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20年後、確実に勝ち越せる投資スタイルは「肉食派」か?「草食派」か?

1月17日(水)12時10分配信 THE PAGE

写真はイメージ、提供:アフロ
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写真はイメージ、提供:アフロ
 2018年初来、2万4000円に迫る日経平均株価の勢いは、今度こそ好景気は本物だと感じさせます。これを機に投資に挑戦してみようという人もいるのではないでしょうか? さまざまな投資があり、とくに初心者にとっては何から始めたらいいかわからないのではないかと思います。そこで、難しくもなく、忙しい人にでも、20年後に最大の成果を上げられる投資方法について考えてみたいと思います。(解説:セゾン投信株式会社 代表取締役 中野晴啓)

株式の短期売買などの「肉食派」投資で成功するには、経験と莫大な時間と努力が必要

 昨年末に大手メディアが主催する投資イベントがあり、筆者は「草食投資派VS肉食投資派」というコーナーで草食投資家代表として登壇しました。肉食投資家代表の人気女性FPのYさんとバトル風に対談しました。Yさんは国内株の個別銘柄をスウィングトレード中心に売買している個人投資家として有名な方です。トークの中でも2018年に有望とされる注目銘柄にも数多く言及されており、聴衆は聞き逃すまいと熱心にメモをとっていました。

 筆者は一般の生活者が個別株式を対象に投資をすることに否定的です。一般生活者にとって、偶然性に依拠した勝ち目の薄い投機的行動になりかねないからです。

 Yさんは、銘柄発掘から短期的値動き、相場動向まで全精力を傾け、この勝負に対して莫大な時間をかけ研究に励んでいます。それはご本人も明言されており、だから勝てる自信を持って行えるとコメントされていました。そうした誰にも負けない努力を積み重ね、実際に様々な場面を経験して、時には苦汁を舐める体験もした結果、自分独自の投資スタイルを確立し、トレードのリズムとルールを持続的にきっちりと守り行動されています。これを本職として確立されている、おそらく数少ない、勝ち越しを続けている個人トレーダーのひとりでありましょう。株式の短期売買におけるリターンの源泉は専らボラティリティ(値動き)です。そして日々の相場の値動きはゼロサム、つまり自分の利益は他者の損失に立脚したものであり、逆もまた真なりです。人並みでぼんやりしていたら、瞬く間に利益をかすめ取られてしまうでしょう。日々の相場で勝負している人たちはプロも個人投資家も同様で、経験に裏打ちされた勘と研ぎ澄まされた反射神経こそが勝つために不可欠な能力です。

 この世界でメシが食べられている人は、皆さん一様に判断を誤ったときのカットルールも厳しく守っています。何より多大なる時間と情報収集へのエネルギーを費やしているに違いなく、しっかり勝ち越す人はその本気度が違うのです。然るに大半の一般生活者にとっては、Yさんはじめ成果を出し続けている本気筋と同じだけの行動を実践することは、極めて困難でありましょう。当たり前のことですが、大半の人はまったく別次元の産業界で仕事に携わっていて、各々の分野で厳しい競争に打ち勝つべく努力を重ねています。そこでプロフェッショナルとして精進している傍ら、本気筋の個人トレーダーと同レベルの労力を費やし知見を持つことは不可能に近いでしょう。

初心者でも、忙しくても20年後に最大の成果を上げられるのは「草食派」投資

 定時退社のできるサラリーマンだとしても、結構忙しいもので、マーケットを学びテクニカル分析を習得する時間を割くのも大変です。そこで多くの一般生活者は自分で勉強し努力することを割愛して、「今すぐ儲かる」本とか証券会社や銀行に勧めてもらうとか、他者に判断を求めようとしてしまうわけです。金融機関の言いなりで投資行動を決めるなど愚の骨頂であり、自分の頭で考え判断することをしない人がマーケットで勝負に勝てるはずがないと断言できましょう。 

 金融市場は機関投資家とYさんの如きプロ筋の個人トレーダーも含め、職業人としてのプロ同士がメインプレーヤーとしてしのぎを削っています。そこにサラリーマンが本業のにわか個人投資家が参加するということは、プロゴルファーのトーナメントにサンデーゴルファーが混じって予選通過を目指すようなもので、無謀なチャレンジなのです。サンデーゴルファーでも時折ナイスショットは出るし、バーディーだって取ることもありますが、決してそれを継続できないでしょう。プロとは、常にナイスショットの再現性を高いレベルで目指す競争の世界であり、素人の勝ち目は極めて薄いのです。

 だとすれば、投資において一般生活者がリターンを積み上げる最も合理的なアプローチが「投資信託」の活用です。それもマーケットの値動きを予測して勝負することをしない「積立投資」で心安らかにコツコツと投資資金を積み上げて、相場での勝負で負ける確率を圧倒的に減らし、合理的に資産形成が叶う行動を選択すべきでしょう。

 今年から始まった「つみたてNISA」は投資対象となる投資信託の商品選択まで金融庁が厳しく制約して囲い込んでいる、一般生活者が投資を始めるのに最適な制度です。「つみたてNISA」は端から相場とは勝負せず、素直にこの仕組みに則って行動を続けた人が等しく相応の成果を得られる制度です。何ら根拠のない自信で「俺は相場に勝てる」と思い込んでギラギラガツガツ投資をやめられない人たちに対して、自らを客観視できる素直で謙虚な人たちが20年後には最大の成果を獲得できることになるのでしょう。


(セゾン投信株式会社 代表取締役 中野晴啓)
セゾン投信株式会社代表取締役社長。1963年生まれ。87年クレディセゾン入社。セゾングループ内で投資顧問事業を立ち上げ運用責任者としてグループ資金の運用等を手がける。06年セゾン投信(株)を設立。公益財団法人セゾン文化財団理事。一般社団法人投資信託協会理事。全国各地で年間150回講演やセミナーを行っている。

最終更新:10月2日(火)16時12分

THE PAGE

 

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