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39歳子持ち、貯金20万。夫は事業失敗で借金を抱え…

4月26日(木)22時20分配信 あるじゃん(All About マネー)

◆夫が事業で300万円の借金。貯蓄できない生活から抜け出すには……

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回の相談者は、夫が事業に失敗して借金を抱える30代の会社員女性です。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。
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皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回の相談者は、夫が事業に失敗して借金を抱える30代の会社員女性です。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。
皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回の相談者は、夫が事業に失敗して借金を抱える30代の会社員女性です。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。

※マネープランクリニックに相談したい方はコチラのリンクからご応募ください(相談は無料になります)。
https://sec.allabout.co.jp/post-form/form/22

▼相談者

ランランさん(仮名)
女性/会社員/39歳
関東地方/賃貸住宅

▼家族構成

夫(40代・無職)、子ども2人(6歳・1歳)

▼相談内容

夫が借金300万円を残して、事業に失敗。現在、就職活動中です。たまに単発の仕事が入ることはありますが、ほぼ「専業主夫」状態です。私は先日、育休から復職しました。夫の収入をあてにせず、自分の収入のみで借金返済と子供の教育費と歯科矯正費用(この3年間で100万円)のための貯蓄をしたいのですが、何を削ればいいのかがわかりません。

▼家計収支データ

「ランラン」さんの家計収支データ
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「ランラン」さんの家計収支データ


▼家計収支データ補足

(1)夫の借金ついて
借り入れ先は妻の両親。利子はない。ただし、家の修繕費用を貸してもらったため、実家の修繕費用に資金が必要なため、3年後には完済するよう言われている。

(2)加入保険
[夫]
・共済1(病気死亡400万円、病気入院4500円、がん特約)=保険料3000円
・共済2(3大疾病診断保険金100万円・介護一時金100万円)=保険料780円
[妻]
・医療保険(終身保障、65歳払込終了、入院1万円)=保険料7万8000円(年払い)
・低解約返戻金終身保険(60歳払込終了、死亡保障 200万円 )=保険料4700円
・妻/がん保険(終身保障、65歳払込終了)=保険料1400円
[子ども]
・上の子/子ども共済(個人賠償責任保険・示談交渉つき)=保険料1270円

(3)実家での同居、親からの援助について
実家は遠方のため仕事を辞める必要があり、また山の中なので地元に仕事がないことを考えると、実家での同居は難しい。また、両親とも年金暮らしでギリギリの生活のため、資金援助は不可能。

(4)通信費の内訳
スマートフォン2台保有(通話し放題プラン・データ定額パック)で2万円。スマホ本体の機種代が7000円、インターネット回線3500円。

(5)夫の今後の仕事について
妻としては、また借金の可能性のある自営業ではなく、アルバイトや契約社員など立場は問わず、決まった金額が毎月入ってくる仕事をして欲しいと思っている。また、その場合、借金返済を先に行いたいので、しばらくは生活費への組み入れは考えていない。

▼FP深野康彦からの3つのアドバイス

アドバイス1 家計と借金返済は切り離すべき
アドバイス2 家計管理次第では教育資金は十分間に合う
アドバイス3 避けるべきは無収入の期間が長引くこと

◆アドバイス1 家計と借金返済は切り離すべき

相談拝見しました。ご相談者のランランさんは、ご主人の収入があてにならないということが、この相談の根底にあるかと思います。しかし、こと借金に関しては、ご主人だけの力で返済させるべきです。借り入れた先が奥様の実家で、おそらく、ご両親は無理をして工面されたのだと思います。それだけに、ランランさんが返済を優先したい気持ちはよくわかります。

しかし、そこにご主人の甘えが生まれているのではないでしょうか。ご主人がお子さん2人の面倒や、家事などをすることで、世帯としては助かっている部分はあるでしょう。しかし、それと借金は別の問題です。現に、お子さん2人を抱えて共働きをしいる家庭は無数にあります。

したがって、家計と借金は切り離します。そのためには、1日も早く、ご主人は定期的に稼ぐべきです。就職活動はぜひ続けてほしい(できれば正社員を目指してほしい)と思いますが、同時に週3、4日のアルバイトはできるはず。そして、アルバイトでも頑張れば月5万円程度の収入は得られますから、その中から、借金返済だけでなく、ご主人の国民年金料や共済保険の保険料も支払ってもらいましょう(健康保険はランランさんの扶養になっているなら、そのままで)。

さらに言えば、ご主人のスマホ使用は現状を考えれば「贅沢」と言えます。ガラケーでも十分、社会生活はできます。どちらにしても、その使用料は自分の収入から支払ってもらいます。「スマホはあって当然」という考えで、お子さんたちの大事な生活費を削る必要はありません。もちろん、小遣いも自分の収入からが基本となります。

きびしいこと言うようですが、そのくらいの意識がなければ、今の家計の建て直しは難しいでしょう。ランランさんの「私がすべて背負う」という覚悟は立派です。しかし、無理をした結果困るのは、お子さんたちです。病気等で倒れたれでもしたら、それこそ大変です。ご主人には借金返済してもらい、その後はどんな形でも確実に収入を得て、家計をともに支えてもらう。少なくとも、再び自営業というリスクは取るべきではありません。

◆アドバイス2 家計管理次第では教育資金は十分間に合う

今後、考えなくてはいけないのは借金返済だけではありません。教育資金や老後資金づくりがあります。まず、教育資金ですが、高校まで公立、大学は私立とすれば、高校までの学費は家計から捻出、事前に用意すべきは大学費用となります。進路によってかかる費用は異なりますが、目安として1人400万円。これをどう貯めるかですが、児童手当は絶対に手を付けず、別口座に全額貯めていきます。上のお子さんはすでに6歳ですが、それでも100万円は貯まります。下のお子さんであれば180万円は貯まるでしょう。あとは別途、下のお子さんが18歳になるまで月2万5000円貯めていけば、計800万円が用意できることになります。

現時点の家計収支ですが、先のご主人に関わる費用がなくなれば、それだけで計8万円ですから、実際の生活費は月17万6000円。児童手当を別にしても、毎月7万円は貯蓄できることになります。もちろん、今後、教育費が増え、食費も増えるでしょう。それでも、教育費用に2万5000円、その他の貯蓄に2万5000円できれば、60歳のときに教育資金以外に600万円の貯蓄ができています。あとは、これにどれだけ上乗せできるか。それは、ご主人の収入にもよりますが、借金を完済すれば、それに回していた分を貯蓄することも可能なはず。まとまった老後資金も十分貯められる可能性があるのです。

◆アドバイス3 避けるべきは無収入の期間が長引くこと

住宅資金については、ご夫婦が今後どうしたいかによって異なってきます。もちろん、住宅ローンを組むことは、相当リスクがあります。ただし、大きく貯めることができれば、定年後に現金で購入するという選択肢はあるでしょう。現実的には、実家に戻ることがコスト面ではもっとも抑えられますが、ある程度リフォームが必要かもしれません。

ともあれ、こう考えれば、一刻も早いご主人の安定収入が、いかに重要かがわかるかと思います。いい仕事がないからと、無収入の期間をダラダラ長引かせることが、もっとも避けるべき事態なのです。そして、貯蓄は全額20万円、毎月の貯蓄はゼロという現状の生活から1日も早く脱することです。そのためにも、ご主人とは話し合いが必要かもしれません。危機感を持って、現実に対処していくようにうながすことがランランさんの役目となります。

ただし、先の試算は、貯蓄が10年、20年と継続することが前提です。仮に、ご主人の収入が安定したしても、貯蓄そのものが途中で息切れしてしまっては意味がありません。そのめたには、ときどき息抜きも必要です。家族で旅行に行ったり、外食したり。もちろん、必要な貯蓄ペースは崩せませんが、ボーナスから上手に費用を捻出したり、工夫をすれば低予算でも楽しむことはできるはず。借金返済まではやりくりが大変でしょうが、そこはメリハリをつけて、上手に貯蓄のモチベーションを維持してください。

◆相談者「ランラン」さんから寄せられた感想

アドバイス、ありがとうございます。家計と借金を分けて考える、夫が働けば解決する、ということは頭ではわかっていることですが、現実になると難しいですね。保険や食費など、まだ削れる経費があるのではないかと思い今回ご相談したのですが、その部分についてご指摘はなかったので安心しました。また、住宅資金や老後の生活について、まだまだ考えていなかった部分までアドバイスいただけて感謝しています。ちょっと未来まで考えてみたいと思いました。夫も就職活動しながら単発の仕事も受けているので(就職活動の交通費+αくらいの収入ですが)、まずは私が元気に仕事を続けられるように頑張ります。

教えてくれたのは……深野 康彦さん

業界歴26年目のベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金周り全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。

取材・文/清水京武 イラスト/モリナガ・ヨウ
あるじゃん 編集部

最終更新:4月26日(木)22時20分

あるじゃん(All About マネー)

 

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