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ガラの悪い「新今宮」に星野リゾートが進出するワケ

2月19日(月)20時00分配信 不動産投資の楽待

(写真:不動産投資の楽待)
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(写真:不動産投資の楽待)
「星野リゾート」が大阪市内に進出することが決まっている。場所はJR「新今宮」駅前。関西在住者の印象からすると、お世辞にもリゾート地に相応しいとは言えない場所だ。むしろ住宅地としての人気が極端に低いエリアである。なぜ星野リゾートは新今宮に進出するのか、そして周辺の不動産市場がどのように変わっていくのかを考えていきたい。

■ガラが良くない「新今宮」

星野リゾート大阪進出の話が発表されたのは2017年4月。大阪市が実施したプロポーザルに応募し、その案が採用された。開発事業者が募集された場所はJR大阪環状線「新今宮」駅隣接、ホームに面するすぐ北側の約1万4000平米の土地だ。「都市観光客をターゲットにした新しいスタイルのホテルとして、2022年開業を目指して計画(星野リゾート WEBサイトより引用)」されている。

星野リゾートと言えば、言わずと知れた上質なリゾート宿泊施設の運営企業。「星のや」「リゾナーレ」「界」等のブランドを持ち、温泉がある、マリンビューがある、峡谷を臨む等のイメージがあるだろう。

一方、進出が決まった新今宮と言えば、海も無ければ温泉もない。美しい借景があるわけでもない。ここまで書くと地元関係者にお叱りをうけそうだが、あまりガラが良くないため、多くの人は住みたがらないエリアだ。

不動産ポータルサイトで検索してみても、JR環状線「芦原橋」駅から「今宮」駅、「新今宮」駅にかけては周辺と比べて極端に賃貸相場が安く、賃貸需要のなさがうかがえる。

その理由として、1970年代までこの周辺で頻繁に日雇い労働者などによる暴動が起きていたことが挙げられる。関西在住の50代以上の方なら覚えている人も多いだろう。そのような場所で住宅投資をしようとする人は少数派のため、良質な住宅ストックが極端に少ないエリアとなっている。

駅を挟んで南側には日雇い労働者の街「あいりん地区」があり、日雇労働者向けの1泊数百円から千円、二千円の簡易宿所、いわゆる木賃宿は昔から数多く存在する。

■そんな街に星野リゾートが目を付けたワケ

そんな街が、およそ20年かけて少しずつ変わってきた。きっかけはスパワールドとフェスティバルゲートの開業だ。1997年、「新今宮」駅の東側に天然温泉を売りにした温浴施設スパワールドとジェットコースター等の遊具と商業施設を併せ持ったフェスティバルゲートが開業した。

当時は多くの人に「あんなところに誰が行くねん!」と揶揄されたが、その地域性が話題となったこともあり、「ディープな大阪」と言われていた新今宮駅界隈へ多くの人が訪れた。ちなみに、フェスティバルゲートは2007年に閉業したが、スパワールドは現在も営業中だ。

そして今、JR「新今宮」駅からJR「天王寺」駅界隈には多くの観光客が足を運んでいる。それもそのはず、新しくできたものから古くからあるまで含め、この界隈は、観光スポットが豊富にある。

JR「新今宮」駅前の星野リゾート計画地の東側には「スパワールド」、「二度づけ禁止」で有名な串カツ店等が並ぶ「新世界」、将棋の名人 阪田三吉ゆかりの地であり大阪のシンボルとも言える「通天閣」。

阪神高速を越えると、日本で三番目に歴史のある「天王寺動物園」、約7000平米の芝生広場を中心とした「てんしば」、住友家本邸跡の「大阪市立美術館」、大阪冬の陣で徳川家康の本陣があった「茶臼山」。谷町筋を渡って東側がJR「天王寺」駅。駅の南には日本一高いビル「あべのハルカス」。驚くべき充実ぶりだ。関西人でも驚く人がいるのではないか。

この界隈に観光客が多いのはもう一つ理由がある。それは交通の便の良さだ。JR「新今宮」駅はJR大阪環状線、JR関西本線の乗入れ駅で関空快速が停車する。また同駅は南海線「新今宮」駅が隣接。南海本線、南海高野線が利用でき、ラピートが停車。関西空港にダブルアクセス。また地下には大阪市営地下鉄御堂筋線、堺筋線の「動物園前」駅があり梅田、なんば、心斎橋や京都(河原町)方面へ乗換え不要だ。

温浴施設、動物園、美術館、そして新旧2つのタワー。そして個性的な飲食店。どれもが大阪らしいスポットであり、交通至便。星野リゾートが目をつけたのもうなずける。

■同様の動きを見せる「京都」

JR「京都」駅界隈も同じようなことが言える。こちらは投資的には既に「湧いている」が、つい10年ほど前までは京都に住む人でJR「京都」駅界隈に住みたいと思う人は少数派だった。いや、今でもそうかもしれない。

JR「大阪」駅周辺、具体的には中崎町、中津、福島あたりなども評価が変わったエリアだ。インバウンド需要がますます増えていく中、地元住民の評価と客観的に見た利便性や文化的魅力にギャップがある場所は、一気に評価が高まる可能性が高い。

新今宮の例は極端だが、今まで見向きもされなかった場所が何かをきっかけに注目される事例は増えている。そのような場所に共通するのは交通便の良さと地域の個性だ。交通便の良さは路線図等を見ればわかるが、地域の個性は実際に足を運んでみないとわからない。

新今宮に進出を決めた後のあるインタビューで星野リゾートの星野代表もこう語っている。「何と言っても地域で暮らす人たちがおもしろいんですよ」。

JR「新今宮」駅のすぐ北側の当該敷地に建って東を眺めると空き地の向こうに通天閣、駅舎を隔ててあべのハルカス、大阪を象徴する新旧二つのタワーが間近に見える。この場所に建って改めて、星野リゾートが投資した理由がわかった気がした。

○参考:The News Masters TOKYO
http://www.joqr.co.jp/nmt/special/2017/08/post-27.php
不動産投資の楽待 編集部

最終更新:2月19日(月)20時00分

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株式会社ファーストロジック

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