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あなたは「債務償還年数」を理解していますか?

6月19日(火)23時00分配信 不動産投資の楽待

(写真© Y's harmony-Fotolia)
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(写真© Y's harmony-Fotolia)
こんにちは、サラリーマン大家のTAKAです。今回は「債務償還年数」について、お話ししたいと思います。私の見解ということでお読みいただければと思います。

私も銀行員のころは、融資の稟議を書く際によく債務償還年数を計算していました。私は、法人営業を担当していたのですが、この債務償還年数は、設備資金の融資、工場の新規建設や大きな設備投資の資金の融資の際に必ず計算する指標です。

その時の債務償還年数の考え方としては、例えば工場を新規建設した際に発生する融資を最短で何年で返済できるかという指標であり、毎年の営業でのキャッシュフロー(手残り)をすべて借入金の返済に充てた場合に、何年で融資が返済できるかというコンセプトの指標です。このため、以下のような計算で債務償還年数を計算します。

新規融資額÷(経常利益+減価償却費)

ここでなぜ最終的な利益でなく経常利益を用いるのかというと、経常利益以下の計算では、例えば資産の売却による一時的な利益といった一過性のブレや、利益の額に応じてブレの大きい法人税が含まれるためこのようなブレを排除するために経常利益を用います。

また、なぜ減価償却費をプラスするのかというとこれも婿養子大家さんのコラムに書いてあるように、減価償却費は、あくまで税金を計算する際の仮想の費用のため実際の現金の支出をともないません。

かつ経常利益を算出する際に、減価償却費をマイナスしているのでこれを戻して計算することで、実際の営業活動で得られるキャッシュを分母にするべく経常利益にプラスします。少し分解して説明すると経常利益は、下記のような計算式になります

売上-人件費や物件費などの経費-支払利息-減価償却費=経常利益

計算となっているので、これを実際のキャッシュという観点から組み換え営業でのキャッシュフロー(手残り)

売上-人件費や物件費などの経費-支払利息=経常利益+減価償却費

となります。実際には、新工場が稼働した場合に増えることが見込める利益や減価償却費も加味しますが、上記の実績ベースの経常利益+減価償却費を分母に計算することで、仮に工場が稼働収支トントンだった場合でも最短で何年で融資の返済が可能かということを計算することができます。

さらに毎年のブレを勘案するために、この経常利益+減価償却費は3年程度の平均値を用いたりもします。

このような債務償還年数を、既存の残債を踏まえた経営の安定度を図る指標として置き換えるとすれば、既存の残債を最短で何年で返済できるかというコンセプトにカスタマイズする必要があるかと思います。

残債÷(経常利益+減価償却費)を 残債÷(年間の手残り+元金返済額)にしてみてはどうかと思います。

1.残債 10000万円
2.年間家賃収入 1500万円(利回り15%)
3.年間の元金返済額 500万円(20年の元金均等返済)
4.年間の経費(含む支払い利息) 300万円
5.年間減価償却費 400万円(25年で償却)
6.経常利益 800万円
7.納税額 240万円
8.年間手残り 460万円

○残債÷(経常利益+減価償却費)の場合
10000万円÷(800万円+400万円)=8年

○残債÷(年間の手残り+元金返済額)の場合
10000万円÷(460万円+500万円)=10.4年

このケースでは、経常利益+減価償却費の方が、債務償還年数は短くなります。次は償却を多く(償却期間を短くしたケース)でみていくとこうなります

1.残債 10000万円
2.年間家賃収入 1500万円(利回り15%)
3.年間の元金返済額 500万円(20年の元金均等返済)
4.年間の経費(含む支払い利息) 300万円
5.年間減価償却費 1000万円(10年で償却)
6.経常利益 200万円
7.納税額 60万円
8.年間手残り 640万円

残債÷(経常利益+減価償却費)の場合
10000万円÷(1000万円+200万円)=8年

残債÷(年間の手残り+元金返済額)の場合
10000万円÷(640万円+500万円)=8.7年

納税額が減った分、年間の手残り+元金返済額の債務償還年数が改善しました。次に、償却が終わった場合を想定してみると以下のようになります。便宜的に残債の金額は変えていません。

1.残債 10000万円
2.年間家賃収入 1500万円(利回り15%)
3.年間の元金返済額 500万円(20年の元金均等返済)
4.年間の経費(含む支払い利息) 300万円
5.年間減価償却費 0万円(10年の償却終了)
6.経常利益 1200万円
7.納税額 360万円
8.年間手残り 340万円

残債÷(経常利益+減価償却費)の場合
10000万円÷(1,200万円+0万円)=8年

残債÷(年間の手残り+元金返済額)
10000万円÷(360万円+500万円)=11.6年

減価償却が終わると納税額は増えることから、手残りは減ります。このため、年間の手残り+元金返済額で計算する場合には、債務償還年数が一気に長期化する一方で、経常利益+減価償却費の年数は変わりません。

これらを踏まえると、債務償還年数を計算する場合には、経常利益+減価償却費で計算を行う場合には、減価償却費が減った(なくなった)場合の、納税額への影響が考慮されていない点に注意が必要です。

この点を考慮するために、経常利益+減価償却費+納税額という計算で行うのも良いかもしれませんが、計算の簡易さからいえば、年間の手残り+元金返済額の方が、やりやすいように個人的には感じます。指標を使う時には、それぞれの計算で用いる数値の性質を理解しておくことが大切です。

※上記は、楽待新聞の実践大家コラムニスト、サラリーマン大家のTAKAさんが執筆したコラムです。文章、写真、画像、イラストおよびデータ等上記記事は、執筆者の責任において作成されています。
サラリーマン大家のTAKA

最終更新:6月19日(火)23時00分

不動産投資の楽待

 

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株式会社ファーストロジック

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