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「勝てる立地」を行政が選別する未来はくるか

1月14日(日)20時00分配信 不動産投資の楽待

(写真© beeboys-Fotolia)
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現在、都市再生特別措置法に基づき、各自治体が「立地適正化計画」を策定しています。この立地適正化計画とは何でしょうか? また、この計画によって土地の価格は変わるのでしょうか? 今後、投資家にも直接影響を与える可能性のある「立地適正化計画」について、詳しく見ていきたいと思います。

■立地適正化計画とは?

立地適正化計画というのは、市町村が作成するもので、都市全体の観点から、居住機能や福祉・医療・商業等の都市機能の立地、公共交通の充実等に関する包括的なマスタープランのことです。平成29年7月31日現在、357都市が立地適正化計画について具体的な取り組みを行っており、112都市が計画を作成・公表しています。

国土交通省のHPでは、立地適正化計画制度の創設理由について「我が国の都市における今後のまちづくりは、人口の急激な減少と高齢化を背景として、高齢者や子育て世代にとって、安心できる健康で快適な生活環境を実現すること、財政面及び経済面において持続可能な都市経営を可能とすることが大きな課題です。(中略)行政と住民や民間事業者が一体となったコンパクトなまちづくりを促進するため、立地適正化計画制度が創設されました」と説明されています。

この計画により、市街化区域は以下のように分けられることになります。

1.都市機能誘導区域
医療施設、福祉施設、商業施設などの都市機能増進施設の立地を誘導すべき区域のこと。

2.居住誘導区域
居住を誘導すべき区域のこと。

3.それ以外の区域
設定は任意ですが、「居住調整地域」を設定することが可能。居住調整地域内では3戸以上の住宅などの新築や改築、住宅への用途変更等が規制されるなどの規制があります。

■「投資してもよい地域」は?

居住誘導区域が定められたことにより、その区域の内か外により不動産の価値は変わってくることが予想されます。したがって今後は、市街化区域、市街化調整区域の別からさらに一歩進んで、居住誘導区域かそれ以外の区域(居住調整地域)かを調べる必要が出てくると思われます。

立地適正化計画は各自治体のHPなどで確認することができます。この計画の中で特にみるべきポイントとしては、以下などが挙げられます。

・その地域の人口・世帯等の動向と高齢化率
・市街地の人口の推移
・公共公益施設の状況

人口、世帯数の現状はどうなのか? そして今後どうなっていくと予測されるのか? 高齢化率はどうか? これらを調べることによって、投資してもよい地域なのかどうかが分かります。

また、特にお年寄りが増えると予想される地域であれば、今後高齢者住宅が不足するなど投資のコンセプトも決めやすくなります。次頁でさらに詳しく見ていきましょう。

■不動産価値の向上が見込めるエリアはあるか

物件のチェック項目は以下の通りです。

○居住誘導区域内かどうか
居住誘導区域の外側でも居住は可能ですが、インフラが整っておらず、生活の面から不便になると予想されます。人口も次第に減少し、最終的には人が住まないエリアになることも考えられます。賃貸物件の立地としては不適切で、選んではいけない地域だと思われます。

○医療施設、福祉施設、商業施設などへの接近性
これらの施設は都市機能誘導区域に集中することとなります。従って、この区域に近ければ近いほど利便性が高く、賃貸付けも有利な地域といえます。特に地方物件では、都市機能誘導区域に近い物件かどうかをチェックする必要が出てきます。

○企業誘致候補エリアはどこになるか?
企業誘致エリアも計画の中に盛り込まれます。どのエリアがそうなのか? どのくらいの規模なのか? 現在その周辺はどうなっているのか? などを調べ、場合によってはそのエリア周辺に物件を購入する戦略もありえます。ただし、企業はすぐに撤退することも考えられるので、そのエリアの規模と将来性を念入りに調査する必要があります。

○各自治体の財政状況及び世代別人口動態
自治体の財政状況と世代別人口動態を調べる必要があります。財政状況次第では計画に沿った実行が難しく、計画は絵に描いた餅となる可能性もでてきます。実行できなければ利便性の観点から計画に沿って街づくりをしている地域に比べて魅力のない地域となり、人が集まらなくなることも想定されます。

また、世代別人口動態を調べることにより、戦略の立て方が変わってきます。たとえ人口が高い密度を維持できるエリアでも、居住する人の年齢によって間取りやニーズが異なるからです。世代別人口動態と将来の人口予測は、「国立社会保障・人口問題研究所」が公開している人口推移が参考になります。

これらのことを総合的に勘案し、不動産価値の向上が見込まれるようなエリアをまとめると、以下のようになります。

1.居住誘導区域内であること
2.医療施設、福祉施設、商業施設などへの接近性が良いこと
3.もしくは、企業誘致エリア内であること
4.財政状況が健全な自治体であること

さらに世代別人口が分かれば、それに沿った間取りなどの戦略を練ることになります。

■立地適正化計画の効果は本当にあるのか?

最後に、立地適正化計画によって本当に今まで述べたことが実施され、街は選別化されるのか? ということを考えたいと思います。

2017年10月14日発売の「週刊東洋経済」に面白い記事が載っていました。立地適正化計画を作ると、それに基づく都市機能の整備に国から補助金が支給されるため、策定した自治体の半分ぐらいは外部業者に委託して作らせた金太郎飴のような計画になっている、という内容です。

市街化区域全域をそのまま居住誘導区域として設定している自治体もあるとのことです。補助金を得るために外部業者に作らせ、市街化区域全域をそのまま居住誘導区域に設定するのであれば、現状とほとんど変わらないといえます。

だとすると、投資家はこの計画を気にかける必要はない、という判断もあり得るでしょう。今のところは上に述べた、「不動産価値の向上が見込まれるようなエリア」を気にしつつも、自治体のやる気と実行力を見守ることになると思います。
浅井 佐知子

最終更新:1月14日(日)20時00分

不動産投資の楽待

 

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