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アパート建設に急ブレーキ、増えすぎたアパートは一種の時限爆弾に

1月19日(金)8時10分配信 THE PAGE

 相続税対策などから需要をはるかに超えるペースで増加していたアパート建設に急ブレーキがかかっています。数年後には空き家の問題がかなり深刻になり、一部の物件が不良債権化する可能性も出てきました。

貸家建設は6カ月連続でマイナス

[イメージ写真]ペイレスイメージズ/アフロ
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[イメージ写真]ペイレスイメージズ/アフロ
 国土交通省が発表した11月の住宅着工の動向によると、貸家(主にアパート)の建設は前年同月比で2.9%減と6カ月連続でマイナスとなっています。

 アパート建設は相続税対策から需要をはるかに超えるペースで増えており、2016年は前年同月比で2ケタ台の伸びが続いていました。税金対策でアパートを建てたいという需要があることに加え、マイナス金利政策によって収益が低下した銀行が、こぞってアパートローンを強化したことが建設に拍車をかけたようです。

 一部の地方銀行では不動産会社と組み、土地所有者にローンを組むよう積極的に営業するなど、過剰融資とも言える状況となっていました。あまりの過熱ぶりに金融庁が事実上の行政指導に乗り出したことで、昨年からは融資を控える銀行が急増。結果として着工件数も大幅に減少するという状況になっています。

物件の一部は不良債権化する恐れも

 とりあえずアパート建設バブルは落ち着きそうな状況ですが、問題はむしろこれからです。相続税対策で建設されたアパートの場合、賃貸需要の推移を考慮に入れていないケースも多く、近い将来、空室という問題が発生する可能性があります。

 地域の需要以上にアパートが供給された場合、築年の古い物件から新しい物件に賃借人が流れます。建てたばかりのアパートは、しばらくの間は大丈夫かもしれませんが、周囲にある築年の古い物件は空室が増え、一部の物件は持ち主がローンを返済できなくなる可能性が出てきます。最近、建設されたアパートも時間が経過すると同じような状況に陥る可能性が高いでしょう。

 都市部など一部地域以外では、人口減少によって今後の賃貸需要は減る一方ですから、こうした物件の一部は不良債権化し、地方銀行の経営を圧迫する可能性があります。

 人口が極端に減少する地域で不良債権が増加すると、極めて深刻な事態に陥ります。物件の流動性が低いと、損失処理が進まなくなってしまうからです。こうした問題はすぐには顕在化しませんから、一種の時限爆弾といってもよいでしょう。アパートの空室状況の推移には注意を払っておく必要がありそうです。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:1月24日(水)5時54分

THE PAGE

 

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