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今、金を買うべき4つの理由~投資のプロに愛される”秘密のポートフォリオ”

2月14日(水)21時10分配信 投信1

写真:投信1 [トウシンワン]
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写真:投信1 [トウシンワン]
仮想通貨が総崩れする中、世界同時株安が発生し、弱り目に祟り目となっています。債券や原油も急落しており、あらゆる資産が目減りしていて一見すると逃げ場がありません。こんなとき、プロの投資家は何をしているのか?  その秘密のポートフォリオを紹介します。

分散投資は意外と難しい?

分散投資は投資の基本といわれていますが、効果的に分散投資をすることは投資のプロでも簡単ではありません。

たとえば、2008年の金融危機では、ヘッジファンドは分散効果があると考えられていた商品や不動産へと投資先を分散していました。しかし、実際にはすべての資産が同時に下落してしまい、株式や債券といった伝統的な資産に商品や不動産といった代替資産を加えたとしても、期待された分散効果は得られませんでした。

地理的な分散を目指す国際分散投資はどうでしょうか。日本、米国、欧州、新興国の間に見られる相関関係を綿密に分析して最適なポートフォリオを作ったとしても、世界同時株安の前にはほとんど無力でした。

こうした反省から、救世主として見直されたのが金(ゴールド)です。金をポートフォリオに組み込むことで、ボラティリティが低下する一方でリターンが上昇し、リスク調整後のリターンが改善する可能性があるからです。

金を買うべき4つの理由

ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)が1月23日に公表したリポートで、金をポートフォリオに組み入れるべき4つの理由を挙げていますので順に見て行きましょう。

まず、投資リターンそのものが高いことを挙げています。金本位制が終了した1971年以降、金価格は年平均10%上昇していますが、これは株式のパフォーマンスにほぼ匹敵し、債券や商品をアウトパフォームしているからです。

金のリターンの源泉は“投資”と“消費”の2本柱です。投資をけん引しているのはインフレヘッジの役割ですが、インフレは通貨価値下落の裏返しでもありますので、より具体的には法定通貨の下落への備えとなります。

1970年から2017年のデータを見ると、米消費者物価指数(CPI)の伸びが年率3%を超える期間では、金価格は平均で年率14%を超える上昇となっており、金はインフレ率が高いほど高いパフォーマンスを発揮してきました。通貨価値が不安定な新興国では、特にこのインフレヘッジとしての金の役割が重視され、外貨準備としての購入が増加しています。

一方の消費を支えているのはアジアでの中間所得層の拡大です。中国とインドを合わせた宝飾品需要の全体に占める割合は、1990年の25%から現在は50%を超えています。これらの国では経済成長に合わせて需要が拡大しており、所得の増加が消費意欲を刺激している様子が伺えます。

金にはリスクヘッジとしての投資需要と経済成長に伴う消費需要の2つの柱となる需要先があり、2つの異なる需要があることが長期的に高いパフォーマンスを可能とする背景となっています。

金と株価の特異な関係

次に、金と株価の相関を見ると、景気拡大期には正の相関、景気後退期には負の相関という特異な関係にあります。景気拡大期には一緒に上昇し、景気後退期に株価が下落すると金は逆に上昇することを示唆しています。

ところで、株価と原油などの商品は景気拡大期には弱い正の相関があり、景気後退期には正の相関が強まる傾向にあります。景気が良い時にはほとんど連動しませんが、景気後退で株価が下落すると商品も一緒に下落する傾向にあるわけです。

このように、平時においては分散効果を発揮する商品はいざという時に役立ちそうにありませんが、金は肝心な時にこそ分散効果を発揮することが期待できそうです。また、株価の調整が大きくなればなるほど金と株価との負の相関も大きくなりますので、株価急落といった非常事態には心強い存在といえるでしょう。

流動性のあるマーケット

3つ目に、投資家にとっては時価総額が大きく、流動性があることも重要です。

金の時価総額は7.6兆ドルと、20兆ドルを超えるS&P500の時価総額には及びませんが、たとえばTOPIXの時価総額は5兆ドルですので、米国を除く主要株価指数の時価総額を上回る規模となっています。

一般に、金は“商品”と認識されていますが、ほとんどの商品とは違って物理的には消費されません。宝飾品もほとんどがリサイクル可能です。エネルギーや穀物などのように、生産されたものが消費されてなくなることがありませんので、地上にある在庫は増える一方です。このことが量的な規模の拡大による大きな流動性の源泉となっています。

リスク調整後のリターンを改善

最後のポイントとして、金をポートフォリオに加えることでリスク調整後のリターンを改善することが期待できます。ここでは、米年金ファンドの平均的なポートフォリオに金を加えるとどのような効果があるのかを見てみましょう。

米年金ファンドの平均的なポートフォリオでは、2016年までの過去10年間の年平均リターンが4.7%、ボラティリティは12.7%となっています。このポートフォリオに1%相当額の金を加えるとリターンは4.8%に上昇し、ボラティリティは12.4%に低下します。

同様に、2.5%相当を加えるとリターンが5.0%、ボラティリティは12.0%、5%だとリターンは5.2%、ボラティリティは11.5%となります。金の組み入れ比率を高めることでリターンが上昇し、ボラティリティが低下することでリスク調整後のリターンを改善する傾向にあることがわかります。

WGCによると、ポートフォリオの2%から10%を金に投資することで年金ファンドのリスク調整後のリターンが改善することがわかっています。また、リスク資産や流動性の低い資産の割合が高ければ高いほど、金の保有は効果的だと指摘しています。

このほか、仮に金のリターンが2-4%に低下しても有効性に変わりはなく、インフレ連動債や不動産などの代替資産が既にポートフォリオに入っているとしても、金を加えることは有効だと述べています。

投資のプロの秘密のポートフォリオ

金は今、かつてないほどプロの投資家から愛されています。たとえば、米年金ファンドの非伝統的な資産の保有比率は2006年の17%から2016年には27%に増加していますが、これは伝統的な資産との低い相関と株価急落へのヘッジという金の分散効果への期待の表れといえるでしょう。

先進国では非伝統的な金融政策からの正常化が始まっており、世界経済は大きな転換期を迎えています。株、債券、原油など最近の資産価格の総崩れは、2008年の金融危機との類似点と言えるでしょう。

今回の世界同時株安で、リスク管理に不安を感じた方であれば、ポートフォリオに金を組み込むことでリスク調整後の期待リターンを高める秘密のポートフォリオを参考にされるとよいかもしれません。
投信1編集部

最終更新:2月14日(水)21時10分

投信1

 

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