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JTはシェア奪回できるのか。加熱式たばこを6月から全国発売

5月12日(土)12時10分配信 投信1

JTが全国販売開始を発表。従来の予定より3か月前倒し

写真:投信1 [トウシンワン]
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写真:投信1 [トウシンワン]
日本たばこ産業(JT)は2018年5月1日、同社の加熱式たばこ「プルーム・テック」を、6月4日から全国発売すると発表しました。6月4日より順次、全国の一部たばこ販売店で販売開始。また、全国のコンビニエンスストアなどでも7月2日より順次、販売開始する予定です。

これまでは需要があるにもかかわらず、供給能力の問題から限定されたエリアでの販売となっていました。今回、製造能力を増強し、製造設備の稼働が安定化してきたことから、当初は9月の予定だった全国販売が3か月前倒しで可能となったそうです。

発表を受けて、2日の東京株式市場では、早期のシェア拡大や業績への寄与を期待して同社の株が買われ、ほぼ1か月ぶりの大幅高となりました。

BAT、JTの全国販売開始でPMIの牙城も危うくなる?

加熱式たばこが日本に登場したのは2014年11月。米フィリップ・モリス・インターナショナル(PMI)が「アイコス」を名古屋市で先行販売し、2016年春からは全国で販売を行うようになりました。

二番手は日本たばこ産業(JT)で、2016年3月に福岡市の一部の店舗とオンラインショップで「プルーム・テック」の販売を開始。2016年12月には英ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)が仙台市内で「グロー」の販売を開始しました。

現在手に入る加熱式たばこは「アイコス」、「プルーム・テック」、「グロー」の3種類です。シェア争いではこれまで、「アイコス」の一人勝ちでした。というのも、全国展開しているのはPMIだけだったからです。

最近ではようやく落ち着いてきましたが、加熱式たばこに興味を持つユーザーが多いにも関わらず各社ともに品薄状態が続いていました。ネットオークションでは2倍以上の価格での転売も見受けられたほどです。

ただしここにきて、PMIの牙城が危うくなっています。2017年10月にはBATが全国発売を開始し、JTも販売地域を拡大してきました。実際に、4月にPMIが発表した2018年1~3月期決算では、「アイコス」の日本での販売が鈍化していることが明らかになりました。

たばこ店やコンビニとのネットワークを活用し、JTが巻き返しを図る可能性も

全国展開ではPMIに出遅れていたJTですが、ここから大きく巻き返しにかかる可能性もあります。たばこ用デバイス「プルーム・テック」の累計販売数量は、2018年4月時点で200万台を突破しています。これは国内の喫煙者の1割以上です。

さらに大きな特色は、JTならではの販売店のネットワークです。6月時点における同社のたばこ販売店の取扱店数は、全国で約2,100店。

また、コンビニエンスストアなどは、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、大阪府、福岡県、札幌市、仙台市、名古屋市、広島市で約26,000店にも達します。7月からはさらに他のエリアのコンビニエンスストアにも広がります。

同社では日本の加熱式たばこ市場で2020年末までに4割のシェア獲得を目指すとしていますが、決して夢の数字ではなさそうです。

ただし、加熱式たばこ市場がここからさらに大きくなるかどうかは疑問です。JTの調査によれば喫煙者数は2016年から2017年までの1年間で約110万人も減っています。また、喫煙者のボリュームゾーンである50歳台以上の人にはなかなか加熱式たばこが受け入れられていないという声もあります。

3社の全国販売が出そろうことで、さらに激しい競争が起こりそうです。
投信1編集部

最終更新:5月12日(土)12時10分

投信1

 

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