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○○を経験すれば記憶力が倍になる

1月29日(月)6時00分配信 ダイヤモンド・オンライン

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 どうすれば外国語を10年、20年と記憶に残すことができるのか?あの中野信子氏が絶賛した話題の新刊『脳が認める外国語勉強法』には、ヒトの記憶の特性を最大限活用し、一度覚えたら単語も文法も忘れなくなる方法を紹介している。特別に一部を無料で公開する。

● ヒトは「暗記」に向いていない

 学校や職場では、誰もが何かしら暗記させられた経験があるだろう。しかし、覚え方を教えてくれる人はめったにいない。それには理由がないわけではない。そもそも、「暗記」という行為は存在しない。考える、繰り返す、思いだす、想像する、といったことはできるが、私たちは暗記するようにはできていないのだ。

 人の脳は考えるようにできていて、大事なことは自動的に保持される。近所で遭遇した人懐っこいトラから走って逃げているあいだ、「このことを覚えておかなければ!トラは危険だ。忘れるな。トラは危険だ!」とは考えない。逃げてさえいれば、脳がそのことを覚えておいてくれる。

 暗記に最も近い思考活動は思いだす練習だ(「あの男性の名前は何だったかな?」など)。そこで、うまく思いだせたときに得られる感情について具体的に見ていくとしよう。

 今まで見てきた英単語を思いだしてみてほしい。たぶん、思いだす努力を続けても、脳内に立ち込める霧に阻まれて浮かんでこない単語がきっとある。

 時間を空けてさらに思いだせるかどうか試すと、興味深い結果が表れる。翌週になればきっと、あっさり思いだせた単語は忘れている。思いだすのに少し時間がかかった単語を覚えている確率のほうが20%ほど高い。

 そして、思いだすのに苦労した単語(思いだそうとしたときにほとんど思いだせなかった単語)は、意識に深く刻まれている。だから、時間がたったあとでも75%の確率で思いだせる。しかも、「喉まで出かかっている」ともがく瞬間があった場合は、思いだす確率が倍になる。
●  「喉まで出かかっている」瞬間は最高の体験

 いったいどういうことなのか?喉まで出かかっているともがき苦しんだ果てにようやく単語を思いだせたときのことを詳しく見ていこう。

 こういう単語は曖昧に記憶されている。単語の断片は拾えるが、全体像は見えない状態だ。最初のアルファベットが「s」である、意味が「詩」や「独白」と似ている、「solipsist(唯我論)」や「solitaire(ソリテール、指輪用1つ石)」に響きが似ている、といったことは思いだせても、肝心の「soliloquy(独り言)」という単語にたどり着くには時間がかかる。

 そういうときに思い浮かぶ情報は、たいていは正確だ。探している単語が「s」で始まるという情報が思い浮かべば、脳は必死で残りの文字を探し回る。「s」で始まる単語をやっきになって作りだし、探しているものでないとわかったとたんに捨てる。脳がこうした検索を始めると、扁桃体は生死にかかわる事態が起きたとみなす。

 扁桃体にとって、映画『グッド・ウィル・ハンティング』でマット・デイモンのセラピストを演じた俳優の名前(注1)を思いだせないことは、最寄りの窓から身を投げだすことと同じなのだ。

 逆にいえば、探している単語が見つかれば、生死にかかわる緊張から解放されるということだ。それだけの解放感を味わうのだから、見つかった単語は忘れたくても忘れられなくなる。

 この恩恵にあずかるにはどうすればいいのか?いや、この恩恵にあずかりたいと思うべきなのか?脳をだまして思いだせない単語を永遠に追い求めるなど、ストレスがたまるだけではないのか。これを1日に100回もやるとなると、寿命が縮まるのではないか。

 幸い、思いだす行為は必ずしもストレスにはならない。ストレスにしないためには、その行為をおもしろいと感じるものにすればいい。新しい友人の名前をまだ覚えているかどうか、来る日も来る日もひっきりなしに自分に尋ねていては、当然飽きてしまう。簡単過ぎるし単調だ。それに、効果もあまりない。

 だが、忘れる直前になって初めて思いだすようにすれば、刺激的な挑戦になる。適度な刺激を感じるくらいの難易度にして、思いだすという行為をおもしろくするのだ。そうして無事に思いだせれば、かけた時間の2倍の恩恵にあずかれるし、その行為も楽しいものになる。

注1 セラピストを演じたのはロビン・ウィリアムズ。
 まとめ
・思いだすテストは、なかなか思いだせないものを思いだそうとすることで最大限に効果が高まる。忘れる直前に近いタイミングで思いだそうとするほど、実際に思いだしたときに深く脳に刻まれる。
・忘れる直前に思いだすということをつねにできるようになれば、テストの効果が2倍になる。
ガブリエル・ワイナー/花塚 恵

最終更新:1月29日(月)11時20分

ダイヤモンド・オンライン

 

情報提供元(外部サイト)

週刊ダイヤモンド

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