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トランプショックでもパニックでもない!米ドル/円は115円台への上昇も狙える!

7月22日(日)0時11分配信 ザイFX!

■トランプ大統領の米ドル高けん制発言が出たが影響は限定的

 米ドル高トレンドが継続される中、トランプ氏の米ドル高けん制発言が出た。当然のように、米ドル高の一服につながり、米ドル/円も反落してきたが、現執筆時点までの値動きを見る限り、その影響は限定的である。

 一方、トランプ米大統領はFRB(米連邦準備制度理事会)の利上げ政策もけん制しており、中国人民元安へ強い不満を表明していたから、問題は単純ではなく、これから市場の反応を見極めるのが大事であろう。

 換言すれば、市場参加者たちの多くはトランプ氏の発言を消化するのに時間がかかり、目先、性急な判断を下さないほうがよいと考える人が多いことも推測される。

■「フォールス・ブレイクアウト」のサインが点灯した可能性

ドルインデックス 日足 (出所:Bloomberg)
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ドルインデックス 日足 (出所:Bloomberg)
 ドルインデックスの日足を見ると、昨日(7月19日)はいったん高値更新を果たしてから反落。辛うじて陽線引けを保ったものの、「上ヒゲ」の長いローソク足となった。

 この高値更新は6月21日(木)、28日(木)の高値(これらはダブルトップの高値でもあった)に対する更新であっただけに、昨日(7月19日)の上方突破が失敗に終わったということは、結果として、「フォールス・ブレイクアウト」のサインが点灯した可能性がある。

 「フォールス」とは「ダマシ」ということを意味するから、ブレイクアウト自体がダマシであれば、トランプ氏の発言をきっかけにして米ドル高のトレンドがいったん終焉し、反落してくるリスクが高まるだろう。

■ショックやパニックではなく、むしろ、米ドルの底堅さを暗示

米ドル/円 日足
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米ドル/円 日足
 このようなリスクは排除できないものの、筆者はそういった見方に現時点では懐疑的だ。言い換えれば、トランプ氏の発言はあくまでスピードを押さえただけで、米ドル高基調は修正されないと筆者は思う。

 トランプ氏が米大統領として米ドル高をけん制すること自体は問題ないが、FRB政策に対する「文句」を公の場で言ったのは明らかにルール違反だ。少なくとも中銀の独立性が重視される先進国では異例で、米国大統領としては著しく品位に欠ける発言だった。中国人民元の大幅安に苛立ちすぎたせいもあったと思うが、失言であったに違いない。

 それでもマーケットが動揺したかと聞かれると、筆者はノーだと思う。

 一般論として、世界No.1の米国大統領が新興国のリーダー(たとえばトルコ大統領)のように中央銀行の政策に公然と文句を言い始めたら一大事だ。それなら株、通貨、債券市場のトリプル安をもたらしてもおかしくなかったが、今回はそのような急落がみられなかった。

 また、米ドル全体は反落してきたものの、なお高値圏の変動に留まり、米ドル/円に至っては112円台を維持しているから、ショックとかパニックとかの状況にほど遠いばかりか、むしろ、米ドルの底堅さが暗示されているかと思う。

■トランプ氏の発言を今、市場関係者は鵜呑みにしていない

 それに関しては、米大統領云々よりトランプ氏だからこそ、マーケットがその発言を「深刻」に受け取れず、また、消化するのに時間がかかることが主な原因ではないかと思う。

 言ってみれば、トランプ氏は米大統領に選出されて以来、ほぼ一貫してサプライズ的な発言を繰り返してきたから、今さら氏の言葉に一々反応したり、また、一々サプライズとして受け取る市場関係者がいないのだろう。

 トランプ氏の発言はその場しのぎ、かつ感情的な要素が多かっただけに、市場もすぐ鵜呑みにするのではなく、時間をかけて検証していく習性ができていると思う。要するに、トランプ氏だからこそ「許される」し、また、トランプ氏だからこそサプライズを感じないのである。

 この意味において、マーケットにおける極めて限定的な値動き自体も大きなヒントになるだろう。動揺しない市場はトレンドを修正していくよりも、トレンドを継続させる確率が高いから、前記ドルインデックスの日足における「フォールス・ブレイクアウト」の疑いも近々解消されるのではないかとみる。

■ドルインデックスの日足に示された重要ポイントとは?

ドルインデックス 日足 (出所:Bloomberg)
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ドルインデックス 日足 (出所:Bloomberg)
ドルインデックス 日足 (出所:Bloomberg)
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ドルインデックス 日足 (出所:Bloomberg)
ドルインデックス 日足 (出所:Bloomberg)
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ドルインデックス 日足 (出所:Bloomberg)
 改めてドルインデックスの日足を見ると、いくつかのポイントが重要で、トレンドの継続を支える根拠になるから、指摘しておきたい。

 まず、6月14日(木)安値から大型トライアングル型保ち合いが形成されてきたが、すでにいったん上放れを果たしていること。

 次に、7月9日(月)安値を「ヘッド」と見なし、6月26日(火)安値と7月17日(火)安値を「ショルダーズ」と見なした場合、「ヘッド&ショルダーズ・ボトム」(三尊底)というフォーメーションが確認され、そのネックラインも前記トライアングルの上限ラインと合致しているから、こちらも上放れが確認済であった。

 最後に、筆者が繰り返し強調してきたように、6月14日(木)の大陽線は典型的な強気リバーサルであり、また、サインとして重要だったので、同サインを否定できない限り、米ドル高基調は維持される公算。

 それに加え、7月9日(月)の切り返し、また、7月17日(火)の再度の強気リバーサル点灯も一段と強気変動構造を証左している。したがって、これからも上値トライしやすいとみる。

 トランプ氏の発言があったから目先、再度反落、一見トリプルトップを形成しているようにも見えるが、6月安値を起点として、すべての値動きを整合的にみた場合、「アセンディング・トライアングル」(上昇三角形)といったフォーメーションの形成が推測される。

 この場合はやはり、これから上方突破の可能性が大きく、再度高値更新があれば、上昇加速が見られるだろう。フォーメーションにおける抵抗ゾーンのブレイクが確認されたあとのテクニカル要素に加え、トランプ米大統領の発言があったから同フォーメーションが強化されているところも大きいかと思う。

■再度高値更新があれば、米ドル/円は115円台へ上昇!

英ポンド/米ドル 日足
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英ポンド/米ドル 日足
英ポンド/円 日足
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英ポンド/円 日足
米ドル/円 日足 (出所:Bloomberg)
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米ドル/円 日足 (出所:Bloomberg)
 前回コラムでも強調したように、「巷の理」として「わかりやすい理」は個人投資家に支持されやすく、また、それがいわゆる多くの専門家の論調と合致する場合は市場が往々にして「理外の理」を示す傾向にある。

 そして、今回はまたこのような局面にあるのではないかと思うのだ。トランプ氏が米ドル高けん制をしたから米ドル高が終焉したという「わかりやすい」理屈がまた裏切られる可能性が大きいと思う。

 主要外貨のうち、英ポンド/米ドルの安値更新が外貨安・米ドル高のトレンドをけん引しているとみる。

 米ドル全面高の継続は、往々にしてクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)の押し下げにつながるから、現在の英ポンド/円の反落をその一環と見なすが、安値更新は回避できる見通しだ。

 その理由はほかならぬ、今回の米ドル全面高に米ドル/円が追随しているということにある。このような構造、これからも続くとみるから、米ドルの押し目買いが引き続きおすすめ。再度高値更新があれば、米ドル/円は115円の大台を狙えるだろう。

 市況はいかに。
陳満咲杜の「マーケットをズバリ裏読み」

最終更新:7月22日(日)19時31分

ザイFX!

 

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