内部留保を持っているため、将来的にも安定した分配が期待できます。保有物件の9割が東京23区であるコンフォリア・レジデンシャル投資法人(3282)なども信頼感のある銘柄です」

 一方、高い利回りや増配を期待するならホテル系だ。

「ホテル系REITの多くは業績によって賃料が変動するので中長期的な安定性に欠けますが、今は外国人観光客の増加で業績が絶好調。平均して4.5%程度と高い利回りを誇っています。森トラスト・ホテルリート投資法人(3478)、ジャパン・ホテル・リート投資法人(8985)なども注目度が高い銘柄です」

 住宅やホテル以外に、オフィスや物流倉庫などを投資対象にするREIT銘柄もあるが、山崎氏は「今は一般の投資家の投資タイミングではない」と警鐘を鳴らす。

「米中貿易摩擦や新興国の経済不安など海外の不確定要素が大きい昨今では、外資系企業も数多く入居するオフィス系はリスクが高い。物流倉庫系の銘柄も割高な状況が続いているので、魅力に欠けます」

 ただし、購入銘柄とともに注意が必要なのが、その売り時と買い時を見誤らないこと。

「現在、東証REIT指数は1750ポイント前後ですが、投資するなら1700ポイントを下回るタイミングを待ちたいところです。さらに利回りが住宅系なら4%、ホテル系なら4.5%に達するまで下落したときが絶好の買いチャンスになります」

 一方、関氏は投資したあとの注意点として「一時的な下落にナーバスにならないことが大切」と購入後の心得を指南。

「J-REITは業績とは関係ない理由で一斉に売られて急落する局面がたびたびあります。過去の値動きを見れば、こうした下落のあとの価格はほぼすべて回復しているので、慌てて安値で売却しないことが何より重要です」

 高額なローンを組んで不動産を買わなくても、少額で始められるREITで、夢の「家賃生活」をスタートすることはできるのだ。

《厳選[お宝REIT]はこれだ!》

※データは8月22日時点

★住宅系

アドバンス・レジデンス投資法人[3269]

分配利回り  3.66%

最低投資金額 28万6500円

保有資産は4400億円と日本最大規模を誇る住居特化型REIT。スポンサーは伊藤忠グループ。「財務状態の信頼性が数あるREITの中でも抜群。330億円近い内部留保を持っており、今後も安定した分配金が期待できます」(関氏)

コンフォリア・レジデンシャル投資法人[3282]

分配利回り  3.72%

最低投資金額 28万6500円

東急不動産をスポンサーとする住居特化型REIT。投資対象不動産の9 割以上を東京23区エリアが占めており、6割以上が最寄り駅から5分以内の好アクセスの賃貸物件。「物件の稼働率も極めて高い水準にある点が心強い」(関氏)

日本アコモデーションファンド投資法人[3226]

分配利回り  3.46%

最低投資金額 51万4000円

投資対象のほとんどが住居だが、規約では一部宿泊施設の投資も可能になっている。地域別でも東京23区とその近郊が9割を占めるなど都市部の不動産が中心。「三井不動産をスポンサーに持っているので、安心感もあります」(関氏)

★ホテル系

森トラスト・ホテルリート投資法人[3478]

分配利回り  4.27%

最低投資金額 14万7500円

「シャングリ・ラ・ホテル東京」など都心のラグジュアリーホテルに主に投資。「もし今後、森トラストが運営する全国のラフォーレホテルズが投資対象に入ってくると、将来的にはさらなる分配金の増加も期待できそうです」(関氏)

ジャパン・ホテル・リート投資法人[8985]

分配利回り  4.55%

最低投資金額 8万4500円

「ヒルトン東京ベイ」「ホリデイ・イン大阪難波」など44物件に投資する日本最大のホテル特化型REIT。「運用能力が高く、分配金も安定しているが、できれば利回りが4.5%に達するのを待って投資したいところです」(山崎氏)

星野リゾート・リート投資法人[3287]

分配利回り  4.57%

最低投資金額 56万1000円

ホテルの開発・運営、再生事業にも強みを持つ星野リゾートグループを中心に投資。「『カンデオホテルズ』『チサンイン』など、競合他社と差別化できるビジネスモデルやブランド力を持つと評価する宿泊施設に投資しています」(関氏)

【関 大介氏】

アイビー総研代表取締役。不動産投信情報ポータル「JAPAN REIT」(http://www.japan-reit.com/)を運営。不動産投資商品の市場分析や講演、執筆などを手がける

【山崎成人氏】

J -REITアナリスト。三菱開発、三菱商事、三菱地所住宅販売、ダイヤコミュニティーなどを経て独立。J︲REIT情報サイト「REIT DATA」(http://www.reit-data.com/)を主宰

取材・文/森田悦子
ハーバー・ビジネス・オンライン

最終更新:9月3日(月)15時40分

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