ここから本文です

5月の日本株が上昇すると読む「6つの理由」

4月23日(月)6時00分配信 東洋経済オンライン

「八十八夜」が近づいてきた。5月の日本株は上昇するだろうか(写真:C7/PIXTA)
拡大写真
「八十八夜」が近づいてきた。5月の日本株は上昇するだろうか(写真:C7/PIXTA)
 昔からよく言われている相場格言のひとつに「節分天井、彼岸底」というものがある。上げ下げのリズムの形をあらわしたもので、株価は2月初め(節分)から下がり、3月後半(彼岸)で底入れした後、5月で売れるほどの上昇があるという相場の習性を指す。ついでに言っておくと、この格言は、5月からは再び「調整安」と言う付録が付いていると言ってもいいかもしれない。

■2018年は久しぶりの「彼岸底」に

 実は、ここ数年を見ると、年前半の安値は、3月とはなっていなかった。昨年の年前半安値は3月ではなく4月14日(1万8335円)、2016年は逆に2月12日の節分近辺が底(1万4952円)だった。2015年に至っては、節分から彼岸まで一直線の上げだ。
 しかし今年は、見事な「彼岸底」になりそうだ。「底値現象」を数えればきりがないが、6つほど挙げて見る。カギはお彼岸の3月23日(前後を含む)の現象だ。

 (1)日経平均株価の予想PER(株価収益率)は3月23日に12.22倍という低水準になった。先週末は予想EPS(1株利益)も史上最高の1700円台に戻り、それでもPERは12.98倍である。

 (2)筆者が重視する指標の一つ、日経平均の総合かい離(25日、75日、200日移動平均線のかい離率の合計)が3月23日にマイナス16.54%を記録した。先週末はプラス5.92%に回復した。
 (3)空売り比率が3月23日の前日3月22日に50.3%となった。空売り比率は逆指数で、この数字は「セリングクライマックス」を示す。3月23日は日経平均が974円安となったが、この日の出来高は19億株を超えた。

 (4)日経VI(ボラティリティー・インデックス)も3月23日は27.00となった。先週末16.00と適温相場の水準に戻っている。

 (5)ドル円も3月23日の1ドル=104円64銭で明らかに方向転換となった。
 (6)そして何よりも、外国人投資家が彼岸を通過した4月第1週から買い転換した。

 外国人投資家は4月第2週も連続買い越しで、先物・現物合わせこの2週間の買い越し額は1兆円を越す。これは昨年9月の買い転換を連想させるような勢いだ。昨年はこの後10月も外国人投資家は買い越し、日経平均は約4000円もの大幅高となった。このように彼岸底現象は数えればきりがないほどだ。

■為替も「ドル高円安」へと変わった可能性
 さて、彼岸底が確定するためには、売れるほど高くなるような5月相場が出なければならない。そのカギを握るのが為替だ。

 (5)で筆者は簡単にドル円の方向転換を言明した。異論は多いと思うが、筆者は理由として以下の3つをあげる。

 A:米国企業業績は減税効果もあり、1-3月期の決算は7年ぶり純利益18%増(トムソン・ロイター)が予想されている。先週発表の景気指標も順調で、4月以降の急激な落ち込みはまず考えられない。台湾の半導体大手TSMCはマイニング需要の停滞で通期予想が下方修正され、世界の半導体需要に不安が出ている。だが、その前に仮想通貨のマイニングで大量の半導体需要があったことを驚くべきだ。「IoT時代」は、目に見えないネットのシステム革命のように思えるが、実は目に見える半導体の時代ではないか。従って、半導体需要の大幅な減退で景気が後退することは考えにくい。当然金利は上昇し(この場合良い金利上昇をし、日米金利差は拡がる。
 B:シカゴの通貨先物市場における投機筋の円売りポジションは2017年11月14日の13.6万枚をピークに減少(円の買い戻し)に転じドル安円高になっていた。その後も円買い戻しが進み、4月3日時点ではとうとう、3572枚の買い越しになった。投機筋が円買い越しになるのは2016年11月22日以来のことだが、過去において投機筋が円を買い越す時、ドル円は底(ドルの安値)になっており、皮肉なことにそこが転換点になっている。現在の建玉はほぼニュートラルだ。今回の13.6万枚の円売りポジションがゼロに戻る過程において、日米金利差を無視した円高現象が起こっていたと言えそうだ。
 C:「良い金利上昇」を迎える米国に対して、日本のゼロ金利はなお続く。ドル円を決める要因は金利差だけではないが、これだけはっきりしてくると、このまま円買いポジションが新規に積み上がって行くことも考えにくい。金利差無視の一方的な円高は終わり、正常な為替ルールに従った緩やかな円安が考えられる。

 以上A、B、Cにより、彼岸底から見て、売れる(今後は「利確」ができる)程度の株価上昇の姿は見えてきたのではないだろうか。
 今週の日経平均予想レンジは、大型連休前なので、筆者としてはおとなしく、2万2000円―2万2500円とする。
平野 憲一 :ケイ・アセット代表、マーケットアナリスト

最終更新:4月23日(月)6時00分

東洋経済オンライン

 

【あわせて読みたい】

ヘッドライン