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通貨暴落を招いたトルコのスタンス、変わらない限り不安定な相場続く?

8月22日(水)9時00分配信 THE PAGE

 トルコリラの急落をめぐる市場の不安が収まりません。トルコは経済そのものは比較的堅調といわれてきましたが、なぜ、このような通貨下落に見舞われているのでしょうか。
トルコ経済混乱 通貨急落で先行き不透明(写真:ロイター/アフロ)
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トルコ経済混乱 通貨急落で先行き不透明(写真:ロイター/アフロ)
 トルコの通貨であるリラは7月まで、1トルコリラ=24円前後で推移していましたが、8月に入って急落。一時は1トルコリラ=16円台まで下落しました。とりあえず下落には歯止めがかかったように見えますが、市場はトルコ政府が抜本的な対策を講じていないと評価しており、すぐに相場が安定するという状況にはなっていません。

 暴落の直接的な原因は、拘束中の米国人牧師の釈放をめぐる米国との政治的対立ですが、これはあくまできっかけに過ぎません。今回、同国の通貨が下落した最大の理由は、中央銀行の独立性が失われたことと、対外債務の大きさでしょう。

 トルコの経済は比較的堅調ですが、インフレ率は高めに推移してきました。本来であれば、金利を引き上げることでインフレを抑制する必要がありますが、強権的な政治運営を行うエルドアン政権が、景気対策から金利の引き上げを望みませんでした。当初、トルコの中央銀行はエルドアン政権を忖度しつつ、市場メカニズムを考えた上で金利の引き上げを画策していましたが、エルドアン氏が憲法改正を強行し、強大な権力を持つ大統領に自ら就任したことで状況が大きく変わりました。エルドアン氏が身近な人物を財務大臣に据えたことで、市場は中央銀行が独立性を失ったと判断。これがトルコリラの売りにつながった可能性が高いと考えられます。

 トルコ経済は基本的に内需主導で輸出産業が少ないという特徴がありますから、経済活動に必要となる資金の多くを海外から調達しています。

 米国はすでに量的緩和策を終了し、金利は上昇フェーズに入っています。米国債がそれなりの金利で運用できるのであれば、わざわざリスクの高い新興国の債券で運用する必然性はありません。このため、新興国から米国に資金が逆流するとの指摘があり、対外債務比率が高い国はその影響を受けやすいとされてきました。

 こうした状況に、エルドアン政権の強権的な政治運営への不安などが重なり、トルコリラが最初のターゲットとなってしまったようです。エルドアン大統領は、米国を強く批判していますが、金利の引き上げには否定的です。こうしたトルコのスタンスが変わらない限り、トルコリラの不安定な相場は続くことになりそうです。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:10月1日(月)14時49分

THE PAGE

 

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