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「中立金利」という幻想

6月14日(木)12時26分配信 トレーダーズ・ウェブ

「米連邦準備理事会(FRB)は、金利が中立金利に達した際に困難な議論に直面する」
(カプラン米ダラス連銀総裁)

1.「中立金利」という幻想
 
5月の米連邦公開市場委員会(FOMC)声明では、「一時的にインフレ率が2%を若干上回るのは、FOMCの『対称的なインフレ目標』に合致しており、中長期的なインフレ期待を抑制する上で有益となる可能性がある」、「FF金利は当面、長期的に到達すると見込まれる水準(※中立金利)を下回るレベルで推移する可能性がある。」と言及された。
 しかし、6月13日のFOMC声明では、この『中立金利』に関する文言が削除された。

 黒田日銀総裁が言及している『中立金利』に関する金融当局者の見解は異なるが、2.25%-3.00%%付近にあるというのが一般的な見方である。
 2018年5月25日、カプラン米ダラス連銀総裁は、「FRB当局者は、金利は緩やかに上昇し続ける必要があるとの見解でほぼ一致しているが、金利が『中立金利』に達した際、FRBは困難な議論に直面する」と警告していた。
 ボスティック米アトランタ連銀総裁は、「われわれがいつでも正確に水準を認識でき、これで利上げを止めるべきと言えるという人々の幻想に不安を覚えることがある。しかし、それが事実とは思えない。『中立金利』近辺に達した時にようやく、利上げが行き過ぎたのか、十分でなかったのかを知る手掛かりを得るため、市場で起きていることを認識することになる」と述べている。


2.「タカ派」か「ハト派」か

 6月13日のFOMC声明公表後のニューヨーク外国為替市場は、中立金利に関する文言の削除は、タカ派と解釈され、ドル買い材料とされた。
・FF金利誘導目標が1.75-2.00%に引き上げられた
・2018年通年の利上げ予測は、3回から4回(※年内あと2回)に上方修正された
・パウエルFRB議長が来年から毎回のFOMC後に記者会見を行う意向を示した
・5月声明の「中立金利」文言が削除された

 しかしながら、FOMCが2.00%のインフレ目標を目指して出口戦略に邁進している時、『中立金利』(2.25%と仮定)は、第2の目標だった、と解釈できないだろうか。
 すなわち、インフレ指標である「個人消費支出(PCE)価格指数」は、目標の2.0%に到達しており、FF金利誘導目標も1.75-2.00%まで引き上げたことで、歯止めとしての『中立金利』の役割は終わったからこそ、削除されたのではないだろうか。
 個人的には、中立金利文言の削除は、「ハト派」的に解釈したい。
山下

最終更新:6月14日(木)12時26分

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