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キッズユーチューバー、ゲーセンを動かす? 

4月22日(日)6時00分配信 東洋経済オンライン

クレーンゲームやメダルゲームなどが並ぶ店内(写真:イオンファンタジー)
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クレーンゲームやメダルゲームなどが並ぶ店内(写真:イオンファンタジー)
 「次は、モーリーファンタジーで遊ぶよ」「このウサちゃんが欲しい~」

 約1年前に、YouTubeで配信されたファミリー向け遊戯施設の「モーリーファンタジー&キッズーナ」の動画。登場するのは、小中学生に人気のキッズユーチューバー、「プリンセス姫スイートTV」のひめちゃんとおうくん、その家族だ。

■直近決算は営業利益が約6割増と絶好調

 再生回数は直近で1200万回超えを達成するなど人気を集めている。実はこの動画は、こうした遊戯施設を運営するイオンファンタジーとのタイアップ企画だ。
 イオンファンタジーは名前のとおり、イオンの子会社。小中学生など若年層やその家族をメインターゲットに、ショッピングセンター内でクレーンゲームやメダルゲームなどをそろえたアミューズメント施設を459店運営している。バンダイナムコアミューズメントなど競合を抑え国内同業では売上高ではトップを誇る。

 同社の業績が好調だ。4月11日に発表した2018年2月期決算は、売上高が721億円(前期比10.9%増)、営業利益が59.7億円(同58.3%増)と大幅な増収増益で着地。4期連続で増収増益となっており、今2019年2月期も営業利益は2ケタ増の66億円を見込む。
 成長の原動力となっているのが、2017年初から力を入れているYouTubeを使った販促だ。「放送時間や期間が限定されてしまうテレビ広告と違い、長期間にわたってYouTube上でプロモーション動画を流すことができる。12歳以下の子どもやその家族、中高生に向けて、低コストで効果的なプロモーションができている」(井畑啓一広報IR室長)。

 今ではモーリーファンタジーの関連動画は、年間再生回数が9000万回を超えるという。
 このような販促戦略に加えて、EXILE TRIBEが出演する映画『HiGH&LOW』とのタイアップや、イオングループのミニストップとコラボした「ソフトクリームスクイーズ」など、ほかの遊戯施設では手に入らないクレーンゲームのオリジナル景品を投入。映画のファン層など従来顧客以外の集客につながり、国内売上高の4割超を占め、収益柱のクレーンゲームの稼働が前期比2ケタ増の勢いで伸びている。

■2021年までには海外の店舗が大半に
 利益の9割以上は国内が占めるが、見逃せないのが2008年から始まり、近年急速に加速している海外での出店攻勢だ。国内の459店に対し、すでに中国では200店、マレーシアでは85店など、389店を展開するまでに拡大。

 数年前から出店を加速してきた中国やマレーシアの店舗の収益化が本格化してきていることに加え、2017年末にはFCで展開してきたベトナムの9店舗を直営化するなど、出店地域拡大にも力を入れている。
 本決算と同時に公表した中期経営計画では、2021年2月期の目標を売上高888億円、営業利益80億円に設定。海外の店舗網を730店までに拡大させる計画をブチ上げた。

 片岡尚社長は、機関投資家向けの説明会で「これから3年間の利益の伸びのエンジンはアジアになる。海外の商業施設のデベロッパーからテナントとして入ってほしいと声がかかるようになり、出店条件も良くなってきている」と語った。

 国内でも、「ナショナルジオグラフィック」や「セサミストリート」と連携するなど、クレーンゲームのオリジナル景品を引き続き拡充していく方針。また、ネットクレーンゲームや健康麻雀店、温浴施設の運営に進出するなど、新規事業育成も同時に進める。
 誰もが一度は遊んだことのあるクレーンゲームを軸にしたイオンファンタジーの業績躍進。海外展開や新事業でも同様の成功を収めることが、同社の掲げる「アジアNo.1の屋内型ファミリーエンターテイメント企業」実現のカギとなる。
島 大輔 :東洋経済 記者

最終更新:4月22日(日)6時00分

東洋経済オンライン

 

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