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老後資金は本当に3000万円も必要?

3月22日(木)18時30分配信 あるじゃん(All About マネー)

◆老後資金は3001万円~5000万円が約1/4

「平成28年家計調査結果(貯蓄・負債編)」(総務省統計局)によると、60歳以上の世帯の平均貯蓄額は2385万円。貯蓄額3000万円以上の保有割合は3割弱。1000万円以下は4割弱を占めています。「老後資金は3000万円」のイメージからかけ離れた姿です。老後資金はいったいいくら必要なのでしょう。統計を基に算出していきましょう。
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「平成28年家計調査結果(貯蓄・負債編)」(総務省統計局)によると、60歳以上の世帯の平均貯蓄額は2385万円。貯蓄額3000万円以上の保有割合は3割弱。1000万円以下は4割弱を占めています。「老後資金は3000万円」のイメージからかけ離れた姿です。老後資金はいったいいくら必要なのでしょう。統計を基に算出していきましょう。
2017年9月に株式会社クラウドポートが、20代から60歳以上の男女 583 名(20代121名、30代120名、40代110名、50代112名、60代以上120名)を対象に行った「老後資金に関するアンケート調査」によると、87%の人が老後資金に不安を持ち、準備は30歳代から、と考えています。詳しく見ていきましょう。

■老後資金に必要な金額のイメージは?
3001万円~5000万円が最も多く26%、次いで1001万円~3000万円が19%です。1億円以上という人も9%います。

・1000万円未満:4.8%
・1001万円~3000万円:18.9%
・3001万円~5000万円:26.1%
・5001万円~7000万円:13.6%
・7001万円~9000万円:2.1%
・1億円以上:8.7%
・わからない(イメージできない):25.9%

■老後資金は何歳くらいから準備しておく必要がある?
一般的には「できるだけ早く、少なくとも40歳になったら」と言われていますが、「30歳代で準備」と考える人が32%で最多です。「わからない」も17%います。

・30代:31.7%
・40代:21.3%
・50代:10.6%
・わからない:17.0%

■老後資金は何歳くらいまでに用意しておく必要がある?
60歳定年が一般的なので「60歳までに用意」が50%です。「わからない」も16%います。

・50歳:12.9%
・60歳:49.7%
・70歳:8.7%
・わからない(イメージできない):15.8%

■老後資金のために今準備していることは?
他のアンケート調査でも似たような結果が多いのですが、「準備していることはない」が66%です。

■具体的にどんな準備をしている?
90%近くが貯蓄で準備し、年金44%、投資信託23%と続きます。今後は、優遇税制が設けられている個人型確定拠出年金iDecoやNISAを利用する人が増えて順位が変わる可能性があります。

・貯蓄:87.4%
・年金:43.9%
・投資信託:23.3%
・株:22.7%
・FX:3.5%
・その他:2.5%

◆65~90歳の必要額は約2200万円

では、退職後の生活費として公的年金以外に必要とする金額を、「家計調査報告(家計収支編)―平成29年平均速報結果の概況―」(総務省統計課)の高齢夫婦無職世帯(夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯)の家計収支をもとに計算してみましょう。

・収入:20万91989円(うち社会保障給付は19万1880円)
・消費支出:23万5477円
・非消費支出:2万8240円
・収入-支出:▲5万4519円

社会保障給付=公的年金等とすると、毎月の公的年金では不足する金額は「社会保障給付-(消費支出+非消費支出)」=19万1880円-(23万5477円+2万8240円)=▲7万1837円です。65歳リタイア後25年間に必要な生活費は約2200万円、30年では約2600万円になります。

■老後期間25年(65歳以降)
7万1837円×12カ月×25年=2155万1100円

■老後期間30年(65歳以降)
7万1837円×12カ月×30年=2586万1320円

60歳でリタイアする場合、90歳までの30年間に必要とする老後資金はいくらになるでしょう。同じ家計調査の高齢単身無職世帯(60歳以上の単身無職世帯)と高齢無職世帯(二人以上の世帯で世帯主が60歳以上の無職世帯)の家計収支を基に算出すると、高齢単身無職世帯は1700万円程度、高齢無職世帯は2200万円程度になりました。

■単身者
・社会保障給付:10万7171円
・消費支出:14万2198円
・非消費支出:1万2544円
・不足分:▲4万7571円
・→老後期間30年(60歳以降):1712万5560円
・→老後期間35年(60歳以降):1997万9820円

■高齢無職世帯
・社会保障給付:17万5799円
・消費支出:23万7682円
・非消費支出:2万7952円
・不足分:▲6万1046円
・→老後期間30年(60歳以降):2197万6560円
・→老後期間35年(60歳以降):2563万9320円

リタイアが60歳でも65歳でも90歳まで生きるために必要な老後資金は2000万円程度になりました。一般的にいう「老後に必要な資金は3000万円」との差は1000万円程度です。

◆老後資金3000万円と「改正高年齢者雇用安定法」

これまでの計算は、日常をつつがなく生活するための資金です。日常生活資金以外に、住宅のリフォームや医療・介護費用、子どもへの援助費用、葬儀費用などの資金も必要です。それらを含めた金額が「必要な老後資金は3000万円」なのです。

この一人歩きしている「老後資金3000万円」は「60歳で定年退職して平均余命まで生きる」を想定した数字です。前出の計算は、「65歳でリタイアし老後期間は「平均余命+5年」」と想定したものですが、それでも生活資金2000万円、予備資金1000万円、合計3000万円あればほぼO.K.です。

原則65歳までの継続雇用を企業に義務づけた「改正高年齢者雇用安定法」の施行からほぼ4年が経過した2017年6月1日、定年退職到達者の継続雇用は84.1%、継続雇用を希望しなかった人が15.8%。希望すればほとんどが雇用される状況です。

2016年の65歳以上の雇用者数は399万人。内訳は、65~69歳272万人、70~74歳90万人、75歳以上37万人です。2017年の65歳以上の雇用者は26万人増加して425万人になりました。「リタイアは70歳」という時代が近づいています。リタイア年齢が遅くなるということは、「老後期間が短くなる=必要な老後資金額が減る」ということです。将来は一生涯現役となり、「老後資金」という言葉はなくなるのかも知れません。
大沼 恵美子

最終更新:3月22日(木)18時30分

あるじゃん(All About マネー)

 

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