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景気拡大“106ヵ月目”、保護主義に揺れるNY株式市場の行方 <株探トップ特集>

4月17日(火)19時30分配信 株探ニュース

米国景気の拡大は今月で106ヵ月目を迎えた。ただ、幾つかの指標では減速の兆候も表れている。一進一退が続くNY株式市場の行方を追った。
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米国景気の拡大は今月で106ヵ月目を迎えた。ただ、幾つかの指標では減速の兆候も表れている。一進一退が続くNY株式市場の行方を追った。
―最高値圏で強弱感対立、FAANG決算に高い関心―

 米株式市場が神経質な展開を続けている。NYダウ は今年1月に最高値をつけた後、一時10%強の下落を経ていまは2万4500ドル台で一進一退。年初からの乱高下状態が続くが、この背景には保護主義政策をとるトランプ米大統領の政治姿勢が反映されている。米国では今週から1-3月期の決算発表が本格化。その内容次第で「米国株は再度上値を探る」との観測もある。そんななか、市場の期待を担う大手IT企業などの決算発表が近づいている。

●乱高下繰り返すNYダウ、米国景気の先行き不透明感も懸念

 NYダウは、1月26日に2万6616ドルの最高値をつけた後は調整局面。足もとでは2万4500ドル近辺で推移しているが、2月以降、1日で200~300ドルの上昇・下落は珍しくない荒い相場が目立つ。この要因として、ひとつにはトランプ米大統領の政策が保護主義の色彩を強め、特に米中貿易摩擦への懸念が高まったことがある。中国からの報復措置への懸念からボーイングやキャタピラーといった企業の株価が下落。保護主義による景気停滞懸念も株価の上値を押さえる要因となった。

 また、もう一つの要因は今月で106ヵ月目を迎えた米国の景気拡大の先行きに不透明感が出始めていることが指摘されている。16日に発表された米4月ニューヨーク連銀製造業景気指数は15.8と市場予想(18.6)を下回った。また、マークイットが発表した3月グローバル総合PMIは53.3と2月から1.5ポイント低下し、16年11月以来の水準に落ち込んだ。第一生命経済研究所の嶌峰義清首席エコノミストは「米国の足もとの景気は強く、今年は年4回の利上げを予想している。ただ、米国の景気はピーク水準にあり、来年半ば以降は循環的な減速傾向に入る可能性がある。すでに幾つかの指標に米景気減速を示唆する数字が表れ始めている」という。

●保護主義でトランプ支持率は上昇、市場のジレンマ続く

 この水面下での景気減速懸念に対して、表舞台で市場の懸念をあおっているのが、やはりトランプ米大統領の保護主義政策だ。「足もとでトランプ氏の支持率は上昇している。しかし、これは喜んでいいことなのか」とフィリップ証券の庵原浩樹リサーチ部長は頭を悩ます。トランプ氏の支持率上昇は政権基盤を固めることに役立つが、その背景には同氏が打ち出す中国への関税措置など保護主義政策があると見られるからだ。

 「トランプ氏が大統領に就任してからの最大の成果は“株高”だと言われているが、トランプ氏の支持層には金融市場と縁が薄い人も少なくない」と同氏はいい、「11月の中間選挙に向けて保護主義的姿勢を強めることが、株価の上値を重くさせるかもしれない」と警戒する。5月あるいは6月にも予想される北朝鮮との米朝首脳会談が注目されるが、足もとの市場では北朝鮮より、ロシア、シリア、そして中国や日本への関心が高まっている。

 17日から18日にかけて開催される日米首脳会談も、その内容次第では米国から対米黒字削減の要求を押し付けられかねない状況にある。為替相場も「トランプ氏の姿勢次第では105円台への円高が進む可能性もある」(外為どっとコム総研の神田卓也調査部長)との見方が出ている。

●IT・ハイテク企業の決算次第ではナスダック高値視野も

 そんななか、市場の注目を集めているのが今週から本格化する米国企業の1~3月期決算だ。市場では今期のS&P500種指数への採用企業の増益率は18%強との見方が出ている。「この増益はある程度、株価に織り込まれており、さらなるポジティブサプライズがどの程度あるかがポイント」(マネックス証券の益嶋裕マーケット・アナリスト)となりそうだ。

 具体的には16日に発表を行ったバンク・オブ・アメリカの決算は良好だったが、株価は小幅高だった。その一方、ネットフリックスの株価は好調な業績を受け時間外で上昇した。フェイスブックのデータ流出問題など、足もとで不祥事や懸念材料が目立つFAANG「フェイスブック、アマゾン・ドット・コム、アップル、ネットフリックス、グーグル(アルファベット)」だが、その決算への市場の注目は高い。今後、ネットフリックス株が上昇すれば、主力IT関連企業への市場のセンチメントが好転することも期待されている。

 今後予定されている注目の米国上場企業の決算発表は17日のゴールドマン・サックス、IBM、18日のアルコア、モルガン・スタンレー、ASMLホールディングス、23日のアルファベット、24日のキャタピラー、25日のフェイスブック、ボーイング、26日のアマゾン・ドット・コム、5月1日のアップル、2日のテスラ、17日のアプライド・マテリアルズなど。

 NYダウの構成銘柄は米国と中国の貿易摩擦などトランプ氏の保護主義政策の影響を受けやすく、当面は上値の重い展開が予想される。しかし、ナスダック市場を中心に上場されるFAANGなどハイテク株の成長性は依然高く、「好決算が発表されれば先行き3月につけたナスダック指数の最高値を視野に入れる展開も見込めるのでは」(庵原氏)と期待する声も出ている。

株探ニュース(minkabu PRESS)

最終更新:4月18日(水)9時22分

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