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パチンコやパチスロ、ゴルフ業界はどうなる? 平和の事業ポートフォリオ変遷から考える

3月21日(水)10時10分配信 LIMO

写真:LIMO [リーモ]
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写真:LIMO [リーモ]
最近、パチンコやパチスロをする機会は増えていますか?  それとも減っているでしょうか。スマホの登場でゲーム市場が広がる一方、アミューズメントやエンターテインメントに関する時間の使い方が変化してきているのは皆さんも感じるところではないかと思います。

今回はマクロデータや、遊技機事業(パチンコ機、パチスロ機)とゴルフ場運営を手掛ける東証1部上場企業「平和」の業績などを見ていきましょう。

パチンコの市場規模は縮小が続いている

公益財団法人日本生産性本部によれば、2016年のパチンコの市場規模は21.6兆円で、2008年の28.8兆円と比較すると大きく減少しています。その背景はパチンコ参加人口が2008年の1580万人から2016年には940万人へと縮小していることに加え、年間平均費用が2008年の12万2900円から2016年の8万8900円に減っていることが影響しています。

また、パチンコホールの数も減少しています。警察庁によれば、2008年に1万2652軒だったものが2016年には1万986件に減少しています。とはいえ、1ホール当たりの設置台数は2008年に356台だったものが2016年には411台へと増えています。ここからは、店舗数が減少する中で大型店化が進んでいることがわかります。

パチンコ機とパチスロ機の構成はどうなったのか

同じく警察庁によれば、2008年から16年までを見ていくと、パチンコ機の設置台数が減少し、パチスロ機が増加するというトレンドが継続しています。

とはいえ、矢野経済研究所によれば、毎年の販売台数を見ていくとパチンコ機は年々減少していますが、パチスロ機は2009年から2013年まで拡大し、その後は減少する動きを見せています。2016年のパチンコ機の販売台数は156万台で、パチスロ機は88万台でした。

パチンコの平和の業績はどうか

次に、平和の業績について見てみましょう。

2018年2月に発表された2018年3月期第3四半期累計(4-12月期)決算では、売上高が1002億円、営業利益が123億円となっています。その内訳は、遊技機事業の売上高が341億円に対してゴルフ事業の売上高が661億円と、9か月間の決算数値ではありますが、ゴルフ事業の売上高が遊技機事業の倍近くあるという状況です。

また、営業利益に関しても同期間で遊技機事業が31億円、ゴルフ事業が114億円と、ここからもゴルフ事業が全社の収益の柱となっていることがわかります。

なお、2018年3月期通期では、会社は売上高を1324億円、営業利益を115億円と見込んでいます。そのうち遊技機事業の売上高は508億円、ゴルフ事業が816億円、また営業利益は遊技機事業が49億円、ゴルフ事業が100億円(消去/全社▲34億円)となっており、通期で見ても平和の収益の柱はゴルフ事業だといえます。

ゴルフは将来も魅力的な市場なのか

では、平和の収益を支えているゴルフ事業は将来も魅力的な事業なのでしょうか。

同社は2011年にゴルフ場運営のPGMホールディングスに対してTOB(株式公開買い付け)を実施し、2015年には株式交換により完全子会社化を果たしました。

前出の日本生産性本部によれば、ゴルフの市場規模は2016年で8700億円。2008年には1兆500億円だったことを考えると、パチンコ同様に市場は縮小しています。

また、市場規模の縮小とともにゴルフ人口も減少しています。2008年に950万人だったものが2016年には550万人と、半分近くまで減少しているというのは驚きではないでしょうか。今後高齢化がさらに進むことを考えると、若い世代を取り込めないと参加人口の伸びは期待できないでしょう。

その一方で、ゴルフの年間平均費用は増加傾向にあります。2013年には13万4300円だったものが、2016年には17万300円へと増加しています。ゴルフ好きな人、つまりコアユーザーが一人当たりの年間平均費用の水準を引き上げているという構図でしょうか。

平和のゴルフ事業は堅調

このように、ゴルフ人口は減少しつつありますが、平和のゴルフ事業における来場者数は2017年3月期に延べ755万人と、2012年3月期の649万人よりも増加しています。ただ、顧客単価は2012年3月期は9429円でしたが、2017年3月期には9129円と微減となっています。

なお、同社のゴルフ事業が扱うコース数は、保有が137コース、リースが1コース、運営受託が2コースの合計140コースとなっています(2017年12月末時点)。そのうち、57コースが関東に、また17コースが関西、同じく17コースが九州にあります。

コース数が140もあるとはいえ、年間で700万人以上を集客でき、またその総数を伸ばしていること自体は十分に評価されるべきでしょう。

パチンコ&パチスロとゴルフのポートフォリオをどう考えるのか

ここまで見てきたように、遊技機市場もゴルフ市場も市場全体では縮小を続けていますが、その中でどのように事業展開をするか、また事業ポートフォリオを管理するかが、今後平和が収益を確保できるかどうかのカギとなりそうです。

平和の2017年12月期の総資産は4288億円である一方、純資産は2160億円となっており、財務体質に大きな問題はありません。今後、それぞれ縮小する市場の中で同社がどのように事業展開をしていくのかに注目が集まりそうです。
青山 諭志

最終更新:8月25日(土)8時10分

LIMO

 

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