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とれんど捕物帳 株の沈静化待ち 実に嫌なタイミングだが来週は米CPI

2月10日(土)9時00分配信 KlugFXニュース

 今週は株安に翻弄された1週間であっただろう。株安については正直言って何の驚きもない。いつ来てもおかしくはない状況にはあった。むしろ調整をしたほうが良いとも考えている。一旦小休止し息を整えなければ更に上には行けない。実際、今回の株安をバブル崩壊の前兆と捉えている向きは少ない。個人的にバブル崩壊とはクレジットの崩壊と見ている。リーマンショックもそうであったであろうし、日本のバブル崩壊もそうであったように、このケースのメインの悪役はきまって銀行になる。その気配は皆無といってよいであろう。

 きっかけは先週末の強い米雇用統計を受けてのインフレ警戒、そして、中央銀行の出口戦略のスピードへの警戒感だ。昔であれば、「中央銀行たるもの株を落としてやるくらいがちょうど良い」ということだったのかもしれないが、いまは違う。リーマンショックで落ち込んだ経済を立ち直させるために、ゼロ金利や量的緩和で株式市場を支え、その株高を景気浮揚の原動力とした傾向が見られる。高齢化社会を向かえた資産国家にとっては最善の選択肢だったのであろう。当然、それを巻き戻すわけだから、中央銀行も最新の注意を払う必要がある。国民より株主重視と言われない範囲で。「株を見て金融政策はやっていない」と口では言うであろうが。

 そんなことはさて置き、せっかく戻り歩調になっていたドル円もリスク回避の円高で失速している。ただ、株急落の割に下げはそれほどきついという印象はない。取りも直さず現段階では、株式市場が落ち着くのを待つのみであろう。特に震源地の米株だが、恐怖指数として知られるVIX指数というのがモノサシとしてはある。株式のオプション取引を要素として反映した指数だ。株では一般的だが、FXのプレイヤーにはさほどなじみがないかもしれない。この指数が少なくとも20ポイントを安定的に下回るまでは積極的な行動は控えたいところだ。ここでも数字だけだが、毎朝配信している。
 
 さて来週だが、ここでFXのプレイヤーなら、株式市場が落ち着きを取り戻したあとのシナリオを考えなければならない。どうも為替市場は一旦ドル高で見ている雰囲気もある。株式市場が落ち着いてもインフレ警戒、そして、中央銀行の出口戦略のスピードへの警戒感は残る。米国のみならず、ユーロ圏、英国の国債利回りが上昇している。出口戦略のスピード感という点では、FRBが先行していることから、まずはドルからというシナリオも考えられる。ただし、ここで何度も述べて来たが、余力という点ではECB、そして日銀のほうが遥かに大きい。ドル高は持続しないと見ているが、目先はドル高から入る可能性もありそうだ。

 そして、実に嫌なタイミングだが、来週は米消費者物価指数(CPI)の発表が14日水曜日に予定されている。食品、エネルギーを除いたコア指数で前年比1.7%が現段階では見込まれている。1月分のデータなのでまだ、インフレの兆候を示す内容は出ないであろう。個人的には春以降の可能性を見ている。ただし、リスクとして警戒したいのは予想を上回った場合であろう。素直にドル円にはポジティブな材料と言いたいところだが、今回は株式市場がその時点でどうなっているかも加味する必要がある。正直言って来週は、やり過ごすのが一番かもしれない。

 来週のドル円だが、リスクは多いものの底堅い展開を期待したい。ただし、あくまで自律反発の範囲であることは留意される。

想定レンジは107.50~110.50円を想定。スタンスは先週の「やや弱気」から「中立」に変更。

()は前週
◆ドル円(USD/JPY) 
中期 下げトレンド継続
短期 ↓(↓↓↓)

◆ユーロ円(EUR/JPY)
中期 上から中立へトレンド変化
短期 ↓↓(→)

◆ポンド円(GBP/JPY)
中期 上から中立へトレンド変化
短期 ↓↓(↑↑)

◆豪ドル円(AUD/JPY)
中期 中立から下へトレンド変化
短期 ↓↓(↓)

◆ユーロドル(EUR/USD)
中期 上げトレンド継続
短期 ↓↓(↑↑↑)

◆ポンドドル(GBP/USD)
中期 上げトレンド継続
短期 ↓↓(↑↑↑)

minkabu PRESS編集部 野沢卓美

最終更新:2月10日(土)9時00分

KlugFXニュース

 

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