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週間為替展望(ドル/ユーロ)-欧米金融政策と米朝首脳会談に注目

6月9日(土)11時01分配信 トレーダーズ・ウェブ

◆ドル円は伸び悩むか、FOMCの追加利上げは織り込み済みで年内利上げ回数に注目
◆米朝首脳会談と日米通商協議も要注意
◆ユーロは伸び悩むか、ECB理事会での資産購入プログラム終了時期が焦点
(為替情報部・山下政比呂)

予想レンジ
ドル円106.00-111.00円
ユーロドル1.1400-1.1900ドル

6月11日週の展望
 ドル円は伸び悩む展開か。12日の米朝首脳会談は北朝鮮を巡る地政学リスクの後退により円安材料となっている。しかし、トランプ大統領は「北朝鮮が核プログラムを放棄しなければ合意はない」と述べており、予断を許さない状況が続く。米国による制裁解除と北朝鮮の非核化に向けた妥協点を模索する中長期的な話し合いの始まりとなることで地政学リスクが後退し、円が売られるというのが楽観的なシナリオ。米国のリビア方式(非核化が先、見返りは後)と北朝鮮の段階的な非核化というかい離により会談が決裂し、地政学リスクが高まって円が買われるというのが悲観的なシナリオである。
 第3回米中通商協議も合意には至らず、トランプ政権は欧州連合(EU)、メキシコ、カナダに対する鉄鋼・アルミニウム輸入関税の発動を決定した。今月予定されているライトハイザー米通商代表部代表と茂木経済財政相による日米通商協議では、自動車輸入関税の導入も示唆されている。日米貿易不均衡是正圧力、すなわち円高圧力が高まる可能性がある。
 米連邦公開市場委員会(FOMC)では、フェデラル・ファンド(FF)金利の1.75-2.00%への引き上げが予想されており、注目ポイントは年内の利上げ回数となる。米連邦準備理事会(FRB)の中立金利水準に接近していること、対称的(symmetric)インフレ目標への言及により、年内1回(今年3回)ならばドル売り材料、年内2回(今年4回)ならばドル買い材料となる。
 ユーロドルは伸び悩むか。14日の欧州中央銀行(ECB)理事会で資産購入プログラムの年内終了が議論されると目されており、ユーロ買い要因となっている。しかし、ドラギECB総裁の母国イタリアで、ユーロ懐疑派のコンテ首相が急進的な政策を実施すると表明したことから、資産購入プログラムの終了時期がオープンとされる可能性もある。イタリアの連立政権が公約通りの財政支出を実施した場合、欧州連合(EU)の財政均衡化ルールに違反することになり、EUとイタリアとの対立が激化する。そうなればユーロ売りは避けられない。五つ星運動党首のディマイオ副首相兼経済発展・労働相は、財政支出に関してEUと再交渉を開始すると述べており、財政規律を巡る交渉が注目される。ユーロ円は、朝鮮半島を巡る地政学リスクの後退は買い要因だが、米国を軸とする欧州、日本との通商摩擦への警戒感が上値を抑える展開か。

6月4日週の回顧
 南欧の政治リスクが後退し、米朝首脳会談に向けて北朝鮮を巡る地政学リスクが後退し、米国の良好な景況感を背景に10年米国債利回りは2.99%まで上昇した。ドル円は109.83円から110.27円まで上昇した。ユーロドルは、コンテ首相がイタリア議会で信任を受けて連立政権が樹立され、次期ECB総裁候補のワイトマン独連銀総裁やプラートECB理事が14日のECB理事会で資産購入プログラムの年内終了が議論されると述べたことで、1.1653ドルから1.1840ドルまで上昇した。ユーロ円も、127.56円から130.28円まで上昇した。(了)

最終更新:6月9日(土)11時01分

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