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購入前の修繕履歴・設備は「ココ」を見るべし

4月16日(月)20時00分配信 不動産投資の楽待

(写真© 22091967-Fotolia)
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(写真© 22091967-Fotolia)
人も建物も、生まれたて、新築直後はどこにも問題がなく、ご両親も、お施主さんも満面の笑みで喜んでくださるものです。

「オレもさ、赤ん坊の頃は玉のような子どもだったらしいんだよ。今じゃ、歯周病に悩まされて、肝臓の数値に一喜一憂しているけどね」

時の流れには、残念ながら抗えられません。仏陀の教えにも、「生じたものは必ず滅する」とあるように、逃れることのできぬ定めです。事実、人の寿命には限りがあります。平均寿命は80歳~90歳だとしても、人の限界寿命は120歳でしょうか。寡聞にして200歳まで生きた実例は聞きません。

一方、建物の寿命はどうでしょう?

「法定耐用年数が限界でしょ。木造は22年、RC造のマンションは47年だったんじゃないかなぁ」

法定耐用年数については仰る通りですが、建物の限界は違います。正岡子規作「柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺」に詠われている法隆寺の五重の塔は世界最古!なんと推古15年(西暦607年)築でして築1411年……。木造建築の法定耐用年数は22年ですから、64回以上繰り延べしたことになります。

「何が違うの?」

維持管理の差です。建物を朽ち果てさせるのは、動植物に必要不可欠な「水」です。水の浸食力と朽ち果てさせる力はそら恐ろしく、木造も、鉄筋コンクリートでさえ、あっという間に崩壊させます。

放置すると……屋根は抜け、床は崩れ落ち、壁も倒壊。幽霊屋敷に変貌するのに3年かかりません。ですから、いかに水の侵入を防ぐかが、建物の維持管理の一丁目一番地と言っていいでしょう。そして、中古不動産の購入の際、忘れてはならないのが、「修繕履歴」の確認作業です。

「しゅうぜん……なんちゃらって何なの?」

建物の価値を保つためには、継続した維持管理が必要不可欠です。ですが、いかに気を付けたとしても、

○不具合からの修繕
○法律に定められた改善や法定検査
○価値を高めるための大規模修繕

などを行う必要があります。

そうした建物の修繕した記録こそ修繕履歴であり、精緻に分析すれば、大規模修繕計画が予測可能となり、中長期収支の立案に役立ちます。

■「修繕履歴」のチェックポイント

「具体的に言ってくんないとさ、わかんないな」

それでは、戸建て・アパート・一棟マンションについて申し上げましょう。ちなみに、分譲マンションの場合、所有者ではなくマンション管理組合に大規模修繕履歴を要求するべきです。なぜなら、マンションの維持管理は各区分所有者から管理組合に委託されているからです。

<戸建て>

○雨漏りの修繕記録
○シロアリ駆除記録
○給湯器の設置年数
○外壁の塗り替え
○合併浄化槽の場合は法定検査実施状況

■要確認設備

水道管の材質・追い炊き機能の有無・地デジの受信方式

■ポイント解説

雨漏りを含む水回り関係の修繕記録は、念には念を入れて要求しましょう。また、排水が合併浄化槽でありながら長期間空き家の場合は、合併浄化槽を復旧する費用(20万円前後)が必要となります。

それから、テレビが地デジに変更となりながら、受信機能のないまま放置されている戸建ても数多くあります。対応しなければならないのに必要な改善をしていない貸家の改善費用は買い手の負担となることを忘れてはなりません。

<アパート>

上記、戸建ての修繕履歴に加え、共同住宅となるアパートで問題となるのは、「火災報知器の設置と消火設備の交換」です。特に、消防署から改善命令、もしくは要請が来ていないか。要請されているとしたら、どんな内容で費用を見積もったことがあるか、根掘り葉掘り聞き倒さなければなりません。

「なんで?」

もちろん、新所有者となれば、消防署は旧所有者から新所有者である皆さんに新規消防設備として、

○火災報知器の新設
○火災時の自動連絡設備の新設
○消火器の入れ替え
○避難階段の新設

などを要請するからです。

「いやいや、どのアパートもって、ことはないでしょ」

確かに、いずれのアパートにも要請するわけではありません。しかしながら、消防署から要請が来ているのかどうかを確認し、その段階でウソを売主が言えば、購入後にそのウソを根拠に損害賠償を申し立てることも可能です。特に消防上の問題は、費用がバカのようにかさむのでご注意願いたいのです。個別のケースにより大きく違いますが、おおよその目途を記載いたします。

■意外と費用がかかる! 消防設備の費用

○火災報知器の新設

・一戸当たり3万円~7万円 
・キッチンと居室などに設置
・配線費用を求められることもある

○火災時の自動連絡設備の新設

・延べ床面積が500平米を超える共同住宅に要請される
・電話回線の確保と防火対応の設備設置が必要となる
・最低でも50万円、場合によっては100万円~200万円かかることもある

○消火器の入れ替え

消火剤の効力期間は10年であり、内容物の詰めかえもしくは、新品との交換となる。価格は一本当たり2万円弱。設置位置は消防署の指導による。

○避難階段の新設

避難階段の設置は場所があるのかどうかで大きく分かれる。場所があれば、本体価格は30万円、設置費用で40万円(基礎を含む)。合計70万円程度で設置は可能。

<一棟マンション>

戸建ての修繕履歴とアパートにおける消防関係に加え、一棟物マンションには「エレベータの二重ブレーキシステム改造問題」が、大きく立ちはだかります。

「エレベータはあった方がいいしさ、動いていれば問題ないでしょ」

ところが、2006年に起こったシンドラー製エレベータ事故を契機とし、二重ブレーキシステムへの改造圧力が徐々に高まり始めています。

通常、既設のシステムは許され、新設の設備から変更とされる物ですが、こと、人身事故が起こり、その後も重大事故が頻発したため、二重ブレーキシステムに改造していないエレベータの稼働は将来的に認められない恐れがあります。ですから、改造したのかそれともしていないのかは購入の是非に大きく影響してきます。

「どのくらいかかるの?」

6人乗りのエレベータの改造費として約1200万~1300万! 乗員1人あたり、200万円を見積もらなければなりません。また、一棟物マンションの陸屋根防水と外壁塗装は15年~20年で塗り直す必要があります。

もしも、10年以内に実行していないとしたら、5年から10年以内に1000万円~2000万円の費用をかけて、陸屋根と外壁を再塗装する必要があります。物件購入後に想定外の出費で四苦八苦しないよう、修繕履歴を確認することは必要不可欠!

面倒な作業ではなく、安定した貸家業を構築するためと割り切り、厳しく修繕履歴を要請していただければと存じます。
藤山 勇司

最終更新:4月16日(月)20時00分

不動産投資の楽待

 

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不動産投資の楽待

株式会社ファーストロジック

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