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株式明日の戦略-外部環境悪化で9週ぶりに反落、リスク警戒モードに突入か

5月25日(金)23時18分配信 トレーダーズ・ウェブ

 25日の日経平均は4日ぶり小幅反発。トランプ大統領は米朝首脳会談の中止を発表。これを受けて米国株は下落し、円高も進んだことから、序盤は売りが優勢となった。しかし、100円超下げたところで押し目買いが入りプラス転換。その後は前日終値近辺でのもみ合いが続いた。前場の動きは荒かったが、後場は様子見姿勢が強まり小動き。プラス圏での時間帯が長かったものの、積極的に買い上がる動きではなく、こう着感が強まった。終盤にかけては上を試す動きも見られたが、22500円が壁となり、小幅高で終えた。業種別では空運、陸運、食料品などが上昇しており、鉱業、海運、鉄鋼などが下落している。1:3の株式分割を発表したニッパンレンタルがストップ高比例配分。反面、証券取引等監視委員会による強制調査を受けたことを発表したソルガム・ジャパン・ホールディングスはストップ安比例配分となった。

 東証1部の騰落銘柄数は値上がり600/値下がり1390と、日経平均は上昇で終えたものの値下がり銘柄は多い。証券会社のリポートを手がかりにキリンHDや日本ケミコンが大幅高。月次好調を受けてスクロールが急伸した。やまねメディカルは定款変更を手がかりにストップ高まで買われた。米朝会談中止を材料に細谷火工や石川製作所など防衛関連株が大幅高となったが、これらは高く寄った後は伸び悩むものが多かった。一方、CB発行を発表したスクリーンや、公募・売り出しを発表したUMCエレクトロニクスが大幅安。月次がさえなかった神戸物産や、優待内容の変更を発表したファルテックなどが売りに押された。自動車輸入関税引き上げへの警戒からトヨタやSUBARUなど自動車株は総じて弱かったが、前日の下げが大きかったマツダに関しては、売り先行から切り返してプラスで終えた。

 日経平均の週間上昇記録は8で止まり、止まった週に一気に下げた。決算発表終盤あたりから、日本株が強いというよりは、外部環境が非常に良いという環境の中で上昇が続いていたが、その外部環境が大きく悪化した。米朝首脳会談という歴史的なイベントの日程が6月12日に決まり、ここまでは地政学リスクは高まらないという期待、また、日米関係が良好であることから、自動車に関して米国は日本に厳しい要求をしてこないという期待、この2つの期待が失望に変わった上に、米国は中国との交渉にも満足していないと伝わり、貿易戦争への警戒が再燃した。これらは来週以降も警戒材料となる。

 ただ、6月のFOMC(6/12~13)を前に、株式市場に調整が入ったことは、中期的視点でみれば、悪くない動きかもしれない。ここから6月FOMCにかけて最も警戒すべき点は、米国の利上げ加速への警戒が強まり、米国で良好な経済指標や企業決算が出てきた際に、株式市場が売りで反応することである。こういった動きになってしまうと、内容の良い銘柄ほど売られやすくなり、株式市場が混乱する。その場合、不安定な地合いが長期化したり、調整幅が大きくなるなど、ネガティブな反応が強く出る可能性がある。このタイミングで改めてリスクが意識されることで、米長期金利の上昇が抑制され、6月FOMCを波乱なく通過できれば、その先は、地合いの改善も期待できる。日本株にとっては、しばらくはこれまでのような外部環境の後押しは期待しづらくなった。そのため、増益や増配を長く続けているような、勝ち組企業を選別する動きが強まると考える。


【来週の見通し】
 弱含みか。国内は月末月初で注目の経済指標があるにはあるが、基本的には今週の下げ材料となった貿易問題や北朝鮮問題に関するニュースに大きく振らされる展開が想定される。日本株に関しては、通商問題への警戒と円安一服が重しとなる。企業業績が決して良いとは言えない中、今週は好業績銘柄を再評価するような動きはそれほど強まらず、仮想通貨関連など材料性の強い銘柄の物色が中心となった。そのため、商いの盛り上がりは期待しづらい。米国の自動車輸入関税引き上げに関しては実現性が薄いとの見方も強く、米朝問題も北朝鮮の出方次第では前進する可能性はあり、悲観一辺倒にはならないだろう。ただし、マーケットの不透明材料が増えたことで、これまでとは逆に、好材料よりも悪材料の方に強い反応が出やすい地合いが続くと予想する。

最終更新:5月25日(金)23時18分

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