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動きだした穀物の価格のこれからを考える

2月1日(木)11時03分配信 KlugFXニュース

 シカゴ市場では大豆、コーン共に1月下旬に上値追い場面を演じ、シカゴ大豆の中心限月である3月限は終値ベースとしては昨年12月8日以来、初めて1000セント(10ドル)台を回復したほか、シカゴコーンの中心限月である3月限も3月限としては11月8日以来となる360セント台に達しています。

 大豆、コーン共に1月半ばから下旬にかけては大豆の場合は980セント以下、コーンの場合は355セント以下、と安値付近で低迷していました。それが連日、上昇場面を演じて一気に値位置を引き上げてきています。

 その背景となっているのがアルゼンチンの高温乾燥です。これまでもシカゴ市場ではアルゼンチンの高温乾燥懸念が手掛かりとなって買われる場面が見られました。特にその傾向が顕著だったのが大豆市場です。

 それは、アルゼンチンが世界最大の大豆粕輸出国であり、同国の大豆のイールドが低下すれば同国の大豆粕生産量が減少し、これが米国産大豆の輸出用需要拡大に繋がるのではないか、との見方が背景となっていました。

 ちなみに米農務省(USDA)は17/18年度のアルゼンチンの大豆粕生産量を3442万トンと予測しています。これに対し米国の大豆粕生産量は4182万トンが見込まれているため生産面では米国が世界最大となります。

 ただ、輸出量となると、同年度のアルゼンチンの輸出量は3120万トンが見込まれているのに対し、米国は1107万トンが予測されており、アルゼンチンが米国を大きく上回っているのです。

 アルゼンチンの大豆粕輸出の過去を振り返ってみると、年間輸出量が米国を上回ったのが1990年/91年度。その後は米国と世界最大の大豆粕輸出国の座を奪い合っていましたが、米国の大豆粕輸出が伸び悩むのに対し、アルゼンチンの大豆粕輸出は97 /98年度には1000万トン台に達し、それから7年後の2004/2005年度には2000万トン台に達するなど、大幅な伸びを見せてきたことで、世界最大の大豆粕輸出国としての地位を不動のものとしてきたのです。

 ちなみに世界第2位の大豆粕輸出国はブラジルで、同国の17/18年度の輸出量は1525万トンが見込まれています。アルゼンチンの大豆粕輸出量がいかに突出しているかが分かります。

 そのアルゼンチンの大豆は、一期目の大豆が1月に開花~受粉の時期を迎えます。つまり、この間に高温乾燥に見舞われた場合、同国の大豆生産量が減少し、これに伴って大豆粕輸出が減少するとの見方が強まることになるのです。

【アルゼンチン産コーンの生産見通しも下方修正との見方】
 これまではアルゼンチンの高温乾燥に対する反応が薄かったコーン市場においても上昇基調が強まったのは、高温乾燥を受けて同国のコーン生産量見通しが下方修正されるとの見方が強まったことが背景となっています。

 なお、米農務省(USDA)は1月12日に発表した需給報告では17/18年度のアルゼンチンの生産量予測を大豆は前月予測の5700万トンから5600万トンへと下方修正しましたが、コーン生産量予測は前月と同量の4200万トンに据え置いています。

 ただ、ここに来てドイツの金融機関であるRabobankがアルゼンチンの17/18年度のコーン生産量予測を200万トン下方修正した3900万トンとの見通しを発表しました。これは高温乾燥がアルゼンチンの生産量にも影響する可能性が高いとの見方が強まっていることを示唆します。

 特にアルゼンチンでは二期作目のコーン作付が終盤を迎える頃で2月にはこのコーンが受粉期を迎えることになりますが、作付段階ですでに土壌水分が不足した状態にあることだけに、今後、雨が降り続かない限り2期作目のコーン生育は不良に陥るリスクが高いと考えられます。

【米国産コーンは輸出伸び悩み作付けは縮小の可能性】
 米国内の穀物需給は潤沢な状態にあり、近年の南米の生産力拡大を受けて現在、米国の大豆およびコーン輸出は伸び悩んでいます。高温乾燥の影響でアルゼンチンのイールド低下リスクの高まりに加え、今春の米国の作付は豊富な在庫を抱えた状態であるため縮小に向かう可能性も浮上しています。

 ブラジルの生育が今のところ順調に進行しているため、極度の供給不足に陥ることは無いと見られますが、アルゼンチンの高温乾燥は米国にとっての需給引き締まり観測を強め、テクニカル的にも底打ち感を強めていることから、アルゼンチンを中心とする南米諸国の天候を睨みながらとはいえ、引き続き上値含みで運ばれることになりそうです。

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平山順

最終更新:2月1日(木)11時03分

KlugFXニュース

 

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