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滞納者の家賃を「部屋まで取りに行く」理由

2月14日(水)20時00分配信 不動産投資の楽待

(写真© Paylessimages-Fotolia)
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(写真© Paylessimages-Fotolia)
今回は、「家賃滞納者の対応方法」について書いていきたいと思います。

■「たまたま支払いが遅れた人」に気付く

大家にとって何が大切かというと、「家賃の入金」です。家賃が入ってこないことには何もできません。家賃(お金)があってこそ、アパートの修理・リフォームなどの原資になり、大家さんの生活と経営が成り立つわけです。

家賃の回収について、私は「入居者は入居していれば家賃を払うのは当たり前」と大家業を始めたころは思っていました。普通の方は家賃を支払うものと思っていることは確かですが、普通とはなんでしょうか……このことは順番にお話していきます。スズヨシ(ゆり子流)での「家賃滞納者の対応方法」を書いていきたいと思います。

スズヨシの賃貸借契約書には、家賃は28日までに次の月の(前家賃)家賃を入金すると記入されています。が、なかなか全入居者にきちんと前家賃として入金していただけるとは限りません。いつも同じ方になるように感じますが、毎月入金が遅れる人が何人もいます。28日が締切日ですので、29日には記帳の為に銀行へ行きます。この段階では30人以上の未入金があります。

30日にも記帳に行きます。たいていは毎月同じ方が未入金ですが、未入金の方の中に毎月キチンと入金頂いているのに今回はどうしたの? という方がいます。その方には別の対応をしています。

スズヨシは原則、入居時に賃貸保証会社に入っていただきます。最近の入居では賃貸保証会社は絶対加入にしています。羽生市ではまだまだ賃貸保証会社への加入は少ないのが現状ですが、私の物件では全加入です。

デメリットは、賃貸保証会社の審査でだめな方は入居いただけない為、その分、契約に至らない場合多くなることです。メリットはブラックリストの方が入居しないことです、それでもトラブルはあります。最近は外国の方が多くなり入居審査も条件はいろいろありますが、少し難しくなってきているように感じます。

■滞納者への電話に一工夫

話を戻します、私の所では5日までに入金していただけないときには保証会社へ請求書を出します。但し、今まで毎月きちんと家賃の入金があった方が、今月はないという方は5日ごろに私が電話します。

その電話を掛けるにも「○○さん、家賃が入っていませんので入金ください」ではなく、「○○さん、どうしたの? 何か変わったことがあったの…?」と声をかけます。

入居者さんは私(大家)からの電話ですから、すぐ家賃のことだとわかるわけです。「アッ、大家さん、家賃まだ入金してなかった? 明日すぐ入金します」と言います。そこで「○○さん、家賃もそうだけど、何かあったのかなと思ってさ……いつもきちんとしている○○さんがここ何ヵ月か家賃が遅れ気味だから……何かあったら言ってね」と声をかけます。

そうすると入居者さんから「新車を買って車のローンの支払いがあったので家賃が少し遅くなってしまった」とか言い訳を聞くことになります。不思議なことに、入居したら家賃は月末28日には支払うという約束なのですが、他のローンや支払いが先になり、家賃は最後の支払いになってしまうのが現状です。家賃は少し遅れてもすぐには追い出されないと思っている方がいると感じます。

入居者さんは「来月からはきちんと支払います……」と言います。私が「今月はどうするの?」と優しく言うと「明日入れます」と必ず言います(どなたでもそう言います)。

私「明日全額入れてもらえるの?」
入居者さん「大家さん、全額は無理かも…」

家賃が5万ですので、「最低でも2万か3万円以上は入れてもらえる?」(1万円か2万円は入れてくださいと言うと必ず1万円になります、金額の高いほうの2万円と言う方は今まで一人もいませんでした)と言うと、2万円の支払いが大変な方は入居者さんから「1万円にしてください」と言ってきます。

その時は必ず「いいよ」と言いますが……その先の支払いが心配になりますから、そこはきちんと対処しておきます(保証人へ後日連絡を取って、入居者さんが今こんな状態ですと連絡入れておきます。保証人に連絡しておくと保証人から本人へ連絡が行き、支払いもきちんとしてくれるようになります)。

入居者さん「2万円でいいですか…?」
私「2万円でもいいけど残りはどうするの?」
入居者さん「残りは毎月1万円ずつ支払います」

このとき、「毎月の家賃(5万円)+1万円=6万円で支払える? 大丈夫?」と聞きます(ここが大事です、支払えない金額を言ってもらっても次回の集金が苦労するだけです)。

入居者さん「大丈夫です。明日銀行から入金します。今月は2万円でお願いします」

多くの人が「明日、銀行から入金する」と言います。

■「銀行振込」を待たない

ここで「じゃあ、お願いね」と言ってはだめですよ……。私は「銀行でなく私が集金に行くから、明日の夜7時ごろでいいかな……」と伝えて、必ず私が集金に行きます。

なぜ、銀行から入金してくれるというのにわざわざ集金に行くと言うのか。それは入居者さんのお部屋の中が見たいからです。なぜ見たいのか……これはゆり子流の見方ですが、今まで何人もの入居者さんとお茶飲みをさせて頂いた経験からして、お部屋の中がきれいに片付いている方はお金(私生活)もきちんとしているように思います。

生活が荒れてくる(部屋が散らかっている)と私生活(お金)も荒れてくるように思います。これは今まで当たっていると思っています。入居者さんのお部屋の中を見たくてわざわざ集金に行くのです。同じ集金時間でも、昼間のお天気の良い時に訪ねるのは一番だめなケースです。

なぜかって……天気の良い明るい時の昼間に伺うと両隣の方(他の部屋の入居者)はお仕事で室内にいない確率が高いからです。必ず、隣の部屋に人がいてほしいのです。隣の部屋に人がいれば、「ドアの外で家賃の集金をしていることが隣に聞こえてしまうから玄関に入らせて」と言えます。

いちばん集金のタイミングが良い条件は、夜の7時過ぎ(午前7時前と午後8時以降は集金などでは訪ねて行ってはいけないのです)で隣のお部屋の人が帰ってきていて、大雨の時です。

雨が降っていなければ、入居者さんはほとんど部屋の中を私に見せたくないために(お部屋が汚れていればいるほど部屋を見せないようにします)、入居者さん自身が玄関ドアの外に出てきて家賃を支払おうとします。それではだめなのです。室内を見る事ができないなら、集金に行った意味がなくなるのです。

集金に行く時間帯が夜で大雨が降っていたら……ドアをノックした時、内側からドアを開けてくれたら、「大家の鈴木です、ごめんね、雨で体がびしょ濡れになるから玄関に入らせて」と言って、スッと中に入ることができます。

キッチンだけでも室内の様子を見渡せばだいたいわかります。きれいに片付いていれば支払いも大丈夫となります。反対に散らかっていたら支払い(集金)は気を付けるようにします(集金時の世間話の中からも感じることもあると思います)。

五感を研ぎ澄まして入居者さんとの関係を作っていくことです。ただ優しいだけではだめなのです。中には約束をしていても、何度訪ねて行ってもお支払いしていただけない方もいます。その時には覚悟を決めることです。

何の覚悟かですって……「必ず集金させていただく」という覚悟です。なかなか、ここの気持ちに心を入れるということはしんどいこともあります。

■個々の家族を見ることが重要

入居者さんのところには、毎月必ず約束の日時には出向くことが大切です。いつもきちんと約束の時間に待っていてもらえるとは限りません。集金(家賃の回収)ができなくても、夜8時を過ぎると待っていても集金することはできません。

そんな時には次の日の朝7時にはお部屋の前で待っています(私は朝6時か6時半には現場のアパートには行って待っています)。こうなると集金も大変です。だから覚悟が大事というのです。

保証人に督促しても「私が支払います」という方でしたらこんなことにはなりません。何度も足を運ぶことです。私はよく、冗談ですが「テントを張ってお部屋の前に住み込みで待っていようかな?」と言います。中には本当に生活が大変な方もいます、入学式や卒業式になると家族の方は家賃が遅れる方もいます、家族の入居者は「子供の入学式にお金がかかって」とか言います。

私はよくこの方に言います。「家賃は入居した時から毎月28日支払う、子供さんは生まれて6年経てば小学校入学と決まっていることだから、親はそのために働いて準備するのではないですか」と。入居者さんは私に向かって「ケチ大家」と言います。それでもこの方は、真面目に働いている方ですので、家賃は集金させてもらいます。

但し、私からの入学式(卒業式)のお祝い金として金一封(だいたい集金額の半分ぐらいを目安に)集金が2万円なら1万円、5万円なら3万円をお祝いに包みます。そのお祝い金を両親に渡すのではなく、子供さんに渡します。子供さんに祝い金を渡すときには、きちんと大人として子供さんと接することです。

私は「小学校、御入学おめでとう、これは鈴木さんからのお祝いです。入学に必要なものを買ってね、お返しはいらないから。ただし、鈴木さんがお掃除に来た時にお茶を2回入れてくれる、お水をコップ一杯でもいいからお願いできる?」と言って渡します。

それを見ていたお母さんが「大家さんすみません」と言いますが、私は「お祝いはお母さんにあげたのではなく○○ちゃんにあげたお祝いだから……○○ちゃん、これでノートや鉛筆を買ってね」と言います。

私も家賃督促の時には「くそババア」とか言われるときもあります。それでも、家賃は断固としてきちんと支払ってもらいます。但し、厳しいだけではだめで、個々の家族をきちんと見ていることと、コミュニケーションです。

たとえば車のローンを先に支払うか、家賃を支払うか、入居者が迷った時に、大家さんの顔が脳裏に浮かんでくるような関係なら、家賃が遅れても支払ってくれると思います。やはり、最後は人と人の関係です。

■入居者との関係を築く

人と人との関係を築くためには、草取りや掃除にアパートに行ったときには入居者に声掛けをすることです。

「おはようございます」「行ってらっしゃい」「おかえりなさい」のように最初は一言ですが何回か声掛けをしているうちに、「おはようございます」の次に「風邪ひかないでね」と、言葉が続いて出てくるようになります。

相手の入居者さんからも「おばちゃんも風邪ひくなよ」とか返事が返ってきます。こんな風に返事が返ってくる関係になれれば、20(入居者数)対1(大家)の関係が1対1になって個人対個人の関係に近づいていきます。

そのような関係が作れれば家賃のトラブルなどの時も「大家さんが言うなら」と、うまくいくようになります。今回書いた、お部屋に集金に行ってちょっと入れてもらうのも関係性があるからこそです。

但し、こんな関係を作っても、いっぺんに関係が壊れるときもあります。また、反対に大家と入居者の関係を通り越して、私のアパートを退室して15年近くなってもいまだにお正月には年賀はがきをいただける方もいます。そこには家族のことなど書いてあり、大家をやっていてよかったと思う時です。

大家業の泣き笑いはこれからも続きます。
鈴木 ゆり子

最終更新:2月14日(水)20時00分

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株式会社ファーストロジック

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