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週間為替展望(ドル/ユーロ)-通商協議と地政学リスクに注目

4月21日(土)11時01分配信 トレーダーズ・ウェブ

◆ドル円は伸び悩む展開か、日米・米中両通商協議の行方に警戒
◆南北首脳会談を受けた朝鮮半島情勢やシリア情勢を巡る地政学リスクも要注目
◆ユーロは伸び悩む展開か、インフレ率鈍化や欧露関係緊迫化で

予想レンジ
ドル円   104.00-109.00円
ユーロドル 1.2000-1.2500ドル

4月23日週の展望
 ドル円は伸び悩む展開か。トランプ政権は、11月の中間選挙に向けて貿易赤字削減を目指しており、米中通商協議では1500億ドル規模の輸入関税の発動を示唆している。日米通商協議では、米国の環太平洋経済連携協定(TPP)復帰ではなく、2国間交渉で日米自由貿易協定(FTA)の締結を目論んでいる。米財務省が公表した米為替報告書では、日本と中国を監視対象国リストに置いたままで、中国に対しては中国人民元への懸念を示し、日本に対しては従来の「実質実効レート」だけでなく「名目レート」でも円安との見方を示している。
ドル買い材料としては、朝鮮半島情勢を巡る地政学リスクの緩和が挙げられる。次期国務長官に指名されているポンペオ中央情報局(CIA)長官が金朝鮮労働党委員長と会談し、27日の南北首脳会談では朝鮮戦争の「休戦」ではなく「終戦」が議論される見込みとなっている。
 しかし、米国を軸にした貿易摩擦問題への警戒感が払しょくされないこと、ロシアの二重スパイ襲撃事件やシリア情勢を巡り欧米とロシアの関係が悪化していること、朝鮮半島情勢も予断を許さない状況が続いていることで、リスク回避の円買い圧力は残されている。
 日銀短観3月調査の2018年度の想定為替レート109.66円だったことで、ドル円が109.66円を下回っている限り、本邦輸出企業からのドル売り圧力が強まるか。
 ユーロドルは伸び悩む展開か。ユーロ圏の景況感改善を背景に欧州中央銀行(ECB)の金融政策正常化の前倒し観測や、フォワードガイダンスのタカ派変更観測が高まっている。イランが取引通貨をドルからユーロに切り替えるとの見方も買い材料となる。しかし、ユーロ圏のインフレ率は鈍化したままであり、ロシア二重スパイ襲撃事件やシリアを巡る欧露間の関係悪化への警戒感、イタリアで同盟と五つ星運動による反欧州連合(EU)政権が樹立される可能性などがユーロの上値を抑える要因となる。ユーロ円は、朝鮮半島情勢を巡る地政学リスク後退で堅調な推移だが、貿易戦争への警戒感、イタリアの政局混迷、欧露関係悪化懸念で上値は限定的か。

4月16日週の回顧
 日米首脳会談では、トランプ大統領は「TPPへの復帰は望んでおらず、日本との二国間協議が望ましい」「日本と合意するなら鉄鋼輸入制限の除外を検討」「自動車市場の開放を要求」と硬軟織り交ぜた態度を示したが、円安には言及しなかった。また、次期国務長官に指名されているポンペオCIA長官が金朝鮮労働党委員長と会談したとの報道も、朝鮮半島を巡る地政学リスクを後退させた。ドル円は106.88円から107.73円まで上昇した。ユーロドルは、ECBによる年内の金融政策正常化観測や来月のECB理事会でのフォワードガイダンスのタカ派変更観測などで、1.2332ドルから1.2414ドルまで上昇した。ユーロ円も、ECB理事会でのタカ派変更観測や朝鮮半島を巡る地政学リスク後退などで、132.11円から133.09円まで上昇した。(了)
山下

最終更新:4月21日(土)11時01分

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