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上方修正する銘柄は決まっている!? オススメ銘柄8選

6月25日(月)8時50分配信 HARBOR BUSINESS Online

シアトル・タコマ国際空港への新規就航が見込まれるJAL。控えめな業績予想をする傾向がある
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シアトル・タコマ国際空港への新規就航が見込まれるJAL。控えめな業績予想をする傾向がある
 毎年のように期初予想を上回り、株価が意外高を演じることがある。それらの銘柄には、業績予想や想定為替レートが保守的という共通点がある。好業績企業も想定を上振れしやすい。業績の上方修正が濃厚な銘柄を狙え!

◆今が仕込みどき!? 業績を上方修正する[テッパン銘柄]8選

 島津製作所の株価は昨年4月に1770円だったが、今年5月には3195円をつけ、8割も急騰した。株式ジャーナリストの大神田貴文氏は、「原動力は業績の上方修正だった」と分析する。

「昨年5月に公表した’18年3月期見通しを11月と今年2月に上方修正。決算を終えたら上方修正済みの業績をさらに上回り、この1年間で合計3回も上方修正しました。しかも3回とも売上高、営業利益、純利益のすべてを増額。利益予想を引き上げるたびに『次もありそう』と期待を呼び、株価はほぼ一直線で上昇していったのです」

 株価が大幅上昇するのは成長著しい新興株や小型株だけではなく、成熟しきった大型株も着実な業績の上方修正でこのような大幅高を演じるのだ。では、今期の企業業績はどうか。

「上場企業の発表データを単純集計すると、過去最高益となった前期に対し、今期の純利益は1%程度のマイナスにとどまり、それほど芳しくはありません。トランプ米大統領による保護貿易政策など不透明要因が多く、今期は想定為替レートを106円程度の円高に見積もっているためです。ただし、野村証券の独自分析による業績予想では、同じ1ドル=106円が前提でも、金融を除く主要企業で8.7%の経常増益と会社発表値を上回ります」(大神田氏)

 今年も1Q決算発表が本格化する7月下旬頃から、業績の好調さが確認されれば上方修正候補の銘柄に買いが集まってきそうだ。まさに今が仕込みどきなのだが、どんな銘柄が狙い目なのか。

◆業績と為替レートが保守的な企業が狙い目

「年度途中で業績予想を上方修正する会社には、パターンがあります。一つは、いつも保守的な予想を出してくる企業です」(同)

 株主重視の株価対策が求められる昨今、強気予想を出して、あとから下方修正するのは株主から批判が殺到し許されない。一時的には株価が軟調になる局面もあるが、堅実な企業ほど控えめな業績予想を出し、あとから上方修正を繰り返す傾向がある。

「京王電鉄は、ほぼ毎年のように業績が期初見通しを上回っています。鉄道を柱に沿線の百貨店・スーパーなど小売業を展開し、良くも悪くも業績変化の少ない地味な業態で、社風は堅実そのもの。最近はホテル事業に進出するなど成長重視に舵を切っており、今期も会社計画比でプラスの利益が見込まれます」

 また、日本株市場では為替が企業業績に与える影響は大きい。大神田氏は、「想定為替レートを保守的に見積もる企業も上方修正の常連」と続ける。

「三菱電機は今期、ライバルの日立製作所よりもドル、ユーロともに5円の円高を前提に業績予想を算出しました。東芝が事実上解体されて競争の列から脱落しただけに、総合電機最強の収益力となった三菱電機株に機関投資家マネーが集中し、株価は一段と上がりやすくなりそうです」

 ワケありなのは日本航空(JAL)。経営破綻から政府の指導下で再上場を果たし、実は業績は絶好調なのだ。

「’17年度は経営破綻前も含めて初めて、年3回もボーナスを支給したほど。決算発表でも、記者が『最高益更新ですか?』と質問してようやく認めるなど、とにかく好業績を隠したがります。5月に示された今期業績見通しでは、かなり控えめな為替レートを想定していますが、搭乗客数も搭乗率も高水準で推移し今期も最高益更新が有望視されています」(同)

 さらに’19年には北米西海岸の新規都市への就航が予定されていて、株価には追い風だ。現在、北米西海岸に就航しているのは、ロサンゼルス、サンフランシスコ、サンディエゴの3都市。これ以外で渡航需要があるシアトルが新たな路線になると見られている。

◆今から1Q決算時期が絶好の仕込みどき!

 人気ブロガーで億り人のまつのすけ氏は「会社予想を上回る好業績企業にも注目したい」と話す。

「シーティーエスは、建設現場の作業員、技術者をITやIoTを使って支援する建設ICTの専門企業。建設業界は人材不足が叫ばれていて、シーティーエスのような会社の需要は高く、業績は好調そのもの。チャートもうなぎ上りです。上方修正期待は高いでしょう。また、立川ブラインド工業は12月決算で、1-3月の1Q決算を5月に発表し、3.1%の経常増益でした。1Qの時点で進捗率は通期予想の33.7%、上期予想の66.4%に達しています。ところが、上期予想すらまだ引き上げていません。このままいけば、いずれ上方修正の発表が期待できるでしょう」

 多くの3月期決算企業の1Q決算が発表されるのは7月下旬頃。1Qから上方修正が発表されれば理想シナリオだが、もし発表されなくても「今が仕込みどき」と考えればいい。チャンスは、すぐにやってくるはずだ。

《上方修正が期待されるテッパン銘柄》

※株価は6月12日時点

・京王電鉄[東証1部・9008]株価5460円[100株]

本業の鉄道が微増。ホテル事業も堅調に推移し、苦戦が予想される百貨店事業の穴を埋めてお釣りがきそうだ。業績上振れを四半期ごとに小出しに開示する傾向がある。この10年ほどほぼ毎年、期初予想を上回っている

・JAL[東証1部・9201]株価4287円[100株]

前期は2度の上方修正を実施。政府の手を借りて経営再建した手前、期初から派手な増益見通しは出さず、利益上乗せを小出しにする方針を採っているとの見方が強い。今後は北米西海岸路線が新たに就航する予定

・日本製鋼所[東証1部・5631]株価3230円[100株]

火力・原子力向け鋳鍛鋼を手掛ける。リーマンショック後、上方修正が最も多かった企業の一つ。素材メーカーなので、納入先企業の値引き要因をかわすために期初予想を低くしている可能性がありそうだ

・日本バルカー工業[東証1部・7995]株価3450円[100株]

産業用のフッ素樹脂や高機能ゴムなど素材製品のメーカー。薬品漏出防止や真空保持用の密封材料を生産し、半導体製造装置向けが好調。今期は最高益更新の予想だが、増益率は経常利益で4.3%と小さく、上振れ濃厚

・三菱電機[東証1部・6503]株価1559円[100株]

1ドル=100円、1ユーロ=125円の想定為替レートは、日本電産やファナックと並んで最も保守的な水準。日立製作所よりも5円の円高を前提に業績予想を算出。機関投資家が東芝を敬遠するため資金の受け皿になりそう

・東映[東証1部・9605]株価1万1630円[100株]

「ヒット作に恵まれるかどうか」というエンタメ事業特有の不透明な部分が多いため、業績を保守的に予想する傾向がある。が、’12年以降、毎年上方修正を発表。東映アニメーションも超保守的予想を出すことで知られる

・立川ブラインド工業[東証1部・7989]株価1424円[100株]

家庭用・業務用のブラインド、天窓、ファブリック製品などを製造。5月に1Q決算を発表。上期予想に対し66%を超えており、上方修正は必至。創業80周年記念の株主優待でクオカードかアマゾンギフト券がもらえる

・シーティーエス[東証1部・4345]株価1023円[100株]

ITやIoT技術を駆使して建設現場や作業員・技術者を支援する「建設ICT」の専門企業。人手不足の建設業界の恩恵を受けやすい。業績は好調で、上振れ期待も。チャートは上場来高値を突破して青天井に

【大神田貴文氏】

株式ジャーナリスト。国内大手証券会社などを経て現職。マーケット情報に精通しているだけでなく、個別企業の裏情報も知る事情通。金融、経済政策にも強い

【まつのすけ氏】

某運用会社で働く会社員。投資全般、IPO、株主優待、保険、クレジットカード、ふるさと納税などについて発信するブログ「The Goal」が人気

取材・文/上方修正取材班
ハーバー・ビジネス・オンライン

最終更新:6月25日(月)8時50分

HARBOR BUSINESS Online

 

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