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プレゼンで緊張したらこの「魔法の言葉」と「メモ」で切り抜ける

7月12日(木)6時01分配信 ダイヤモンド・オンライン

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 皆さんこんにちは、澤です。

 皆さんは、人の前で話をする時に緊張するほうですか?イベントで人前に立ったり、会議の時に発言したり、講義で先生に指されたりして何かを話すとなった時に、頭が真っ白になって言葉が出てこなくなってしまったという経験をした方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 こういった失敗体験がずっと記憶に残っていて、どうしてもプレゼンや人前での発言が苦手という人はとても多いように感じます。そこで今回は、人前で話す際の「緊張」を克服する方法について、皆さんにお話ししたいと思います。

● 「人前で話す」のが苦手なのは 日本人だけじゃなかった

 「日本人は人前で話すのが苦手」「日本人はプレゼンのトレーニングを受けていないからうまくできない」といった話をよく聞きます。では、海外の人たちはどうなのでしょうか。

 アメリカのチャップマン大学が2014年に行った「アメリカ人が恐れるもの」を尋ねた調査によると、「恐怖症」の2位が「高所恐怖症」、そして1位になったのがなんと「人前で話すこと」でした。プレゼン王国という印象のあるアメリカですが、プレゼン恐怖症になるほど苦手に感じている人が意外にもたくさんいるのです。

 また、デジタルデバイスメーカーのLogitechがTEDと運営するプレゼン動画サイトを見て驚きました。なんと、動画の最初に「多くの人にとって、人前で話すのは死ぬより怖い」というメッセージが流れていたからです。それほど海外の人にとっても、人前に立つのは容易なことではないのでしょう。

 こうした話を聞くだけで、ちょっと気が楽になりませんか?

 ということで、世界中の人が人前で話すことに苦手意識を持っていることを分かっていただけたと思うのですが、それだけで皆さんが人前で話す際に緊張しなくなるわけではないでしょう。

 では、そもそも緊張というものを私たちはどう捉えればよいのでしょうか?私は、緊張することは決して悪いことではないと考えています。むしろ緊張感がなさすぎると、油断したり傲慢になったりして、もっとひどい失敗をする恐れもあります。緊張は忌み嫌うものではなく、うまく付き合っていくことで味方につけることができる大事な反応なのです。
 緊張は危機意識の裏返しでもあります。危機意識を持てば人間は慎重に振る舞えるようになります。慎重さは失敗を避けるためには不可欠なマインドです。緊張しているということは、それだけ失敗の確率が低くなっていると考えれば、緊張そのものは決して悪いものではないわけです。

 世界中の人たちが苦手なプレゼン、そして緊張することは世界中の人々に共通の反応です。ぜひうまく活用して乗り切っていきましょう。

● 緊張してしまった時に取るべき、 具体的なアクションとは?

 実際にステージに上がって話し始めて緊張が高まると、頭が真っ白になって体が硬直して言葉がうまく出てこなくなる…。こんな状態になってしまった場合、どうすればよいでしょうか。

 緊張はルール違反でもマナー無視でもありません。仕方のない自然な反応です。なので、ここは開き直って「私は緊張しています」とカミングアウトしてしまいましょう。

 「そんなことを言ったら、聞いている人は引いてしまうのでは?」と思う方もいるでしょう。でも、実際のところどうでしょう?皆さんは緊張している人を見て「緊張してるだなんて失礼だ!許せない!」とお思いになるでしょうか?

 どちらかというと「あー、分かる。そりゃ緊張するよね」と共感したり「可哀想に、うまく乗り切れるといいなぁ」と同情したりするのが一般的ではないかと思います。ですから、そんな聴衆の感情をうまく活用してしまいましょう。

 「緊張している」とカミングアウトすることで、聴衆との一体感を醸成してしまうのです。そうすれば、プレゼンを進める中で言葉につまずいてしまったたり、言い間違えたりしても「あぁ、緊張しているんだからしょうがないよな」と理解してもらえるわけです。
● 「これだけは言う」という キーワードを事前に用意しておく

 緊張でどうしようもなくなって何も言えなくなっている時は、脳が限界を超えた状態です。そんな状態にもかかわらず、脳内でストーリーを再構築して話し直すのは無理な話です。ということで、あらかじめできる準備をしておくことが大事になります。

 私のおすすめは「絶対に言わなくてはならないことだけを抜き出して手元に書いておく」という方法です。これは文章ではなく、箇条書きで単語や数字、言い切りの形でメモをしておきましょう。「メモ書き」が鉄則です。これは、いわゆる“非常ボタン”のようなものです。非常ボタンは操作が複雑では意味がありません。直感的にすぐ押せるものでなくてはならないのです。

 頭の中で細かくストーリーを再構築しなくても、そのまま口に出せば通じるような言葉を用意しておけば、自分を安心させる効果もあります。「営業利益が昨年比20%アップ」とメモをしておけば、「とにかく今日お伝えしたいのは、昨年に比べて営業利益20%アップということです!」というセリフくらいは出てくるでしょう。

 「実験は失敗、でも新発見があった」と書いておけば、「失敗はしましたが、それよりも新しい発見があったことをお伝えしたいと思います」くらいは言えそうです。

 もし、あまりにも緊張してどうしようもなくなったら、これだけ言っておしまいにしてしまってもいい、と腹を決めてしまいましょう。プレゼンは長くなるよりも早く終わらせてしまったほうが印象ははるかに良いものになります。

 手元にとにかく非常ボタンのようなメモを置いておくというテクニック、ぜひ使ってみてください。

● 聴衆は決して敵ではない 視線を合わせるのが効果的

 プレゼンが苦手という方が緊張する理由として挙げるのが「聴衆の視線が怖い」というものがあります。「聴いている人たちに伝わっているのかな?」「つまらないと思われていないかな?」「いまの言い方は失礼だったりしないかな?」と思って、だんだん聴衆の目を見るのが怖くなってしまう、という負のスパイラルに陥っているのではないかと思います。
 これは、「聴衆に満足してほしい」という意識の裏返しでもあるので素晴らしいことだと思います。そういう人に対して、敵意を持つ人は少ないと思います。みんな味方になってくれるはずです。自分が聴衆になった時、意味もなくステージの上の人に敵意を持ちませんよね?むしろ「どんな話をするんだろう?」と興味を持って聞くことのほうが多いのではないでしょうか。

 そう考えると、聴衆は決して敵対する相手ではありません。緊張しているなら、それを相手に伝えれば、より一層相手は精神的に自分に近づいてくれることでしょう。

 より相手との精神的な距離を縮めるためには、視線を合わせて話すのが効果的です。ただ、この「視線を合わせる」というのが大の苦手という人も多いのではないでしょうか。

 ちなみに、プレゼンの研修などで「聴衆の顔を見るのが怖ければ、自分の顔を見ている相手の、おでこや鼻のあたりを見ればいい」とアドバイスをする人がいますが、私はこれには賛同しません。おでこや鼻のあたりを見て話すと、視線の動きが不自然になったり、目が泳いだりするからです。できるだけ目を見て話ほうが、結果的に説得力が増します。相手が複数いるなら1人当たり1秒程度視線を合わせれば十分です。次の人に視線を動かしていきましょう。

 視線の移動が苦手という話もよく聞くのですが、そういう方におすすめしたいのが、人のある程度いる場所、たとえば電車の中や駅のホームなどで立っている時に、自分のことを見ていない人の顔を順番に見るという練習方法です。そうすることで、人の顔をテンポよく見るという感覚をつかむことができます。

 聴衆は敵ではありません。あなたの立ち居振る舞い次第で、精神的にぐっと近くに来てくれます。ぜひ相手を味方として認識するところから始めてみましょう。

 (日本マイクロソフト マイクロソフトテクノロジーセンター センター長 澤 円)
澤 円

最終更新:7月12日(木)6時01分

ダイヤモンド・オンライン

 

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