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株価・仮想通貨急落の中で改めて注目される「金価格」の底堅さ

2月13日(火)21時10分配信 投信1

久々に大幅な株価下落、NYダウは2週間で最大▲12%超下落

写真:投信1 [トウシンワン]
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写真:投信1 [トウシンワン]
ご存じの通り、この直近2週間で世界の株式相場は大きく下落しました。

その発端となった米国では、NYダウが高値から最大▲12%超下落し(26,616ドルから23,360ドルへ)、日本でも日経平均株価が同じく最大▲13%弱下落(24,129円から21,078円へ)するなど、久々に大幅な調整局面を迎えています。

さらに、欧州株やアジア株でも同様の急落となり、とりわけ、中国株(上海総合株価指数)は最大▲15%弱の下落を余儀なくされました。株式投資をしている人だけでなく、貯蓄目的で投資信託やETFを購入した人も、改めて価格変動の恐さを実感しているのではないでしょうか。

仮想通貨ではビットコイン価格が最大▲72%下落

また、大幅な価格調整となったのは株式だけではありません。

特に、株式相場と時間軸のズレはあるにせよ、仮想通貨は“暴落”という水準を超えた惨状となっています。代表的な仮想通貨であるビットコインは高値(昨年12月の約235万円)から最大▲72%超下落(2月に約65万円)しました。

仮想通貨は先日起きたコインチェックの流出問題の影響も大きいと思われますが、大火傷を負った人も少なくないと推測されます。なお、現在のビットコイン価格は概ね90万円前後です。

株価急落の中で底堅く推移した金価格

さて、今回のリスク資産の急落相場で、改めて注目されたのが金(ゴールド)でしょう。

金も広義ではリスク資産の1つですから、今回の世界的な価格調整の影響を受けました。直近の高値1,353ドル(1トロイオンス当たり、以下同)から最大▲3%弱の下落(約1,315ドルへ)となりましたが、その下落率が圧倒的に小さいのは明白です。

金価格が底堅く推移したのは、株式などから投資資金が一時的に避難してきたからでしょうか? 

トランプ勝利以降は伸び悩む金価格、それでも安値後は+20%超高

出所:LBA(The London Bullion Market Association)のPM終値、円建て価格は三菱マテリアルの公表する小売価格(消費税抜き)
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出所:LBA(The London Bullion Market Association)のPM終値、円建て価格は三菱マテリアルの公表する小売価格(消費税抜き)
ここで、2016年11月の大統領選におけるトランプ勝利以降の金価格を簡単に振り返ってみましょう。

米大統領選前は、“もしトラ”の場合は株安金高と予測されていましたが、実際には株価はトランプラリーと称される歴史的な上昇相場となりました。一方の金は、大統領選直後の1カ月強で最大▲12%超の大幅下落(1,283ドルから1,125ドルへ)となりました。

しかし、その後は山と谷を繰り返しながら、下落後安値から最大+20%超の上昇(1,125ドルから1,353ドルへ)となったのです。それでも、大統領選直後からの金価格の上昇率は最大+5%に過ぎず、この間の株式(NYダウ)の最大上昇率+45%から大きく見劣りしていたのは間違いありません。

では、なぜ金価格は低迷してきたのでしょうか? 

FRBによる度重なる利上げ実施は金相場の大きな逆風に

上昇が続いた株式相場への資金シフトのほかに、金価格が伸び悩んだ最大の理由はFRBによる利上げ実施です。金利のつかない金にとって、利上げは最大のマイナス要因だからです。

実際、トランプ当選以降も、2016年末に1回、2017年は3回にわたる利上げが行われました。そして、2018年も今のところは、3~4回の利上げ実施が見込まれています。金相場にとっては大変な逆風と言えましょう。

大逆風でも緩やかに上昇してきた金価格

しかし、これは逆に言うと、株式への資金シフトや、度重なる利上げ実施にもかかわらず、緩やかとはいえ金価格が上昇してきたことに注目するべきです。では、なぜ金価格は底堅く推移してきたのでしょうか?  考えられる理由は2つあります。

1つ目は地政学リスクの高まりです。これは、北朝鮮問題や中東情勢悪化により、今後の紛争勃発の可能性が高まったことで、実物資産の金に対する需要が高まったと考えられます。しかし、現時点では、金価格押上げへの寄与は限定的と言えそうです。

最大の要因はドル安、利上げ実施でもドル高に向かわない

2つ目はドル安ですが、こちらの方が重要な理由と考えられます。米ドルと反相関関係にある金は、ドル安になると価格押上げ効果が非常に大きくなります。

“えっ、ドル安?”と思う方も多いかもしれません。しかし、度重なる利上げにもかかわらず、ドル高になる気配はほとんど見られないのが実情です。円ドルレートだけを見ても、この1年間は大幅な円安に振れることはなく、現在は再び円高傾向にある状況です。

FRBが幾度となく利上げを実施し、さらに、直近は米国の長期金利が上昇したにもかかわらずです。米ドルは金融市場が考えている以上に弱いと言えるのではないでしょうか。

ドル安が続けば金投資が改めて見直される局面も

“ドル暴落”というような状況が起きるとは思われませんが、今後も緩やかなドル安が続くならば、金投資が再度見直される可能性は高いと言えましょう。今回の株価急落の一方で、金価格が底堅かったのはこうした状況を示唆していると考えられます。

金の価格には、世界の政治・経済・金融が反映されると言われますので、今後の金相場から目が離せそうにありません。なお、日本国内で金の地金に投資する場合は、円高による為替換算の影響を受けることに注意してください。
投信1編集部

最終更新:2月14日(水)0時30分

投信1

 

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