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中村潤一の相場スクランブル 「バブル初動!『新インバウンド関連』大相場へ」

1月17日(水)19時00分配信 株探ニュース

minkabu PRESS編集部 株式情報担当編集長 中村潤一
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minkabu PRESS編集部 株式情報担当編集長 中村潤一
現在値
ルーデンH 612 +5
エスクリ 794 -9
日駐車場開 183 -2
グロバル社 758 -4
ランシステ 885 -2
minkabu PRESS編集部 株式情報担当編集長 中村潤一

 米国株主導の世界株高。日本もその恩恵を享受しながら日経平均株価は年初に記録的な上昇をみせ、その後も浅い押し目を入れながら上値を指向し、気がつけば2万4000円台を目前に捉えています。今の相場の強さを印象づける言葉に“インフレ期待”があります。例えば、これまでは原油高や人件費の上昇などで相場が弱含めば“インフレ懸念”という言葉がメディア上に踊っていました。しかし、今はインフレモードを味方にする雰囲気が株式市場を取り巻いているのです。

●外国人投資家の世界と個人投資家の世界

 今年は米国に続いて欧州も超金融緩和政策からの出口戦略に動き、世界的な過剰流動性に明らかな変化が出る年になりますが、それを承知のうえで金融相場と業績相場のダブルエンジンが株高を強力に後押ししている状況にあります。1月第1週はわずか2日間しかなかったにも関わらず外国人投資家は現物で4851億円、先物で2025億円の買いを入れてきました。これは、今年前半の相場の方向性を決定づけるようなインパクトがありました。

 日経平均の強さもさることながら、個別株のボラティリティも高い相場です。東証1部市場では日々当たり前のように複数のストップ高銘柄が出ている状況で、昨年来、徹底的に現物売り越しを続けている個人投資家も、短期では存分に買いの回転を利かしていることが窺われます。基本的に個人は逆張りスタンスであり、現物で月次ベースの買い越しに転じる場面はなかなか訪れそうにありませんが、裏返せば個人が保有株を売り続けるなかで、今はまだバブルを懸念する局面には遠いということです。

●NaITOの上ヒゲ形成後の相場が示すもの

 銘柄にはそれぞれ特性があり、短期急騰型は中長期投資には向かないと考えられがちですが、決してそんなことはありません。短期で値幅が取れそうに思える銘柄は、その時点で投資対象として魅力に満ちているからこそ食指が動くわけで、長い目でみても強いチャートを形成するケースは少なくないようです。当該企業のファンダメンタルズを著しく向上させるような材料が出現した場合は別として、通常、急上昇すればその反動が出るのは必然ですが、急騰後に萎むいわゆる上ヒゲ銘柄は、中期上昇波の入り口を示唆していることもあります。

 例えばNaITO <7624> [JQ]は11月29日アップの当コーナー「需給エンジン全開の“奔騰株攻略”作戦」において筆頭で取り上げ翌30日に急動意、この時はザラ場288円の高値をつけ長い上ヒゲ陰線で引ける味の悪い形となりましたが、その後200円台前半で売り物をこなし再点火、年明け早々の1月5日には414円の高値をつけました。29日の寄り値は208円でしたから、そこから約2倍となった計算になります。週明け1月15日に急騰株の税金ともいうべき増担保規制がかかり、目先的には売買自由度が失われています。時価予想PERは35倍前後まで上昇し、さすがにここから一段の大化けは難しいとみますが、11月末を境に相場にうねりが生じていることは事実であり、下値切り上げ波動が崩れない限り押し目買い対象として注目は怠れません。

 一方、当コーナーで自信をもって取り上げたつもりが、想定したチャートのイメージから軌道が外れてしまった銘柄もあります。それは「2017年の“大トリ爆進株”を探せ」で紹介したスペースシャワーネットワーク <4838> [JQ]で、12月13日にアップしたものの買いが続かず、15日に高値をつけ反落というパターンとなり、調整局面を余儀なくされてしまいました。しかし、Sシャワーは値動きにはクセがありますが、将来的な視点に立てばキャパシティーが感じられる銘柄であることに変わりありません。年が改まると同時に動きにも変化がみられ、再度上値チャレンジが見込めそうな気配が漂います。

●始まった「インバウンド×不動産」大相場

 今の相場における最も旬なテーマを挙げるとするなら「新インバウンド」。ひとことで定義すれば、インバウンド関連の範疇にあっても、これまでとは違った切り口を持つもので、具体的にはモノではなく“地面”に絡む銘柄群ではないかと考えています。安倍政権が第一義とする「デフレ脱却」のテーマに、実体経済に先駆して期待に応えているのは紛れもなく株式市場。このアベノミクス相場の恩恵を享受する形で、不動産市場も脱デフレの急先鋒として追随する兆候をみせている点に注目したいところです。

 東京・銀座4丁目交差点と言えば、路線価格日本一の鳩居堂前が有名ですが、この地が2017年に1平方メートル当たり4000万円を超え(坪換算では約1億3000万円)、過去最高だったバブル直後の1992年当時の価格を上回ったことが話題となりました。

 これは、世界のファンド系資金がグローバル規模で不動産市場に流れ込む現状がバックヤードにあり、いわば局地的なバブル現象。かつての土地バブルとは違い参加するプレーヤーが一部の富裕層のみであることから、超金融緩和環境をステージとした波及効果のないマネーゲームの断片図に過ぎない、と冷めた目で見られていました。ところが、今は安倍首相肝いりで推進している「観光立国日本」の看板が、地方景気においてもインバウンド需要を誘致する格好となり、当然ながら不動産にも少なからぬ影響を与える可能性が高まっています。株式市場の体感温度はまだ低いとはいえ、日本列島全体がバブル初動に入ろうとしている、そんな感じがします。

●訪日外国人は増加の一途で影響力絶大

 東証REIT指数は年初から下げ知らず。きょう(17日)も調整モードの日経平均株価を横目に上値を追い1730.98まで買われ、これで大発会から数えて9営業日連続の上昇となっています。アベノミクス相場のスタート時にも金融・不動産といった内需の脱デフレで見直されるセクターに投資資金が向かった経緯がありましたが、インバウンドと不動産の相性も良く、その時の相場の高揚感が再び蘇りつつあります。

 インバウンドといえば流行語大賞にもなった“爆買い”がキーワードでしたが、これはある種のお祭りで長くは続かず、その後はこの時の反動が関連銘柄の業績と株価に大きな試練となりました。しかしながら、訪日客数自体は全く衰えをみせておらず、株式市場にも改めてポジティブな影響を及ぼしてくると思われます。17年の訪日外国人客数は2869万人で前年比約2割の増加となり、訪日外国人旅行消費額は前年比18%増の4兆4000億円強と年間の過去最高額を大幅に更新しています。祭りのような賑やかさはなくても絶大な影響力を日本経済に与え続けているのです。では、モノ消費からコト消費への流れを背景に、ゲームチェンジャーとして新たに浮上してくるのは果たしてどういった銘柄でしょうか。

【訪日客ニーズを正面で受けとめるグローバル社】

 首都圏を中心にマンション開発や戸建て事業を手掛けるTHEグローバル社 <3271> は要注目です。18年6月期は戸建て販売が牽引する格好で営業利益は前期比7割増予想と好調。19年6月期も2ケタ伸長が見込まれ、この成長スピードにしてPER7倍台は割安感が光ります。ホテルは外国人に人気の京都の中心部に積極展開し訪日客需要を取り込むほか、東京では羽田空港を意識して蒲田にホテル事業用地を取得し、特需に備えています。京都では日本の様式を前面に押し出し魅力をアピール、インバウンドの受け皿とする構えで業績成長トレンドが再度加速しそうです。

【インバウンド婚で変身期待のエスクリ】

 また、ブライダル事業を企画・運営するエスクリ <2196> は、海外から日本に来て結婚式を挙げるいわゆる“インバウンド婚”需要を取り込んで成長局面入り。全国の都市部を中心にホテルやゲストハウスなどを積極展開しています。件数の増加に加えて単価も下げ止まっており、脱デフレの流れのなかで株価も大きく見直されることになりそうです。株価は修正後株価で15年4月につけた上場来高値1465円が当面のターゲットとなるでしょう。ここをクリアすれば青空圏が広がります。

【ストライダーズは事業転換で上昇新波動へ】

 ストライダーズ <9816> [JQ]も中期視野で大幅な水準訂正が期待されます。同社はネットセキュリティーなどIT関連商社でしたが、不動産賃貸やホテル事業に経営の重心をシフトしそれが功を奏しています。直近人気化したルーデン・ホールディングス <1400> [JQG]の連想も働くところで、大出直り相場の素地ありとみています。ホテル事業は成田や倉敷などいずれも訪日外国人を快調に取り込み業績に反映、特に成田ゲートウェイホテルは交通アクセスの優位性を生かし全体の約7割程度が訪日客という状況。株価は昨年末を境に浮上に転じており、時価500円台近辺は大底から切り返す第一歩に過ぎないといえるでしょう。

【グリーンランドは“くまモン”と特需を満喫】

 グリーンランドリゾート <9656> [東証2]は遊園地やホテル、温泉など観光施設を運営、九州が地盤でくまモンとのタイアップで訪日客の取り込みも期待されます。北海道では外国人に人気のスキーリゾートも展開。株価は昨年10月から動意づいていますが、時価PBR0.5倍台は究極のバリュー株といってもよく、上値余地は依然として大きいと思われます。

【ランシステムは日本の独自文化で需要取り込む】

 また、カプセルホテル「コミカプ」と複合カフェ「自遊空間」を展開するランシステム <3326> [JQ]も意外性十分で、昨年12月の急騰から良い形で調整を入れている1000円近辺は狙い目となりそうです。漫画やカプセルホテルは日本が誇るカルチャー。同社は訪日客向けに通訳サービスの導入店舗を既存の6店舗から、直営店全店へ拡大するなど、本腰を入れて需要を確保する方針にあります。

【日駐は全員参加型大相場の素地を内包】

 さらに、時価総額が700億円前後と比較的大きく出来高流動性に富む日本駐車場開発 <2353> は全員参加型材料株の資質を持ち、土地絡みの新インバウンド関連として柱ともなり得る銘柄でしょう。駐車場サブリースを主力としていますが、本業好調なうえ、栃木県那須町のテーマパークが人気。また子会社でスキー場も展開しており、日本でのスキーが訪日客のコト消費の切り札ともいえるだけに、株高に向けた手掛かり材料に事欠きません。15年4月につけた223円の高値を抜いてくればホンモノです。

【コスモスイニシアは脱デフレ経済の試金石】

 このほか、1月9日にアップした株探トップ特集「上昇特急“ニッポン株”、2部&新興『特等席10銘柄』でGO!」で取り上げたコスモスイニシア <8844> [JQ]を改めて挙げておきます。訪日客専用ホテルやアパートメントホテルを続々と開業する計画にあり、新インバウンドというよりは、デフレ脱却を命題とする日本で、その可能性を占う試金石というべき銘柄と考えています。

 コスモスイニシアは旧リクルートコスモスで13年に事業再生ADR債務を完済後、大和ハウス工業 <1925> の傘下に入った経緯がありますが、その後に復活を果たしました。安倍政権下でのデフレ脱却への道程に先んじる形でマンションやホテル開発に大注力しており、これが開花してくるとすれば、長期的にみて天井はとてつもなく高くなる可能性を内包しています。バブル期の1990年7月に6万7000円(修正済み株価)の高値をつけ、2000年代に入ってもリーマン・ショック以前の06年3月に1万1900円の高値をつけています。2月にアパートメントホテル「MIMARU上野NORTH」がオープンしますが、18年中に上野で3棟がオープンする見込み。パンダ関連としての切り口もあり、今年は同社株にとっても潮目が変わる年となりそうです。

(1月17日記、隔週水曜日掲載)

株探ニュース(minkabu PRESS)

最終更新:1月18日(木)16時54分

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