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週間為替展望(ドル/ユーロ)-米中報復関税合戦に要警戒

6月23日(土)11時01分配信 トレーダーズ・ウェブ

◆ドル円は伸び悩むか、米中報復関税合戦が日米貿易不均衡是正へ波及か
◆米国の5月のインフレ率にも要注目
◆ユーロは下落か、イタリア・ドイツ政局への懸念が材料
(為替情報部・山下政比呂)

予想レンジ
ドル円 106.00-111.00円
ユーロドル 1.1200-1.1700ドル

6月25日週の展望
 ドル円は伸び悩む展開か。米中報復関税合戦が激化しつつあり、7月に予定されているライトハイザー米通商代表部代表と茂木経済財政相による日米通商協議を前に、日米貿易不均衡是正圧力への警戒感が強まっている。米国からみて日本は第3 位の貿易赤字相手国であり、米財務省の4月の為替報告書では日本は監視対象先に指定されており、円はこれまでの「実質実効レート」だけではなく、「名目レート」でも円安水準と指摘されている。米大統領経済報告では「日本の自動車業界は閉鎖的」と指摘されており、自動車輸入関税の発動が示唆されている。日本が米国に対して環太平洋経済連携協定(TPP)復帰を求めているのに対して、米国は日米二国間協議に固執している。日本は、鉄鋼・アルミニウムの輸入制限に関して、一部の鉄鋼製品では適用を免除されたものの、11月の米議会中間選挙に向けたトランプ政権の保護貿易主義を背景とした貿易不均衡是正圧力が強まることへの警戒感が、ドル円の上値を抑える構図となっている。
 29日に5月の米個人消費支出(PCE)価格指数が発表される。米連邦準備理事会(FRB)がインフレの指標として採用しており、4月の前年比+2.0%から上昇するのか注目される。6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)声明では、中立的な金利水準への言及が削除されたものの、パウエルFRB議長は記者会見で「政策金利はなお緩和的であり、中立金利の予測中央値より100bp低い可能性がある」と述べている。
 ユーロドルは軟調推移か。欧州中央銀行(ECB)の利上げ開始は2019年夏以降となる。ノボトニー・オーストリア中銀総裁が「ユーロドルは欧米の金融政策の差で下落」と発言した通りとなることが予想される。ドイツの政権内部では、難民問題を巡り、メルケル首相とゼーホーファー内相の対立が強まっており、メルケル首相は、今月末の欧州連合(EU)首脳会議を目処に解決策を打ち出すと表明している。イタリア新政権は、上院財務委員会と下院予算委員会の委員長にユーロ懐疑派の議員を任命したことで、欧州委員会との財政均衡化目標を巡る確執が警戒されつつある。
 ユーロ円は、朝鮮半島を巡る地政学リスクの後退は買い要因だが、ECBの金利変更が2019年9月以降とされたことで米国と欧州、日本との通商摩擦への警戒感が上値を抑える展開か。

6月18日週の回顧
 ドル円は、米中報復関税合戦による貿易戦争勃発への警戒感から109.55円まで下落した。しかし、パウエルFRB議長が「緩やかな利上げを継続する根拠が強い。政策金利は依然として緩和的」とタカ派的な見解を表明し、米国の鉄鋼輸入関税の一部適用除外国に日本が選ばれたことで110.76円まで反発した。ユーロドルは、イタリア新政権の上院財務委員会と下院予算委員会の委員長にユーロ懐疑派の議員が任命されたことで、1.1645ドルから1.1509ドルまで下落した。ユーロ円も、128.52円から126.65円まで下落した。(了)
小針

最終更新:6月23日(土)11時01分

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