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機内食に新型シート…JALとANAのサービス競争最前線

7月12日(木)6時01分配信 ダイヤモンド・オンライン

エアラインのサービスは世界的には簡素化傾向だが、JALとANAは逆。質の向上に競争中だ(写真はANAの機内写真)
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エアラインのサービスは世界的には簡素化傾向だが、JALとANAは逆。質の向上に競争中だ(写真はANAの機内写真)
 この夏、旅行で飛行機を使う人も多いのではないだろうか。せっかく乗るなら、気持ちの良いサービスを受けたいものだ。そんな旅行者の期待に応えようと、JALとANAは路線網の充実に加えて、機内の座席やサービス、空港ラウンジの改良でも火花を散らしている。顧客満足度を上げる最前線を追った。*本記事は『週刊ダイヤモンド』2017年11月4日号『10,000人が選んだベストホテル&エアライン』を再構成したものです。

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 足を踏み入れると、大きな窓からは青色の翼がよく見える──。ANAはこの秋から、著名建築家の隈研吾氏監修の下、主要空港の国内線ラウンジを刷新していく。第1弾の新千歳は、滑走路に面した場所に移転し、面積を2倍に拡張。明るく開放的な空間に生まれ変わらせた。

 ラウンジだけではない。エンジン音が非常に静かなエアバスの新型機A321neoを他社に先駆けて導入。国内線仕様機としてはANAで初めて、全席にシートモニターを付けた。加えてプレミアムクラスの機内食もリニューアル。路線別にメニューを一新し、高級感のある盛り付けに変えた。

 ANAが今、国内線のサービス改革に力を入れるのはずばり、JALの後塵を拝しているからだ。ANAが路線を拡大する間、JALは路線に投資できない分、機内のシートや飲食、空港ラウンジに資金を投じて徹底強化してきた。
● JALもANAも シート開発に注力

 その象徴が黒の本革張りシート。布製に比べて高級感に溢れ、乗客に「JALのシートは上質だ」と印象付ける。足元も広い。

 JALはこのシートを含む国内線のサービスコンセプトを「SKY NEXT」と名付け、人気タレントを起用して大々的に宣伝する。JALが巧みなのは、こうしたサービス全体をブランド化し、シリーズで展開するところだ。

 国際線では「SKY SUITE」と銘打って、シリーズ1~3で異なる形のシートを採用。路線特性に合わせてシートと機材を使い分けている。

 JAL、ANA共ににらむのが次世代機に合わせたシート開発だ。2020年前後に、ANAはボーイングB777-9Xを20機導入予定。JALはエアバスA350シリーズを最大50機ほど導入する。シート開発には最短でも3年はかかる。両者とも目下、新シートの開発を急ピッチで進めている。

 次世代シート開発と並ぶホットな話題が、JALが6月に始めた「国内線全線Wi-Fi無料化」だ。当初は路線や期間限定で無料にしていたこのサービス、口コミで大好評を博しJALは無料化に踏み切った。「機体にアンテナを設置する費用に加えて衛星通信のランニングコストは相当なもの。金があるJALだからできる業だ」と悔しがるANA関係者は多い。

 Wi-Fi無料化は「JAL派でもANA派でもない“浮動票”の獲得につながるのでは」(航空評論家)との声もある。
● エコノミークラスも サービス改善中

 JALもANAも「いちげん客」をどうやってリピーターにするか、腐心している。そのためエコノミークラスの底上げにも本腰を入れ始めている。例えば機内食。ANAはSNSを通じて利用者の人気投票を行い、「客目線」のメニュー開発に生かしている。

 一方、JALは思想が異なる。客が求める「一歩先」を提供しようと、上位クラスでしか提供していなかったシェフとのコラボメニューをエコノミーにも投入する。

 エアラインのサービスは世界的には簡素化傾向にあるが、JALとANAは真逆。質の向上で差別化しようと、しのぎを削っている。
週刊ダイヤモンド編集部

最終更新:7月12日(木)14時55分

ダイヤモンド・オンライン

 

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